2019/12/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > 「……」
貧民地区、とある酒場にて、男が一人酒を飲んでいた。
店はこじんまりとしており、他に客はいない。
店の主人たるマスターは偏屈者。音楽だって流れていない。
だからこそ。男は、この静かで、酒の種類が豊富な、流行らない店が好きだった。
「……ふ、む」
酒を喉奥へと流し込みつつ、目を閉じる。
静かな夜だ。店の中の寒さが、感覚を鋭敏にさせる。
一人で飲むのもいいが……そばに誰かいてもいいな、なんて思いつつ。
男は、静かな空間そのものを味わうように、静寂に身をゆだねていく。
■セイン=ディバン > 「……マスター。ちなみに仕事とか無いの?」
この酒場は、冒険者ギルドと提携していない店だ。
それ故に、ギルド経由の仕事などはあまり入ってこない。
とはいえ、マスターを頼りにした人間が個人的に依頼を出すこともあるので。
男は、一応念のために聞いてみたが。
「……あ、そう」
マスターは男を一度、ちらと見た後に、微かに首を振った。
やれやれ、相変わらずだ、と思いつつも。
男は苦笑したまま酒を飲む。流行っていないのに店がつぶれない辺り。
完全に道楽営業なんじゃないか、と。男は失礼なことを考える。
まぁ、男としては酒が美味い店なので、つぶれないのはありがたい話である。
■セイン=ディバン > 男は、一人静かに酒を飲み続けた……。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からセイン=ディバンさんが去りました。