2019/04/11 のログ
ご案内:「貧民地区 屋台」にイーシンさんが現れました。
イーシン > 「くあー」

おんぼろの屋台の一席に座って大欠伸をかます。
時刻は明朝。朝日が昇って鳥の囀りが聞こえ始めたばかり。
人の往来といえばゴミ拾いの老人や夜の仕事を終えた娼婦くらいのものだ。

長年の習慣から早くに目が覚めてしまった。昨夜は深酒をしていたので若干酒臭い。

「なんでこー寝た後は腹が減るのかね。
別に食わなくても死にはしねーのに――粥と揚げパンまだ?」

店主の手元を覗き込めば、ぼろっちい木の椅子がぎしりとたわむ。

イーシン > 『まだだ。黙って座ってろ』

この道数十年の頑固親父に叱られたらぐうの音も出ない。
肩を竦めてから吊るされた籠の中のゆで卵を一つ手に取り、
雑に殻を剥きながら往来を見やる。

「かー、これで不味けりゃ可愛げもあんだけどな」

しかし美味いのだこれが。たかが粥といって侮るなかれ。
剥き終わった卵を齧って小腹を満たす。

イーシン > 「お、きたきた」

熱々の粥と揚げパンが丼に盛って出される。
山盛りのそれをかっこむ男の背が、眩い朝の光に照らされていた。

ご案内:「貧民地区 屋台」からイーシンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にジナイダさんが現れました。