2019/03/11 のログ
セイン=ディバン > 「お前さんたち超越者が口にするとその万が一が寄ってくるんだよ」

その辺り、自分には引き寄せ癖がついてるよなぁ、などと思いつつ。
相手が楽しそうに笑っているのを見て、男も微笑を強くする。

「……逆にあれだな?
 今度、お前の家でオレが作る、でも良い訳だ」

そこで思い至った、とばかりにそう提案してみる男。
過去、とある魔王様に鍛えられた男の調理スキルは人間のそれを遥かに超えている。
具体的には、見たことない食材だろうが有毒な食材だろうが調理可能。
しかも、かなり美味いメニューを作れるのである。

「そうな~。逆に平和だと冒険者的には生活キツいしな……。
 あぁ、オレのおごりだから好きなもん頼めよ?」

冒険者とはやはり全うな職業では無いなぁ、と苦笑しつつ。
相手にメニューを差し出す男。そうして、相手に尋ねられれば。
男は細巻を咥えつつ、ふむ、と声を漏らす。

「ネコ。つっても、オレが適当に付けた名前だけど」

実に簡潔にそう言い、男もメニューを見る。
事実、男の雇った奴隷メイドは、ここ数日家に帰ってきていない。
なんだかんだ不真面目なメイドだが、ここまで長期間家を離れることはなかったのだが。

ハーティリア > 「失敬な、どっかの赤いのじゃあるまいし……。」

ぼそ、と呟くのは、何かそういう相手に心当たりがあるのだろうか苦笑交じりに。

「あー、良いな。食材ならあるし……でも、もう店に入っちまったしなぁ。」

どうする?と提案されるとそれは悪くないなと思ったのか聞き返しつつも、差し出されたメニューをペラリとめくり。
もし、腕が良ければクックマスターの技術を伝授しても良いかもしれない。
ちょっとしたレシピの変更や手間で一種の魔法薬のように、心身を補助する料理を作れるスキルである。

「わかるわかる。平和なのは大事だけど、平和すぎるとやることなくなるんだよなぁ。
 あー……サーモンのカルパッチョとムニエルにしよ。今日は魚の気分。あと白ワイン。」

めくったメニューにそれなりに洒落たものを見つければ、食べたいものを羅列して。
そして聞いた名前に……盛大に眉根を寄せて。

「ネコって、お前……ペットじゃねぇんだから。いや、タマやシロじゃないだけマシなのか?……ん~、知らない名前だなぁ。良ければ占ってやろうか?」

まあ、当たるとは限らんけど、と前置いて首をかしげる。

セイン=ディバン > 「赤くなくても怖いぞ。翼あったり角あったり」

こちらもどうやら色々と面倒な相手に心当たりがある様子。
しかして、苦笑を返す辺り。ある程度トラウマも克服できたようだが。

「んじゃあ。また今度、だな。
 オレの料理の腕を披露してやろう」

その時は何を作ろうか、と思いつつ。メニューを見る男。
ふむぅ、と考えつつ。男もまた、酒を飲みたいと思い。

「その辺、バランスだよな。本当に……。
 ん。オレは黒麦酒に干し肉で」

近くにいた店員に二人分の注文をしつつ、ぼやく男。
つまるところ、自分達が忙しいということは国が乱れているということであり。
なんともうまくいかないようにできているよなぁ、と笑う。

「だって猫のミレーなんだから、それで十分だろ。どうせ奴隷だし。
 ……占い? ハーティ、占いとか得意なのか?」

相手の発言に、興味深そうに食いつく男。
だったら、占ってみてくれよ、と相手に頼み込みつつ。
自然と、相手の頬に軽く触れ、なでなで。

ハーティリア > 「まあ、その分類分けだったら、俺も入るぞ。」

角も翼も、しまっているのを出せばある男、苦笑を返す彼にククッ、と喉を鳴らして小さく笑えば。

「そうだな、もし美味かったら、俺のレシピ教えてやるよ。まあ、こっちで手に入らない材料もあるけどな。」

クックマスターのレシピ、材料はともかく、効果を出すための手間のが肝心だが、さて……彼はマスターできるだろうか。

「まあ、それで何かしら不幸が起きたところはまあ、ご愁傷さまとしか言いようがねぇけど。」

人間ってむずかしいなぁ、と普段ならそういう不幸を撒き散らす側の魔王は、水の入ったグラスのふちをツゥッ、となぞり。

「意外とそのへん雑なのな。…得意っていうか、まあ手慰みになぁ、あんま期待すんなよ?『YESorNO』くらいまで答えを絞れるなら、1日1回は確実に当てれるけど、大雑把なのは的中率下がるし。」

頬に触れる指先に眼を細めると……カプ、と悪戯混じりに軽く食み、ピチャリと指先に舌を這わせて遊び。
唇を離せば、鞄から水晶玉を一つ取り出して……夢幻を見通す魔力のこもった瞳が水晶の向こうを見つめるようにジィ……っと眺め、彼の奴隷の居場所を見据えようと。

セイン=ディバン > 「あとは、妖怪って区分は危険度高。
 特に狐系で見た目幼いやつはかなりヤヴェ」

相手の笑みに、更に限定的なことを答え、くすくすと笑う男。
最近その手の存在にはあっていないが。遥か東の地の存在はどうにもやっかいだ。

「おぉ、そりゃあいいなぁ。
 レパートリー増やすのは大事だからな」

冒険者という仕事において、食事は重要である。
一度長期の依頼が入れば、街に戻れぬまま野宿が続くこともある。
そうなると、食こそが楽しみになってくるし、栄養を取らなくては仕事もできないのだ。

「そうな~……。そこまで他人の面倒はみれないもんな」

自分の手の届く範囲だけを守るのでも精一杯なので。
見ず知らずの赤の他人のことなど、考えるだけムダ、なのであった。

「アイツ等がしっかりと金稼いで身分を取り戻したら。
 本名を名乗ることを許してやってもいいけどな~。
 いやぁ、手慰みでもいいよ。ちょっとした余興に、頼む」

相手に指を舐められつつも、相手の占いに興味津々の男。
取り出された水晶が、もっともらしい道具だったから。
まるで少年の様に、その水晶と、反対側の相手をじ~、っと見つめてしまう。

ハーティリア > 「あー、狐か……狐はやばいよなぁ。特に尻尾が9本あって自分の領域持ってるやつ。」

大なり小なり、何かしらえげつない特技持ってる狐達を思い出してげんなりした顔。
ひらひらと、頭に浮かんだ顔を散らすように手を振って、想像を頭から追い出しつつ。

「ま、楽しみにしてるさね。
 まあ、俺も流石に視界の外で起きてることはどうにもなんねぇし。」

通りかかったらちょっかいは出すかもしれないが、積極的に探し回る、って気にもまあ、今はなれない。
乞われるまま、水晶玉を取り出して覗き込み、首を傾げる。

「は、もしかしてシモの世話とかもさせてるのか。
ん~……なんだこれ。なんか、丸い形の赤と黒がクルクル回ってるのが見えた。」

水晶越しの彼の顔が薄れ……水晶の中に像が浮かぶ……回転する赤と黒、白がその狭間をコロコロと転がるように回ったところで、像が切れた。

「ん~……駄目だな、これ以上は大雑把すぎて見えない。」

セイン=ディバン > 「……ぁ」

相手の言葉に、男は何かに思い至ったようで、小さく声を漏らすが。
そっかそっか。そういうレベルかー。などと、呟きつつ、天井を見る。
どうにも、心当たりがあるのは男もそのようなので。

「おう。楽しみにしておけ。
 少なくともマズいもんは作らないからよ。
 ……まぁな~。でも、たまにそういうのが気になることがある」

ぐっ、と拳を掲げて自信満々に言う男だったが。
視界の外の出来事、という話になれば、複雑な表情。
外道ぶる男ではあるが、根っこは小心者で器も小さいのだ。

「まぁ時々な。もう一人の『イヌ』って方は最近恋人ができたから手を出さないようにはしてるが。
 ……赤? 黒? 回転?」

微笑んでいた男だが、相手から伝わって来た情報に首を傾げる。
そこで、丁度注文が届き。

「お、来た来た。んじゃあ、カンパーイ。
 ……う~ん……丸い、赤、黒、回て……。
 ……カジノの、ルーレット、か?」

ぶつぶつ言っていた男だったが。そこで、ぽつり、と呟き。
黒麦酒を一気に呷る。

ハーティリア > 「まあ、そっからさらにピンキリだから、狐は怖い。」

幻術もそうだし、頭の良い相手は幻術が利かないのすら逆手に取るのだから質が悪い。
そっと思い浮かんだ顔を再びペッペと振り払い。

「はは、期待してるぜ?
 まあ、わかんなくもねぇけど、目に見える全部助けるなんて神にもできねぇんだから、仕方ねぇよ。」

そもそも神とガチの古竜は苦手だからいかんとも評価しがたいが。
適当にその話はさらっと流すことにしたころ、料理と酒が届くときれいなサーモンの色にへぇ、と感心して。

「おう、かんぱい。……お、このカルパッチョうめぇな、ワインに合うわ。」

さっそく、カルパッチョの野菜をサーモンで巻いて、パクリと一口食べて眼を細め、クイッと白ワインを傾けて舌鼓。

「さぁ、俺は見えたまま言っただけだし。俺、ギャンブルの類は基本しねぇからわかんねぇ。」

運を使うのは薬品調合する時だけで十分だ、なぞと言いながらも、今度はムニエルを小さく切って口に運び……美味い、と口元を綻ばせる。

セイン=ディバン > 「たしかにな。まるで女みたいだ」

ぱっと見怖さが分からないところとか似てる、などと笑いつつ。
どうやら相手にもいろいろと事情あるようで。

「おう。きっと満足させるぜ。
 ……ホント、そうな。はぁ……まったく」

イヤになるぜ、と自分の実力の無さに辟易しつつも。
男も干し肉を噛み千切っていく。

「ここ、貧民地区の店にしちゃあ全うなんだよな~。
 二階にヤリ部屋ねぇし」

だからこそ流行ってないんだろうな、と笑うのだが。
逆に、落ち着いて食事できるのはありがたくもあった。

「……他の物の可能性もあるなぁ。
 なんにせよ、ありがとな。参考にしてみるよ」

相手の見えたものを記憶しつつ、礼を言い、相手の頭を撫でる男。
どうやらすっかり相手を甘やかしたりするのが身についてきたようだ。

ハーティリア > 「……ほんと、たまぁにお人好しだよなぁお前さん。」

まるで悔やむようにため息を吐いて干し肉を噛みちぎる彼を見ると、首をかしげて損な奴、と目を細め。

「ん~、無いのか……それはちょっと残念だが、味は良いよな確かに。」

静かで美味い、確かにモクモクと食事したいときには良い店かもしれない、と彼のつぶやきに小さくうなずき、頭の中にこの店をメモして。

「あいよ、まあ上手いこと行くのを祈ってるよ。」

何に、と聞かれるとイマイチ困るが、とりあえず祈るくらいはしてやろう、なんて。

セイン=ディバン > 「そうか? んなことねぇだろ」

自分が甘い、ということは自覚はしていても。
お人よしだとは思っていない男。この辺、完全に無自覚である。

「そういう店が良いなら、次はそういう店にするか」

もっしょもっしょと干し肉を味わいつつ、そんな事を言うが。
それも、お互いその気になったらだよなぁ、などとは口には出さず。

「あぁ。何とかしてみる」

別段そこまで心配しちゃいないがな、と言いつつも。
男の表情は珍しく真剣な物だ。
そのまま、男はこの相手との食事を、ゆっくり丁寧に堪能したんだとか……。

ハーティリア > 「ん~?いや、相当だと思うけど?」

奴隷一人のためにこうやって駆けずり回ろうとしてるところは特に、そう思うが……まあ、自覚がなければそれはそれで良いか、なぞと会話を流すのみで。

「ま、次があるならまずはお前のメシ食わせろよ。うん。食材は俺が用意しとくから。」

ククッ、と喉を鳴らしてそんな最速をしつつ、彼の真剣な表情を珍しいものを眺めるように眼を細めながら愉しめば、今夜はとりあえず、その表情を肴に酒を飲み、鮭を楽しむこととして……。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からハーティリアさんが去りました。