2019/04/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2 裏路地」にシスター・マルレーンさんが現れました。
■シスター・マルレーン > 「待ちなさい!」
警告の言葉と共に、二人分の走る足音が響く。
さかのぼること数分前に目の前でおきたひったくりを捕まえるために、我を忘れて全力で追いかけてここまでやってきたのだけれども。
「…………っは、はーっ、はーっ………」
荒い吐息をつきながら周囲を見回すも、人の気配はほとんどせずに。
「………隠れたか、逃がしたか。 足音も聞こえないですし。」
すっかりこの地区の奥深く、あまり人通りも無い路地に来ていることに気が付けば、少しだけ顔を顰める。
今日も金色の髪をまっすぐに伸ばして、出るところはちゃんと出た若いシスター。
とはいえ頑丈さは折り紙付きの、冒険者兼シスターであるが。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2 裏路地」にロベリアさんが現れました。
■シスター・マルレーン > 「……これ以上奥に行くのは、あまりよろしくないですよね。」
人の気配はしないのに、なぜか人の視線は感じてしまう。
闘技場の刺さるような視線とはまた違う、値踏みされているような目線。
ほんの少しだけ背筋が震えたけれど、そこはそれ。
怖がっていたり怯えていたり、そんな表情を出せばカモである。
「はっはっは、まあ、見たくなる気持ちもわかりますけどね。」
ドヤ顔で虚勢を張ってみる。
えへん。
■ロベリア > 今日も近所の治安をそこそこ守るため、変身してパトロールに出向いた。
あんまり活躍しすぎて変に目立ってもいけないし、忙しいからそんなに時間も取れないのであくまでもそこそこである。
根本的に戦いに嫌気がさしていて戦意が低い事もあり、積極的になりづらいという事もあるが。
それでも変身中は気分にスイッチが入るので大分マシである。
「さてっ、今日も程々に……、わわっ!?」
物陰で変身し、治安の悪そうなところを巡回していこうとした矢先慌てた様子の二人組とぶつかりそうになる。
思わず飛び退くが、こんなところでこの挙動。
見るからに怪しい。
普段ならちょっと怪しいぐらいの人間を捨て置くところだが、治安維持を目的にしている以上こんな怪しいのを見過ごす訳にもいかず。
「ちょっとっ!
何するのよ!
止まりなさーい!」
甲高い少女の声で叫びながら、走り去ろうとする二人組を追いかける。
この様子からしてやはり後ろめたいところがあるとみて間違いない。
捕らえるのにもはや心理的抵抗はなくなった。
だが……。
「何こいつら!
意外と速いっ!?」
鈍ったつもりはないのだが、町中のチェイスなどは久々な事もありベーシックフォームの速度では中々距離が縮まらない。
ちょっと露出が上がりすぎて恥ずかしいけど、どうせ正体隠してるしと意を決してコスチュームをチェンジさせる。
「……ラピッドフォーム!」
羽根帽子やミニスカートが霧散し、見るからに身軽になる。
だが見た目だけでなく、実際に速度も向上しており逃げる二人組にみるみる追いつく。
そして、そのまま二人組を巻き込みながらもろとも壁に激突する事になった。
「うぐぐ……、つ、捕まえたわよ……!」
不意に激突されて二人組は結構なダメージを受けたのか、身動きが取れないようだ。
ロベリアもかなり痛い思いをした。
だが傷はあちこちに軽い打撲が見られるぐらいで、このぐらいならすぐに治せる。
とりあえず、手当は後回しだが。
まずは逃げられないように手足を縛っておく事にする。
激突時、かなり派手な音を立てたのか野次馬がちらほらとやってきてしまった。
衛兵も来てくれれば引き渡しておしまいなのだが、残念ながらこういったところでそんな勤勉な態度は望むべくもない。
■シスター・マルレーン > そろそろこの場所から立ち去ろう、としたところで、奥の方からどんがっしゃん、と大きな音が響き渡る。
すわ、先ほどの犯人かと足を向ければ、更に奥にまで。
そこで見つけるのは、二人組を縛り上げている少女と、周囲を囲む野次馬。
この地区での野次馬だ。先ほどの自分を見ていた層と然程変わらぬだろう。
「………だ、大丈夫? 怪我はしてない?」
仮面をつけた不思議な少女に、膝を折って声をかける金髪シスター。
こちらも棍は持っているが、どこからどう見ても普通のシスターらしい恰好である。
「……捕まえてくれたのかしら。」
なんて、質問。
先ほどの犯人だろう、他にも盗んだのか、複数のカバンを手に持っていて。
■ロベリア > 捕縛し、さてどうしようというところで偶然にも見知った顔がやってくる。
冒険者兼業シスターというマルレーンだ。
追ってきたのか、物音と騒動を聞きつけてやってきたのか分からないが後は彼女に任せてもいいかもしれない。
「怪我は大したことないよ。
ありがとねマ……」
自然とマリーと呼びそうになって、慌てて口をつぐむ。
正体を隠したいのにあっさり知り合いにバレるような真似をするところだった。
だがこのタイミングで黙っては絶対に怪しまれる。
出かけた声を誤魔化さなくては。
「マ……マジ助かったし!
こいつら、どうやって運ぼうかってとこだったんだ!」
ちょっと苦しかったか?
とは思うものの面識があるとはいえ一度会った程度だし、これだけ背格好が変わっていればそんないきなりバレる事はないと思いたい。
今日はどうも不調というか迂闊である。
「そっ、そうそう!
いかにも怪しかったから捕まえておいたのさ!
悪いヤツは放っておけないからっ!
何故なら私はっ、正義のヒロイン!対魔閃姫シルバーソードっ、だからね!」
銀色に輝くショートソードを召喚し、掲げてポーズを決める。
少々演出過多だが、これに気がそれてくれれば身バレしにくくなるだろうという淡い期待を込めて。
■シスター・マルレーン > 「マ?」
一瞬首を傾げたところで、とってつけたような快活な言葉が返ってくる。
とはいえ、そういうことであれば、と頷いて。
「なるほど、じゃあ運ぶのはやっておきましょう。
私はこう見えても力だけはあるので。
実際、盗まれた鞄もありますし、きっと喜ばれますね。」
ほっとした様子で言いながら、そっと手を伸ばして仮面の上から頭をよしよし、と撫でてあげることにする。
種族的に小さい種族もあり得るが、どうやら言動が幼く見える。
だから、素直に誉めてしまうことにして。
「………正義の………」
正義のヒロインを思い切り名乗られれば、一瞬硬直する。
えーっと、そんな名乗りをする人いたかな、なんて冒険者ギルドを思い出し……いない。
「あ、ありがとうね?
でも、ここは危ないし、ナイフなりなんなり持っているかもしれないから、危ないことはしてはダメよ。」
ポーズを決める正義のヒロインに、心配そうな顔でお説教をしてしまう。
■ロベリア > 誤魔化しと過剰な演出のおかげか。
正体を怪しまれるような事はないようだが、思い切り子供を諭すような雰囲気になってしまっていた。
実際不調が重なり芳しくない結果になってしまったが、本来ならもっとスムーズに捕まえられるはずだったのだ。
とりあえず剣も消してポーズを解く。
幼い体つきとはいえ露出の高いラピッドフォームのままのせいか、単に奇異な行動のせいかかなり視線を集めていた。
「悪者が捕まったのなら何よりだよ!
そういう事ならお姉さんに後は任せちゃおうかなっ」
完全に子供扱いで頭を撫でられながらではあまり格好がつかない。
でも割とこれ気持ちいい。
身バレの危険もこの調子なら大丈夫そうだし、もうちょっとだけ側にいて堪能しててもいいかなと思ってしまい。
「と、とりあえず人手は多い方がいいだろうし、私も手伝うよ!」
子供扱いされるなら、それはそれで暫くマリーに甘えちゃうのもアリだ。
この前はあんまり堪能する暇もなかったし。
ストロングフォームになればこのぐらい楽に運べるから役に立つだろう。
露出に関しては今とそう変わらないのが難点ではあるが、何で昔の自分はこんなものをノリノリで作ってしまったのか。
■シスター・マルレーン > 「ええ、大丈夫よ。
あまり長居をするものではないし、うるさくしてしまったのだから、早めに撤収しましょう。」
頭をよしよしとしても嫌がらないのだから、いい子いい子と撫でておく。
実際、小さい少女と自分が二人で、周囲からじろじろ見られている状況はあまりよい状況とは言えない。
少なくとも騒がしい奴、とは思われているだろうし、下手をすればこの犯人の関係者やらがやってくる可能性もある。
割と、周囲を警戒しながら二人を縛ったロープを確認し。
「それじゃあ、鞄を持ってもらえるかしら。
私が二人を運ぶから、ね。」
微笑みかけて、お願いをする。
やはり見た目は少女だからか、お願いも…まあ、鞄は重いのだけれど、相対的にささやかな物。
二人を一緒にするように更に縛り上げて、汗を拭い。
■ロベリア > 「あー、うんっ、大丈夫このぐらい運べるよ」
一人ぐらい担ぐ気でいたが、渡されたのはそれより大分軽い鞄のみ。
マリーも一人で担いでいく気のようだし、あんまり気を使わせても悪いかと思い大人しくそのまま荷物を持ってついていく。
何とかこのままでも持てる重さだったのでラピッドフォームのまま。
一応何かあったときに機敏に動けるし、フォームチェンジだけでもそれなりに疲れるので必要ないなら乱用しないに越したことはない。
そもそも治安の悪いこの地域に長居する利点もない。
しかしこうして間近で見ていると、労働に汗を流す姿も綺麗だ。
荷物を抱えながら、思わずマリーを熱い視線で見つめてしまっていた。
■シスター・マルレーン > 「そう、ありがとうね。
お名前は?」
よいしょ、っと二人を抱えれば、せっせと歩き始める。
背中一杯に薪を背負ったような恰好である。重い。
………じー、っと見られていることに気が付けば、あはは、と少し笑って見せて。
「そうね、心配してくれるの?
じゃあ、歩いている最中に台車のようなものを見つけたら、一度お借りしましょうか。」
その視線を心配の視線だと受け取ったのか、微笑みながらもう一度頭を撫でて。
仮面だからか、視線の質までは全く気が付く様子もなく。
■ロベリア > 気を抜いたらヨダレが垂れてそうな邪な視線だが全く気づかれなかった。
子供の姿は得である。
それはそれとして改めて名前を聞かれて。
「え、だから対魔閃姫シルバーソード……」
先程は気分が高揚していた事もあって割と平気だったのだが、大分素に戻りかけてた今改めて名乗り口上は何か恥ずかしい。
勢いもなく、尻すぼみな名乗りとなってしまった。
過去の自分はどうしてこんな名前にしてしまったのだろうか。
「そ、それよりもお姉さん、とってもきれいだねっ。
そんなにきれいだと、やっぱり恋人とかいるの?」
いたたまれなくなって強引に話題転換。
実際結構気になるところである。
まあ随分多忙そうだし、恋人を作る暇があるのかも疑問なのだが。
■シスター・マルレーン > いやそれは通称………
思わずツッコミを入れそうになったが、それを名前と言い張るのであれば、それ以上は詮索しないことにする。
街のシスターさんは物分かりがよいのだ。
うんうん、と頷いて、覚えておくわね、と声をかける。
一瞬自分ならどうなるか考えて、いやいや、と首を横に振る。
街のシスターさんは年齢を自覚できるのだ。
「……いやー。
シスターはまあ、そういうことは横に置いといて、他の人のために頑張るお仕事、みたいなものだからね。
………………本当にいないからね?」
一応ちゃんと伝えておく。
ごまかしではないけれど、ごまかしにとらえられそうだし。
■ロベリア > 忙しさに振り回されて恋人どころではないというのはそう的外れではなさそう。
恋人がいなさそうなのは、ロベリアとしては狙う時に気兼ねしなくて済むので割とラッキー。
だがそこでつい演技では済まない程度に本音がこぼれてしまい。
「そっかぁ、お姉さん偉いんだねっ。
でも寂しくなったら私が恋人になってあげるからねっ」
子供っぽく振る舞いながらも、つい隠せない本心と欲望が。
どうも今日は調子を乱されておかしな事になりがちだ。
偶然訪れたマリーと一緒の時間は心が弾むのだが、そろそろボロが出そうでヒヤヒヤしてきた。
「それともー、誰か気になる人とかいたりする?」
こうなったら恋バナモードで押し切る。
年頃の女の子ならこのぐらい普通?だと思うし。
こうして、道中他愛のない恋愛の話題で探りを入れつつ子供らしい偽装をするのであった。
■シスター・マルレーン > 「あははは、……そうねぇ、もうしばらくしないとね。」
微笑みながらよしよしと。
しかし恋人とかそういう話を速攻出してくるあたり、割とおませさんかしら、なんて。
こっちは完全に子供だと思っているからか、そこらへんはズレが。
まだ微塵も気が付いてはいません。
「いないいない。もー、ほらほら、台車を探す探すー!」
ずずい、と恋バナで押し切ってこようとする相手を、もー! と少し困った顔で。
なんだかんだ、笑いながら犯人を護送するのだろう。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2 裏路地」からロベリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2 裏路地」からシスター・マルレーンさんが去りました。