2020/04/16 のログ
■ビョルン > 「いえ、手前若輩者にして。
明日は違うことを申すやも知れません」
固まりきっていない己の中身を大人びた器に嵌めて保っているのだとの自覚はあり、またごく僅かに口端上がる。
「──どうしてです、人間にだって可愛い人はたくさん居ます。
なにより話が通じる」
特に魔王や、また極端に下級の魔族にあっては己の話が通じるようであってはいけない気がする。
メイドの話については何らかの形で合点してもらえたかと見て取れば頷くに留める。
「いや、親分<オヤ>からは酒と煙草はまだ早いと止められております。
──ですが、また袖が摺り合いましたらその節は」
己の名前と顔は知れていてもまだ10代だと思われていない節がある。
礼を受けると今度はこちらも礼を返して歩き出す。帰路へ。
■セイン=ディバン > 「それを正直に口にするあたりが面白い。
こんな冒険者なんて、適当言って煙に巻けばいいのに」
それをしないんだろうな、と笑いつつ。
あるいは、自分が不真面目すぎるだけか? と自問自答なのであった。
「……そりゃあそうですがね。
ざっくり言っちゃうと成り行きもあったんですよ。
いつしか情が湧いてね」
成り行きだってきっかけはきっかけ。
後はもう、惚れた方の負け、というやつなのである。
実際、男は妻に惚れ込んでいるので、勝ち目がない。
「ん、そりゃあ残念。
……そうですな。どんな縁があるのかわからないのがこの国ですから」
さすがにムリに酒を飲ませるわけにもいかない。
男は、心底残念そうな表情を見せると。
相手と反対方向へと歩き出し、同じく、家へと向かうのであった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からビョルンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からセイン=ディバンさんが去りました。