2019/05/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にフラニエータさんが現れました。
フラニエータ > 貧民地区のとある酒場。
地下にあるこの酒場は、あまりその存在を知られていない。
酒は水で薄めている、食事はなんの肉か解らない。そんな噂が立つ程の店なのだが、そこそこ繁盛はしている。
一般人が立ち寄れない空間を望む人物が、それなりの人数存在しているからだ。

そんな酒場のカウンター席で、女は眉間に皺を寄せ、数枚の紙をじっくりと見ていた。

「…これも…この子も…ダメね。」

女の手にしている紙、多数の名前と身体的特徴が列記されたそれは、一見すると名簿である。
しかし、只の名簿では無い。欄に売価が記載されているからだ。
所謂、これは奴隷のカタログである。

「…所詮は玩具なのね…どの子も使えそうにないわ…
バフート迄足を運ぶしか…ないのかしら…」

捲られる紙、動く瞳。どうやら女の希望に適うそれは存在しない様子。
女はため息を冷えたワインで流し込んだ。

フラニエータ > 近頃色々と騒ぎが起きており、どうにも仕事がやり辛い。だから手足となる従順な手駒が欲しかった。
単純な理由なのだが、その手駒を手に入れるのが非常に難しい。優秀であれば尚更だ。
だから奴隷購入という安易な方法に走っているのだが…
何度見直しても、女の目に留まる人物は存在しない様子。

ちなみに女の希望はこうだ。

身体が丈夫であること。
頭の回転が速いこと。
武術や魔術に精通していれば尚良し。

一つ目、二つ目はまだ良いとして、その条件を全て満たすような奴隷など居ようものか。
仮に居たとしてもいわく付きの可能性が高く、百歩譲ってそうでなければ法外な値である事は間違いない。

「…我ながら…無理があるわよねぇ…」

その通りである。

フラニエータ > 女はワインを飲み干すと代金を乱雑に置き、立ち上がる。
店主に掌を向けてひらひらと振り、暗い店内から去っていった。

「…居なければ作れば良いのよね…優秀な子を捕まえて…とぉっても従順な子にする…フフ、愉しみ…。」

向う先は人通りの多い場所。
いつもの女の行動が、これから始まる。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からフラニエータさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 夜の貧民地区、通りかかった路地裏。
月明かりの下、路地の奥に何かが見える。
数人の男性と、もうひとり。——ああ、どうやら囲まれて襲われているみたいだ。
今しがた始まろうとする凶行に割り込んだ。

「おう、やめとけやめとけ、なあ。俺に見られた今日は、運が悪ィ。」

勿論、この大男相手だろうがチンピラたちは手を引く様子はない。
…わかっていたことでもある、この手の連中は、口で言っても聞きやしない。
――結果として、何人かが路地裏にのびて、何人かが逃げ出した。
囲まれていたやつに目を向けて、かくりと首を傾ける。
どんなやつかは見ていなかった、男か女か、子供か大人か。そもそも人間か。

「おう、お前。だいじょうぶか。」