2020/03/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > 余りガラの宜しくない――道で客を待つ娼婦やらそれを目当てにした輩やら、泥酔して道端で潰れている酔漢やら……そんなものが雑多に路傍に散らばった一角で――
「いくらだ?じゃねーわ! 非売品だわ! しつこいんだわ!!」
怪我人がいるので……ということでこんなところまで遠征してきましたヒーラー。
しかし、一仕事終えて戻ろうと足を速めていたのに、おかしな手合いに引っ掛かった。
一言も「お兄さん遊んでかない?」なんて口にしてやいないのに、当然のように「おう、いくらだ?」と二人の男に声を掛けられて手首をつかまれて威勢のいい罵声が迸る。
「ほ か あ た れ ! 判る? 言葉理解してる?!
つーか、そっちが一発いくらですかアァァ!?」
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にエズラさんが現れました。
■エズラ > 野に暮らす生活から街へ戻って仕事探し――大抵の場合は荒事――の真っ最中。
とはいえ年中どこかしらで小競り合いはあるし、戦場へ戻るのも悪くない。
一番手っ取り早いのは、冒険者ギルドへ出かけ、臨時雇いの貼り紙を見ることだが――
「……ま、いつでも割の良い仕事っつうのは早い者勝ちだよなぁ――」
今日は、空振り。
仕方がないので安酒場で一杯やるか――と歩き慣れた貧民地区へ。
そこにはいつもの風景が広がっていたが――ふと、男の足が止まる。
嫌がる女に群がる男――あまりに風景と同化していたので見逃してしまいそうになったが、その甲高く威勢の良い声には聞き覚えがあった――
「ティアじゃねーか――相変わらず危険地帯で会うな~……――」
男達の背後から、軽い調子で声をかける――
■ティアフェル > 素人っぽいお相手を二人で募集というマニアックな手合いは結構しつこかった。娼婦じゃないならそれはそれとして、いくらならいいのかと交渉を始めてくるのでいい加減イライラが爆発。一発いくらか、聞きたいのは、その一発は何の一発か――
「後ろ回し蹴りのオォォォ! 一発じゃあぁぁ!!」
そう怒鳴りながら、手首をつかんでいた男に全力で叩きこむ一発。
鳩尾を狙って蹴り飛ばした、そんな時でした。暢気に知人から声を掛けられたのは――
「あ゛」
蹴飛ばされた男はそのまま背後にいた傭兵の知人に向かって吹っ飛んでいった。
やば、と回し蹴り犯は口元に手を当て。
■エズラ > 目を見張る鋭い蹴りが一閃、大の男が吹き飛ばされ、こちらへ――
「うぉっ、危ねっ!」
――受け止めてやる義理もない。
身を躱し、地面にすっ転がってしまう男に憐れみの目を向ける――
反撃を予想していなかったらしく、不意に鳩尾へ大きな衝撃を受けた反動か、腹を押さえて咳き込み、呻いている――
「お~お~……またえげつない一撃持ってんな……――」
呟きながらも、視線はもう一人の男へさりげなく注がれる――
仲間を傷付けられたこういう手合い――激高するか、逃げ出すか――
■ティアフェル > 「わー、ごめーん!」
そんなつもりはなかったのだが、男の真後ろにいたもので真っ直ぐそちらに吹っ飛ばしてしまったが、軽く避ける様子にほっとして。慌てて両手を合わせて詫び。
そして一人は落としたが、もう一人残っている。
戦意を削ぐためにも、速やかに知人の隣にそそくさ、とした動きで移動して。がっし、と徐に彼と腕を組もうとしながら。
「これで二対二ね! やりたいならかかってくるがいいわ!」
そうでないなら、そいつを連れてとっとと去れ、と勝手に通りかかった知人を巻き込んで凄んだ。
■エズラ > 彼女の行動は素早い――いつの間にか隣へ移動、ガッチリ腕をホールドされ、臨戦態勢。
その姿に半ば呆気にとられていると、倒れた男を助け起こしていた男が憤怒の表情でこちらを見上げている――
「……そういうわけだが、どうする――ン?」
このままでは終われない――まだ元気な方の男が真っ直ぐに突っ込んでくる。
隣の少女をひょいと押して離れると、飛びかかってきた男の腕を抱え込むように捕まえ、勢いそのまま背中から投げっ放し――近くの露店に派手に突っ込む。
巻き込まれて倒れる酔漢、散らばる商品――それに目を付けた、目ざとい路上生活者。
一斉に騒動が始まる――理由もなく殴り合う者、商品を掠めとる者――
「……さ、逃げようぜ――」
結果オーライ、少女に手を伸ばし、駆け出そうと――
■ティアフェル > 「っちぃ」
一見ひ弱そうな女一人ではなく、屈強そうないかにも戦士然とした雰囲気の男性が加わったというのに意外と引かない様子に舌打ちが零れた。
諦めない、こいつの気骨は買ってやろう。
こいつも蹴るか――と足がでかけたが、突っ込んでくる男から避けられるように押されて、少し距離が空いたところで振り向いたら軽々と投げ飛ばしている姿に。「さすがいーい動きだ」と顎に手を当ててもっともらしく首肯し。
そして瞬く間に大騒ぎに発展した現場に一瞬棒立ちになり。
『ん? アレ? 何故こうなった?』と元凶が唖然としたが。
俄かタッグを組んだ相手から駆け出す合図を貰って、伸ばされた手を取って。
「え、あ、はーい。ズラかろー!」
一目散に遁走。とっとと乱闘会場となった路地から走り出して離脱し、数ブロック離れた場所で足を緩めて、遠く響く喧騒を振り向きながら、
「っは、はぁ…っ、ここまでくれば大丈夫かな?」
■エズラ > 「あ~、大丈夫そうだ――こんな場所で何してた――」
この周辺も危険地帯であることに変わりはないのだが――少なくとも、大乱闘の現場からは遠く離れ。
改めて相手の姿を見るに、こういう場所に似合わないもんだ――と。
回復術に特化した冒険者が貧民地区で従事する仕事といえば、負傷者の救護であろうか。
しかし、遭遇よりも個人的には――
「しっかし驚いたぜ――良い蹴りだった」
大の大人一人を蹴っ飛ばせる運動神経、胆力等々、どこで習った?などと問い――
しばらく歩くうち、本来目指していた酒場が近いことに気付き――「一杯飲むか?」と誘う。
■ティアフェル > 「仕事の帰りよ。たまーに通りかかってみればほんと、ここいらはロクなことがないわねー」
やれやれと肩を竦めて軽くため息を吐き出して。
負傷者の回復に訪れたのに負傷者を蹴り産んだ矛盾なヒーラー。
あっちは大丈夫……じゃないわな、と騒ぎの余波が微かに響き一層盛り上がっちゃってる現場に冷や汗を零し。
「んん? そ? ま、一応冒険者なんで多少の武道の心得ぐらいはあるってものよ」
なんて嘯く、幼い頃から弟や男子に混じってファイトしていたボス猿格。軽く胸を張って威張ったが、お酒の誘いにそうねえと頬に手を当て。
「ま。ここで会ったのも縁だね。野外飯は一緒したけどお酒は初めてか」
飲む、と肯いてゆく先に見えてくる酒場に入っていき。狭い店内で空席を探した。
■エズラ > 馴染みの店主がカウンターの隅を指すので、そこへ着席。
何も注文しないままにジョッキに注がれたエールがふたつ、そこに簡単な乾き物が添えられた。
「安酒場だ、ともかくまずはこれで一杯やれってスタイルなのさ――」
それじゃ勝利に乾杯、と茶化した笑みを浮かべてジョッキを合わせ、喉を鳴らして酒精をあおる。
一気に半分ほどを流し込み――
「……っはぁ~……!久しぶりの酒は美味い――」
このところすっかり野外に暮らしていた分、その顔色はことのほか上機嫌である――
■ティアフェル > 「エール一択か……」
まるで他の酒などないように問答無用で出て来た。
何にしよっかな~と考え始めた3秒後にはもう目の前にあった。
若干遠い目になったが、ジョッキを掲げるのに合わせて持ち上げ。
「かんぱーい、いただきまーす」
ちょっと苦手な苦いお酒だが、喉越しは良い。傾けて少しずつ煽りながら、旨そうに飲む横顔に目をやって。
「そー云えば山ごもりは終了?
街に宿取ってるの?」
■エズラ > 「二杯目からは注文を聞いてくれる――フフッ、よく考えりゃこんな色気のねぇ酒場に連れてきちまうたぁ、オレもヤキが回ったもんだぜ――」
客層を見れば、先ほどまで騒がしくしていた外の連中とほとんど大差はない。
皆、明らかに脛に傷を持っていそうな風体である――
「ああ、そうだ――そろそろ懐が寂しくなってな。街にいる間はいくつか定宿がある――」
馴染みになれば、貸倉庫で大きな荷物も預かってくれる――
と。
今のねぐらはここからほど近い、貧民地区でもいくらか治安のマシな場所の名を告げ。
「そういうティアは、どこに暮らしてる――まさかここいらじゃねぇんだろう」
■ティアフェル > 「そっか、良かった。取り敢えずエール、途中もエール最後までエールじゃなくって。
んー? いーやぁ、自分じゃこういうお店あんまり来ないから、楽しいよ?」
そもそもわたしに色気ありませーん、のでお似合いですと肩を揺らして、少し珍しそうに店内を見廻すと荒くれ者たちがガヤガヤと上品とは云えない粗暴な口調で賑わってた。
「そーなんだぁ。テント暮らしも楽しそうだったけどね。引き払っちゃったんだ」
これからはウッカリ森でトラブっても顔出してくれないのかあ。少し残念だなあとぼんやり考えつつ。頬杖をついてエールをちびちび舐め。
「うん、わたしは冒険者ギルドの近くで下宿してるよ。
ヒールする代わり格安なの。
――ところでいい仕事はあった? 最近ちょっと渋い依頼が多いでしょ」
■エズラ > 「ま、しばらくは街暮らしかな――野外暮らしは趣味みてぇなもんだから、また外で会うこともあるかもしれないぜ」
気付けばジョッキを空にしていた男は、店主に空いたジョッキを示し、もう一杯と催促する。
「――今日はギルドじゃ空振りだ――とはいえよぅ、オレの場合、港湾で荷運びもやるし、賭場や娼館で用心棒の真似事もやる――」
仕事を選ばなければ、その日その日の暮らし向きは何とか立てることができるのだと。
「しかし、でっかく稼ぐならやっぱり討伐依頼だな――ティアがいてくれりゃ心強いぜ」
山賊退治や魔物退治、やはり冒険者仕事の花形はその戦闘能力を生かすものになってくる――
「掲示板のめぼしい依頼にゃ請け負い中のスタンプが押されてあったがよ――あぶねぇ仕事は、まだいくつか空きがあったな」
そして、危険度が一定の水準を超えてくると――依頼書はほこりを被り始めるのである。
■ティアフェル > 「そっかあ。なんかあのテントって良かったよね。
仙人みたいで面白かった」
小さく笑いながら、早くも一杯飲み切る彼の前に、半分ほど飲んだエールをすすす、と寄せて「あげる」と進呈にかかる。
そして、蜜酒を頼んだ。
「選ばなければ仕事はいろいろあるのね。ま、それはわたしも一緒か。これがいいだのあれがいいだの……選んでられないからこんなところまで出動だよ」
そして絡まれて今に至るという流れ。夜間はあまり来たくなかったのだがやむを得ない。ふう、と小さく嘆息し。
「っふふ。そ? 確かにエズラさんに足りないのは回復か――適当なのあったら一緒に受けてもいいかもね」
大所帯で討伐クエストに参加すると陣形を乱してしまい嫌煙されてしまうが、少人数ならばそうも云われない。それも悪くないねえと暢気に肯きながらつまみに頼んだ塩の利いたナッツを齧り。
「危ない仕事ねえ、つい先日ゴブリン狩りならやったわ。危ないわりにそんなに実入りは良くなかったかも。エズラさんオーガは倒してたけど、どこまで斬れるの?」
オーガを一騎打ちで仕留めた時点で結構なレベルまで狩れるのだろう。興味深げに小首を傾げ。
■エズラ > 彼女のジョッキをありがたく受け取り、目の前で空にする――同時に、先ほどの注文が手元へ。
これで自分が酒好きだということは十分に伝わるであろう。
「オレか――?フフ、そう改めて聞かれると困っちまうが――まぁ、災害級の竜族でもなけりゃ、何とかしてみせるぜ」
得物は基本的に愛剣一振りだが、武具と名の付くものならどれもそれなりに使いこなせると告げ。
それ故、どれも専門職の者達には劣るが――器用貧乏というほど熟練していないわけでもない、と。
「――しかしま、目下の強敵は――ティアかなァ……?」
カウンターに肘をついて、相手の顔を真正面から見据えて。
「気を付けろよティア――オレだって基本的には、そこらの連中と変わりゃしねぇんだからよ――?」
ムッフッフ、と以前にも見せたことのあるあからさまな笑みを口の端に載せ、冗談めかして。
■ティアフェル > エール派なのかなー。と一気に飲み切る酒の飲みな模様を眺めて、出て来たミードルを「甘ぁ」と目を細めてゆっくりを味を楽しむように傾け。
「竜族以下斬れるって――ほぼほぼやれるじゃん……このチート!」
罵倒のように賞賛した。っちぃ、と無双な剣士に嫉妬な舌打ち。
凶暴なヒーラーではあるが、そこまでの強敵には勝てない。
いいなあ、と軽くカウンターに突っ伏して呻き。そして強敵と称されて目線をちら、と上げて見遣り。
「あぁん……? わたしにもそこらの連中と同じようにする?
力づくで来るってんなら再起不能コースに叩き込みますのでお勧めしませんわよー」
軽口には、っへっへっへ。と口端を歪めて低く陰湿に笑いながら物騒な科白。
■エズラ > 「何とかするったって、そりゃあもう色々やんだぜ――?剣一本で真っ直ぐ突撃するってわけじゃねーんだ――この間だって、ティアのくれた薬がなけりゃ、ああも真っ向勝負はできなかったしよ――」
策をめぐらし、必要なら罠を張り――傭兵団で培ったあらゆる技術を駆使してどうにか、ということである。
そして、凶暴な笑みを返してくる姿に両手を挙げてから、こちらも少しつまみを口にし、エールをあおる。
「むはは、そりゃあもう――あんな蹴りはもらいたくねー……――」
そして、ずいと身を乗り出して顔を近付け。
「なら、真っ向から誘いやいいのかな――?」
■ティアフェル > 「ふーん?
まあ、強壮剤が必要な時は云ってもらえれば用意するわよ」
お気軽にどうぞーと少々営業して、ひらりと挙げた片手を緩く振って見せ。
それにしても災害レベルの竜まで対処できるなら――用心棒だの肉体労働などしなくてもやっていけるような気がして少し首を捻り。
カリ…と音を立ててアーモンドを齧ったところで急に近づく顔に「おおぉ」と若干顎を引き。
「うん、まあ。お誘いは自由ですよ。イヤだったらこっちも、真っ向からお断りしますしね。ごめんなさい!つって」
へら、と緩い笑みを湛えて惚れた相手しか許さないポリシーはカケラも揺るがず。
■エズラ > 「ムッフッフ、そのかて~ガード、惚れ惚れするぜティア――」
胆力だけではない、何か一本筋の通った信念は、この街では珍しい――
なまじ、自分のような荒くれた生活をしていると余計に――まぶしさすら感じるほど。
「そんなら今日は諦めるとすっかよ――だがよ、せめて帰りは送らせてくれよな――」
こんな場末の酒場に誘った手前、下宿に戻るまでにまた絡まれないとも限らない――もっとも、彼女ならば一人でも戻れるのだろうが。
■ティアフェル > 「乙女の嗜みよ。あとさ――とりま、ムフムフ笑いがどうにかならんことには、ときめけないんっすけど。おにーさんや」
荒っぽい世界に身を置く彼には、乙女だなんだというのは面倒くさい性質に他ならないだろう。
相手にしてられなくなるのも時間の問題と認識。その上で笑い方には今日もツッコム。
「あらぁ、紳士的で嬉しいわあ。そうそう、イイ男はそうでなくっちゃね」
送ってくれるというお言葉には素直に甘え。対処可能と云え、冒頭のような輩にいちいち絡んで来られても帰りが遅くなるだけなので非常にありがたい。
にこにこと笑みを向けて蜜酒を飲み切り。
■エズラ > 「生憎、自分のスケベ心にゃ嘘はつけねぇ――なんてな」
くははっ、と笑みを浮かべて自分も酒を空にする。
「勘定はオレが持つぜ――」と、誘った手前店主に支払いを済ませると席を立ち、出口を示してお先にどうぞとエスコートの真似事を。
「そんじゃ、帰るとしようぜ――」
彼女が店を後にすれば、その後に続くことに――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からエズラさんが去りました。
■ティアフェル > 「ったくぅ……エロリストめー」
むしろ相手の方が正常ですと総突っ込み食らいそうなことを口にしつつも。
お勘定を持ってもらえば「ごちそう様でした」と丁寧に頭を下げて。
エスコートする所作に「そんなことできるんだ」とおかし気に笑いながら帰途に着き――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からティアフェルさんが去りました。