2019/06/27 のログ
黒須 > (カウンターに居る間にぼぅっと店員の方を眺める。
一軒見た時には男性の様に思えるも、しっかりと人間の女の匂いがしたため、性別は判断出来た。
その上に、スタイルもよさそうだと思いながら、胸や尻、足先などを眺める。
しばらくすればトマト料理のいい香りが鼻孔を刺激し、腹を鳴らす。
静かな、店内、少々大きめに腹の音が響く)

「ん?ああ、そうだ…。第七師団所属の黒須・狼ってやつだ。前まではここの地区で金貸し屋を営んでいたが、分け合って師団員に変わった。
そう言うあんたは…儲かってんのか?」

(自身の素性を話しながら、今度は相手に質問を返す。
今見れば人の姿が少なく、よくあるようなことを聞き、完成までの時間を潰そうとした)

リタ > 胸や尻を見ている辺りは流石に気づく。が、そんな彼の視線にも気付かない振りで会話を続ける店員。

「へぇ…金貸し屋さんが師団に?そんな職歴ってことは、お客さんはかなり、腕の立つ人?」

彼の腹の鳴る音を聞けば小さく笑顔を作り、少々急ぎ気味に鰯とトマトをフライ返しで掬い、
皿に盛り、刻まれたパセリを散りばめれば完成。彼の元へと配膳される。

「んー、そこそこ?こんな場所ですし、やっぱり儲かってる、には程遠いですよ。うん。
――はい、お待たせ致しました。」

会話をしながらもざく切りにしたトマトに塩コショウ、オリーブオイルを絡め、細かく砕いたナッツを和えて深めの皿に盛り。
それも彼の元へと。

黒須 > 「まぁな。こう見えても、貧民地区最強っとも言われていた獣人だからな。
それに入団する前、ちょっとした事で現団長と共闘して、入れてもらえたんだよ...。」

(思い返せば懐かしい出来事。
暇で道を適当に歩いていたところ、タナールに到着し、魔族と間違えられ、本物と出くわした時には共闘した。)

「ま、貧民地区は客が少ない分、飯や物、または体で大金を請求するし...数が少なくとも、やって行けるんじゃねぇか?」

(しばらくして出された料理を見る。
美味そうに軽く舌舐めずりをしては手をつけ始める。
トマトとチーズの料理。
ウィスキーの辛口な味と合い、程よく口の中が美味しくなり、空腹でもあったために、1口を大きくしながらガッツリとたべつづける)

リタ > 「うっわ、最強…お客さん凄いですね。そゆことさらりと言ってしまえる辺り、本当にお強いんでしょうね。
それに団長さんと共闘とか…凄…。私、団長さんなんて顔を見るだけで竦み上がっちゃいますよ、きっと。」

無論、貧民地区であるから自称他称問わず最強な方は沢山いらっしゃり、
またそういう人物も客として訪れて頂ける事もあるのだが、店員は店員としての言葉を返しつつ。
勿論竦み上がる事は無い。寧ろ師団長となる人物ならば、仕事柄何度か監視したこともある。
そんな事をおくびにも出さないまま、店員は調理器具を洗いつつ、

「あはは、確かにそういうお店、多いですものね。
ウチ、そんなボッタクリしてないですよ。安酒安料理がモットー。その分お味もそこそこ。」

メニューが無く店員のオススメが中心なのは同じものを大量に作るため。
その分手間が省け、安く上がり、一人でもなんとか回せる、そんな店なのだ。

黒須 > 「どうだかな?昔は噂になるぐらいに騒がれたが...。
今じゃ平民地区ぐらし、俺の存在は忘れられているだろうよ。」

(現時点で自分より強い相手は居ないが、何れにせよ、自分以上の相手は居ることはきっと居ると思っている。
師団長の話しをされるも、そこまで怯えるほど恐ろしい相手ではないことは知っているがために、その話に片眉をあげていた。)

「ほう、なるほどな...。
ま、正直、そういう店の方がありがたいと言えばありがたいって話だ。
ぼったくる店は根こそぎ取ろうとするからな。
足りない分は、体を売られるだろうしよ...。」

(出された飯は既に食べ終わり、空っぽに綺麗になっていた。
しぶしぶと会話をしながらもグラスに入っているウィスキーを飲み干し、満足そうに息を吐いてグラスを置く。)

リタ > 「あはは、そんなに昔の事、みたいに言うと、年配の方に感じちゃいますよ?
若しかしてお客さん、ホントはかなりお歳を召した方、とか?なんて。
そしてわざわざ平民地区から足を運んで頂いて恐縮です。」

彼の反応からすると、師団長との関係が深いのが伺える。
共闘までした相手なのだから当然なのだろうが、こうも人間関係が多岐に渡る人物は、敵に回せない。
店員は彼に悪印象を持たれまいと必死に笑顔を作っていた。

「すぐ傍にそういうお店、ありますよ?
ここで安酒を飲んだ後、女を買うって人、結構居るし…
ウチで安く上げた分、そーゆーお店で使われてるって思うとちょっと癪ですけどね。」

空になったグラスを見つめながら、ウィスキーのボトルを持ち、おかわりは如何です?と首を傾げる店員。
涙ぐましい営業活動である。

黒須 > 「んなわけねぇよ。今年で21だぞ?俺は...。
ま、貧民地区の歴史なんざ、数日程度のものばかりだし...忘れられるのは簡単だって話だ。」

(最強と言われるも、しばらく居なくなれば住民はそんな話を忘れる。
恐縮と言われれば、ふぅっと息をついて、こちらこそ...っと小さく返した。)

「ほぅ、この近くにそんな店があるんだな。酒で気がよくなりゃ、そりゃ買うだろうよ...。」

(そんなことを返しながら、ウィスキーのおかわりはいらないと、グラスに手を乗せて丁寧に断る。)

「丁度よく酒が回って気分いい...今日はこれぐらいでいいさ...。」

(革ジャンの懐に手を入れ、探すようにすると、金貨の入った麻袋を出す。)

「多いかもしれないが...その分はチップだ。受け取っておけ。」

リタ > 「え!…お若い…私より年下なんですね…なんかちょっとショック。
こんな小さなバーで働いてる私とは雲泥の差。才能?努力?凄いなぁ…」

若くも才能豊かで地位の高い人物は居るが、自分より年下な彼がまさしくそれ。
恐らくきっと、彼はこの先、その名声を高めていくのであろう、そう考えた店員は、
純粋に羨む一方、更に敵に回せないと打算していた。

「あら、じゃあお客さんもこれからです?なんて。」

小指を立てて示唆する店員。こういう事をするから女扱いされないのだ。
刹那、彼が勘定を出してきた。それも麻袋に入る程の量。

「…良いんですか?トマトばっかりだったのに…ありがとうございます。遠慮なく頂きますね。
――こんな場所ですし、お帰りは気をつけて…なんて余計なお世話ですね。あはは。」

流石にトマト祭りの勘定がこの額だと少々気が引けるが、ありがたく受け取ることに。
いつも客の退店時に言う気遣いの言葉も彼の強さ、体躯なら杞憂だろう、と撤回し。

黒須 > 「ガキの頃から親父に武術を叩き込まれたから、それが後にこうなった...って所かもな?」

(貧民地区では自分の身は自分で守る。
親父からはその信念を叩き込まれ、若い頃から何度も特訓を重ね、今最強と呼ばれるまでになったのであった。)

「今日はさっさと寝てぇ気分だ...。」

(相手からの冗談もポーカーフェイスで言いながら大欠伸をひとつする。
相手からの気遣いも聞くと、背を向けたまま手を振ってドアに近づく。)

「...次来た時は、お前を買わせて貰うかもな?」

(聞こえるようにはっきりと言うとそのまま扉を開けて、その店を後にしようとするのであった。)

リタ > 「成る程、小さい頃から…強者に歴史あり、ってヤツですね。お父様もお強いんですね。
――あらら、大きな欠伸。途中路上で寝ちゃったりしないで下さいね?」

冗談っぽく扉に向かう彼にそう伝えながら、手を振る店員。
最後に彼が残した言葉に少々耳を疑ったのか、眉間に皺を寄せるも一転、客を送り出す営業スマイルで。

「私、高いですよ?なんて。そもそも彼氏持ちですし。――ありがとうございました、またのお越しを。」

店を出て行く彼。扉が閉まり、誰も居ない店に静寂が訪れると、
店員は一人トマト祭りを再開するのである。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」から黒須さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からリタさんが去りました。