2020/04/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にカーレルさんが現れました。
■カーレル > 長い事、こんな仕事をしていると良からぬ連中の眼にもつく
良からぬと言っても世間一般からすれば、と言うだけであって言い換えれば、
そんな良からぬ連中という呼称も多角的に商品を扱う業者だとか、何とか何とでも言える
そんな連中の良い所は彼らのルールさえ守れば結構、金を弾んでくれる
余計な事に顔を突っ込んだり、口出ししたり、他言したりしなければ程々には信用してくれる
程度の低い連中だと金払いを渋ったり、暴力に訴えたりだとか、そんなトラブルが絶えない
その辺を見極めるのも『何でも屋』で食っていく素養なのだと思う
大事なのは見極めとその手合とは貸しも借りも作らない事、言われた以上も以下もしない
金の分だけきっちり働く金銭のやり取りだけに留めておきたい…あくまでビジネスライクなお付き合いで
古ぼけて崩れかけた集合住宅の扉を開くと甘ったるい香りがむわっ、と溢れて鼻先を掠めた
シェンヤン辺りから流れてくるクスリの一種が貧民地区の一部で流通しているらしく、
元からこの辺りを縄張りにしている商人組織が難儀をしているらしい
質は三流だが、安さは一流…貧民地区では何より安さが一番
販路を潰されておクスリが売れなくなった組織が今回の依頼主…仕事は出所を探る、程度の事であったが
これが中々やり手であった…商品はクズ同然だが中々尻尾を掴ませない
まあ、そうでなければ組織も自分のトコの連中に探らせて、外注なんてするわけもないだろうが
さて、立ち入った集合住宅の中は既にものけの空であったが薄暗く中はよく見えない
自分は毒物、薬物は自浄してしまい全く効果が無いが、流れてくる甘ったるい香りに、
つい口元を手で覆ってしまった
出回っているのは焚きしめて使うタイプらしいが、質が悪く後を引く効き方をするらしい
「…これは嗅ぎ回ってんのバレてるな、対応が早すぎる」
参ったな、と思いつつも中へと歩を進めながら、何か手がかりが無いかと漁ってみる
まあ、これだけ手際の良いのが相手だと飛ぶ鳥跡を濁さず、何も残っているとは思わぬが、
依頼主を納得させるだけの何かを見つけないと面倒なことになるのは目に見えている