2020/05/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 貧民地区とはいえ、夜の娯楽街は王都の中でも指折りに賑やかな場所と言える。
女や男の呼び込みの声に紛れ、少年少女が路地から袖を引く。
賭博、酒場、薬物、性といったいかがわしくも人を引きつける商品が揃っているのだからそれも当然。
その人の流れのなか、フードの男はとある店の前でチンピラ風の男を蹴飛ばし追い払っているところであった。
「二度とくんじゃねぇぞ!!クズが!!」
痛めつけたうえで脅しつければ、チンピラ風の男は情けない声を上げて逃げていく。
しかたがない。これも仕事なのだ。
■ブレイド > 最近店にたちの悪い客が増えてきたから、少し痛めつけて追っ払って欲しい。
とある酒場から出された依頼だ。
場所柄、そのような問題がおこることは珍しくもないし
このような酒場や娼館では用心棒を雇っていることも少なくはない。
が、用心棒だって固定雇う店もあれば、このように冒険者に頼む店もある。
今回は自分がその仕事を受けたというわけだ。
店の主人は、チンピラが去っていくのを見れば満足そうに頷いている。
店の隅の…用心棒の指定席に座れば、たのんでもいないのに食事と酒が出てきた。
ここの店主は、雇用者と円滑な関係を築く術に長けているらしい。
■ブレイド > 食事がついて、払いもそれなり…拘束期間は多少はあるものの…悪くはない仕事だ。
出された皿の上で湯気をたてる、パリパリに焼かれたソーセージにフォークを突き立ててかぶりつき
それをエールで流し込めば、なんか等し頃終えた缶すら出てきてしまう。
もちろん仕事の途中ではあるのだが。
そのため、エールのおかわりは認められていない。
条件を見れば文句を言えるわけもないのだが、そこのところは少しだけ不満だ。
「ま、こねぇことにこしたことはねぇが…」
食事ボーナスが付くにしたって、店側にとっても自分にとっても、問題は少ないほうがいい。
ここの仕事について2日といったところだが、すでに5人ほどたたきのめし
うち2人はリピートまであった。
■ブレイド > 巷では血の旅団だ城塞都市攻略だと、色々噂になっているが…
あんなものは冒険者が単独で受けるようなものではない。
国が冒険者に丸投げしたところで統率をとって集団対集団という形に持ち込んでようやく形になるものだ。
いわば、小戦争という形にしてようやく。
自分のようなはぐれ冒険者には関係のないこと。
それこそよっぽどの好条件と一定以上の勝算があってのことだ。
それに、他の冒険者がそっちに注目してる間、他の依頼に行く冒険者は減る。
むしろそういう意味では仕事にあぶれることはなくなり、ありがたいとも言えるが。
「ん……そろそろか…」
閉店時間ももう近い。
用心棒業はそろそろいいだろう。
店主もそのように目配せしてくるので、エールのおかわりを注文することにした。
■ブレイド > しばらく酒を飲んでいれば店主は閉店の準備をし始める。
だいぶ夜も更けて、通りの人通りもまばらと言ったところ。キリが良いというやつか。
あるていど支度が終われば、声がかかる。
明日も頼むよと。
明日でこの仕事はおわりだが…まぁ、大きな問題もなく終わりそうだ。自分も立ち上がり荷物を背負う。
店主の言葉には首肯し、短く「ああ」とだけ応える。
我ながら無愛想もいいところであるが愛想も調子も良くというのは性に合わない。
大きく伸びをして、程よく温まった体をほぐし、店を後にする。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からブレイドさんが去りました。