2019/12/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/墓地」にカイロンさんが現れました。
カイロン > 平民地区からテクテクと、歩いてきて裏通りでカンテラを点して踏み入る墓地。
墓所の隅に立てばだいたいの地形を把握して、火を消して目を慣らす。

──目的は、墓暴き。
ではない。

唯一の道具であるカンテラを地面に置き、墓場の空気に身を馴染ませること暫し。
そうして暫く、気配を断った頃に。

──ゆらぁり。

狐火鬼火の類の青白く朧げな冷光がひとつ湧き上がる。

カイロン > 墓場の鬼火。
その噂は子供の間にも、墓掘り人足の間にも流布している一般的な伝承だった。
そして確かに見られる現象として認識すれば、其れを構成するエレメントを抜き取れるかどうかぼんやりとイメージしながら眺める。

抜き取る手段があるならば手早く、とは思うのだが。
墓地の中空をふわふわと浮遊する鬼火を、今しばらく眺めたく息を潜める。

カイロン > 埋葬されてどのくらいの躯から浮き出た鬼火だろう。
または、土の下とは関係のないものだろうか。

暗闇に目を凝らしていれば、聴覚も鋭くなる。
かさかさと、足音を聞いた気がして視線を墓所内へ巡らせる。

カイロン > 足音の主が墓地の空気を搔き乱せばそこで漂う鬼火も消えるだろう。
その前に事を起こす。

大股に鬼火と距離を詰めて、その中へ無造作に手を突き入れて握る。
冷光との表現の通り、熱さは感じないが蛍のような生の感触もない。

片手に鬼火のエレメンタル握りしめたまま、火の消えたランタンを回収して歩き出す。
錬金稼業の足しになれば好し、ならねども人魂を握った話として酒場の与太話のタネにはなろう。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/墓地」からカイロンさんが去りました。