2019/02/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > 「あ~らよっとぉ」
貧民地区のとある路地で、一人の男が大柄な男性を蹴りで吹き飛ばし、ゴミ捨て場へと叩き込む。
蹴り飛ばされた男は完全に失神し、その場に崩れ落ちることになるが。
「ったく。これに懲りたら自分の実力把握してからケンカ売りに来い~?」
肩の埃を払いながらそういう男は、そのまま路地を歩き始める。
……ことの始まりは、どこかで酒でも飲むか、と歩いていたら。
いきなりケンカを吹っかけられたのが原因。
ちなみに相手のことはまったく見覚えが無い。
恐らくは、仕事を奪ったか、女を奪ったかした相手の誰かだろう、位に考えつつ。
「……考えれば、丸くなったもんだなぁオレも」
昔は絡んできた相手は二度と歯向かう気がしなくなるまでボコボコにし。
なんなら身包み剝いでたのになぁ、などと苦笑しつつ路地を歩く男。
周囲の人間の中には、男を見て明らかな嫌悪感を顔に出す者もいる。
正直言って、この男は恨みは大層買ってるほうであるが。
男自身は鼻歌交じりに路地を歩く。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
■チェシャ=ベルベット > セインの進む路地の先、狭い道を立ち塞ぐように二人の人影がもみ合っていた。
一人はガラの悪い大男。ちょうど今セインがゴミ捨て場へ叩き込んだのに似た人種だ。
もうひとりは少年らしい。相手の体躯と比べると細身で小柄だ。
何やら男が嫌がる少年を無理やり路地裏に引きずり込もうとしているらしい。
しつこい、だのいいから、だの言い争う声が聞こえる。
と、歩いてくるセインと目があった少年が、さっとそちらに駆け寄ってセインの背中に隠れると
「この人! 僕のイイ人だから!お前なんかお呼びじゃないんだよ!」
そんな事を大男に叫ぶ。ついでにセインを巻き込むつもりで、大男の前に突き出した。
■セイン=ディバン > 「……天下の……かどうかは知らんが。
往来でジャマじゃなぁ」
酒場、酒場~♪ なんて歌っていれば、目の前で人影が揉め事真っ最中。
そっち方面に通りたいんだけどなぁ、と考えながらも、脇を通ればいいか、と気にせずにいれば……。
「……はぁ?
はぁぁぁぁぁぁ~?」
いきなり少年が自身の背後に隠れ、なんか勝手なことを言ってきて。
おまけに大男の前に突き出されれば、男は若干不機嫌な声を出すことになる。
「おいこらガキ。勝手に巻き込むんじゃねぇよ」
一応、少年の立場も考え、小声で相手に囁くが。
目の前の大男はどうやら男の事情など知ったことでは無いらしく。
『てめぇ、セインじゃねぇか! 悪喰の名の通り、男のガキにも唾つけてやがんのか!
とっとと失せやがれ! それとも百人斬りの経歴にそいつも付け加える気か!?』
なんて、男にケンカ腰で突っかかってくる始末。
瞬間、男のこめかみにビギッ、と青筋が浮かんだ。
悪喰……男の二つ名。男も女も食うことから付いた蔑称。
百人斬り……男が呪われていた時、擬似輪姦で犯されたことから付いた蔑称。
つまるところ、大男はこの男の逆鱗に見事に触れたわけで。
「……ガキ。助けてやってもいいが。
報酬として何を払えるか考えとけ」
そう少年に囁いた直後、男のハイキックが大男の側頭部に突き刺さる。
のみならず、男は回転しながらの連続回し蹴り。空中に浮きながら腹部、首、頭部へと三連。
大男は見事、意識を失い路地へと倒れることになった。
「くたばり果てろ三下ぁ! 次にオレをその二つ名で呼んでみろ!
テメェのお袋でも見分けがつかねぇくらいにバラバラの肉片にしてセレネルにばら撒いてやっかんな!」
失神した男への怒声は、凄まじいものであった。
■チェシャ=ベルベット > 「いいから、ちょっとだけ芝居に付き合ってよ……。
面倒なやつに絡まれちゃってさ……」
不機嫌そうにささやくセインにこちらも小声で返し
そうしていればすっかり勘違いした大男が勝手に逆上してくれる。
どうやら男と目の前のセインは顔なじみらしい。
このまま自分なんか忘れて勝手に二人で殴り合いでもしてくれないかな、とか
都合のいいことを考えていたら
突如セインが吐き捨てるように言った後、動いた。
それは見事なハイキック、ついで連続回し蹴りが大男に決まった。
思わずあっけにとられて、行末を見守っていたが、どうやらセインという男は
何か切れ散らかしてしまうような言葉を聞いたようだ。
『悪喰』に『百人斬り』……バトラーコートのセイン……。
チェシャの頭が情報を引っ張り出す。
確か色狂いで有名な見境なしのシーフがそんな見た目と名前だったような。
すわ、ヤクザでも引き当ててしまったかと思ったが
どうやら自分はそれよりも大物を引いたらしい。
ぱちんと指を弾くと失神する大男にも、怒り狂うセインにも動じること無く
「ああ! あんたが有名な『あの』セイン=ディバン?
へぇ、冴えないおっさんだと思ってたから全然気づかなかった!」
そんな事を嬉々として言うのだった。
■セイン=ディバン > 「そういうんは、もっとお人よしっぽい人間に頼め」
ということを小声で言う辺り、この男も十分お人よし。
昔の男なら、この少年を大男に突っ返してたろうが。
幸か不幸か、大男の迂闊な一言により少年の身は見事、安全に保たれることになった。
……ちなみにではあるが、男は大男のことはまったく知らなかった。
これはまぁ、男が印象的な男性以外は基本、男性について覚えないというのもあるが。
「ったく。ザコが粋がりやがって。
命あるだけありがたいと思えクソタレが」
失神した大男の顔に唾を吐きかけた男は、髪をかき上げ、深呼吸。
少しばかり感情的になってしまった、と反省し、少年の方を見るが。
「……あぁ。お前さんが知ってる俺の評価がどんなもんかは知らねぇが。
セイン=ディバンってのは俺だぜ。
冴えない、ってのは余計だアホ」
少年の言葉に男はやれやれ、と肩を竦めるが。
冴えないおっさんと言われれば、相手の頭をぺちん、と軽く叩き。
「んで? 助けてやったんだ。お礼の一つくらいできるよな?
できねぇってんなら無理矢理謝礼をいただくが。
今俺はかな~りイライラしてるからな」
ニィィィ……と口の端を吊り上げ凶悪な笑みを見せる男は。
相手の肩を抱き、『わかってんだろ~?』という様に。
■チェシャ=ベルベット > 失神した大男に情け容赦ない追い打ちをして落ち着こうとしているセインに対し
チェシャは男に同情するどころか、面白いものを見た体でへぇ、と興味深そうに相手を頭から爪先まで一瞥した。
「最初は女の子に見境なしだったのに、最近男でも欲情するような”セイン=ディバン?”
おっさんそんなに盛っているようには見えなかったからさ」
などといけしゃあしゃあと言い放つ。
またセインの禁句を踏んで大男の二の舞になるのに恐れなどないようで。
軽く頭を叩かれれば、いたーいなどと文句を言いつつ
謝礼の段になれば「いーよ」などと軽い調子で請け負った。
「お礼、ね。何が良い? 金? 女? 酒?」
凶悪な笑みの相手にもひるむこと無く、抱き寄せられた肩に回された手を
ぱちんと叩いて、気安い接触を避けるようにひらりと身を躱した。
■セイン=ディバン > 男としては、一度暴力を発揮したから有る程度気持ちの上では落ち着いていた。
……のだが。相手が揶揄するような物言いをすれば。
「……言葉に。気を、つけろ。
お前さんその歳で『喉から食事を食べるコツ』なんて知りたくないよなぁ?」
神速の早業。音も無く構えられたリボルバーは、少年の喉に突きつけられていた。
怒りのボルテージとしては低めだが、それでもそれ以上のからかいは許さない、という圧力があった。
「そうだなぁ……。とりあえず、お前腹減ってねぇか?
今からメシに行くところだったから付き合えよ。
そこで話しようぜ。奢ってやるからよ」
相手に肩から手を叩き落とされながらも、男はそう提案し、勝手に路地を歩く。
近場にあった適当な酒場に入れば。
「勝手に注文しろ。俺もそうする。
……ついでに言っておくと、俺ぁ別に男に欲情するような趣味は無ぇ。
普通にノーマルだ。……過去の経験上、男の相手もできなくはないってだけだ」
メニューを見ながらそういう男だが、若干声は上擦っていた。
事実、最近男性の恋人とかできてるわけなので。
この言葉はちょっぴりのウソがあった。
■チェシャ=ベルベット > 「はは、怖いの~……。
でもおっさんも、まさかこんな若造に相打ちで喉掻っ切られたくはないよね?」
セインの手が一瞬ぶれて、チェシャの瞳でも捉えられぬ早業でリボルバーを喉に突きつけられていた。
が、チェシャも殺気には即応、魔術で現した銀の手甲、その鋭い指の切っ先を
セインの喉にピタリと押し当てる。
撃つなら撃て、そのかわりお前の喉笛には食らいつく。
肉食の猫科のような鋭い光が金緑の瞳に宿っていた。
「……のんきなおっさんだなぁ……。
今互いに殺し合う寸前って所で飯の話する? ま、いいけど。」
先に手を引いたのはチェシャだった。武装を解除し、セインに促されるままに
近場の酒場に入ればメニューを一瞥することもなく
「僕、ミルク」
それだけ注文する。すぐにコップに入ったミルクが出されれば、それを両手でちびちびと飲み
「はーん、おっさん掘られた経験があるとか?
それはご愁傷さまでしたね、じゃあ男を相手にしているって情報は嘘?」
などちょっと興味深そうに相手を眺める。
セインの顔をしげしげと眺め、まぁ、こういうのが好きな男もいるかな、みたいな独り言を呟いた。
■セイン=ディバン > 「……へぇ。凄いな。
超越者級以外で、速度で並ばれたのは初めてかもしれない。
おまけに度胸もある。……お前、面白いな」
完全優位を取った、と思えたのは僅か一瞬のこと。
相手の武装が自身の喉に食い込む直前だったと気付けば、男は目を細め。
そこからは呵呵大笑とばかりに大声で笑う。
「腹ぁ減ってたら話もできんだろ。
人間、メシ食ってるときは例外なく穏やかになるもんだしな」
暢気、と言われても平然とし、相手にそう言う男。
そのまま酒場に入り、相手の注文を笑うでもなく、男も適当に酒を食事を頼む。
「なんだ。飲めねぇのか?
奢りなんだから遠慮すんなよ?」
男が注文した麦酒を飲みつつ、相手の注文したミルクを見る。
もしも飲めないのであれば、酒場ではなく食堂に行けばよかったな、と少し申し訳なく思い。
「……呪われてフタナリ女の体になってたときにな。
しこたま犯されたわ。まじあの時俺を犯した男どもはいずれ死なす。
……ウソじゃねぇけどな。一応、肉体変化の呪文を覚えて、女にもなれるようになったし。
必要とあれば、仕事なら男とも寝るさ」
相手の質問に素直に答えつつ、酒を一気。更に、届いた湯で豆をパク付きつつ、相手を真っ直ぐ見る。
「そういや、お前名前は?」
そこでようやっと相手の名を知らぬことに気付き、そう尋ねつつ。
男はぐびぐびと酒を呷っていく。なかなかのペースであった。
■チェシャ=ベルベット > 「そりゃどーも」
こちらは特に面白いわけでもなし、平然とこれぐらい出来ます、みたいな涼しい顔で肩をすくめた。
自分の何を気に入ったのか、わからないので出方を窺うような警戒心。
酒場の席でもそれは同じで、
「飲めないわけじゃないけど、ミルクのほうが好きってだけ」
それだけそっけなく言う。食事も特に手を付ける様子がない。
元々そんなに腹は空いてなかったし、貧民街では旨い酒も食事もたかがしれているからだ。
「んん? 呪われてふたなり女?? なんか……どっかで聞いたことが有るような……」
どこかでそんな誰かさんに遭ったようななかったような、
あいにくと名前を覚えるのが苦手なチェシャは思い出すことが出来なかった。
「仕事でなら男とも寝る、ねぇ。ふーん……おっさんも冴えない割に苦労してるんだね。
ん、僕の名前? チェシャだけど。チェシャ=ベルベット」
ハイペースで酒を飲み干していくセインに、こちらは合わせることもなく
マイペースでちびちびとミルクを飲んでいく。
■セイン=ディバン > 相手の能力や度胸を気に入った男に対し。
どうにも少年の方は、男への好感はないご様子。
まぁ、いきなりベタベタされるよりは逆に信頼できるよな、と。
男はにやにやと笑いながらそう考えている。
「そっか。それならいいんだけどな」
飲めない訳では無い、と知れば。
無理に連れてきたが、それならよかった、と安堵。
ちなみにこの店は男が適当に選んだので、酒はともかく。
メシは正直微妙なレベルだ。
「……そりゃあ散々噂になったろうからな。
あのセインに罰が当たった、とかなんとか」
そういう意味では、相手が自身のことを聞いていても不思議は無い。
とはいえそういう覚え方、知り方をされるのは正直不服ではあるのだが。
あの時期は男の不明が自業自得なサムワンだったので、やむなしだ。
「だから、おっさんだの冴えないだの言うな。
……チェシャ、ね。覚えたぜ。
そんでな、チェシャ。お礼の話なんだが」
相手を窘めつつ、その名を記憶する男。
そこで、男は相手に本題を切り出す。
「金には困ってない。っていうか割と稼いでる。
酒も、家に割りと貯蔵がある。
だからだなぁ……。
お前、俺に抱かれろ。一晩。これでどうよ?」
さっきまで男に欲情しない、とか言っていたのはなんだったのか。
男はそう相手に提案をする。
■チェシャ=ベルベット > 「なんだか結構恨み買ってるんだね……。面倒じゃない? そういうしがらみ。」
チェシャにしてみれば恨みは買うよりそれで商売したほうがいいものであり
どちらかというと暗躍するにはできるだけ買いたくないものだった。
まぁたぶんセインも、別に買いたくて買ってるわけではないだろうけれど。
ああして、立ちふさがった男を叩きのめせるだけの実力があるから
やり過ごせているのかなーとか。
一晩抱かれろ。
そう切り出されて、チェシャは一瞬ぽかんとした。
さっきノーマルって言ったばっかじゃん、このおっさん。
仕事だったら男と寝るけど、仕事じゃなくても寝るのか?
いろいろ矛盾が渦を巻いて頭をよぎっていくものだから、
ふん、と鼻で笑ってそっけなく返す。
「なんで? 男は範囲外じゃないの?言ってることがなんかおかしくない?」
もう酔っ払っているのかな、このおっさん。
■セイン=ディバン > 「……いや、別に?
まぁ、だって、なぁ? 俺が俺であろうと、好き勝手生きてりゃ。
恨んだり、懐いたり、色々まとわり付いてくるだろ?
だけどまぁ、そういう縁ってのはさ……」
相手の素朴な問いに、男はきょとん、とした表情で応える。
そのまま酒を一気に飲み。
げふぅ~、と酒臭い息を吐き。
「縁が薄けりゃ勝手に消えるもんだしな。
強い縁なら、良いも悪いも、消そうとしても消えないもんだ。
だから、面倒だのなんだの考えないようにしてる」
最近はとみにそう思うようになった、と呟き。豆をぱくつく男。
特に超越者に巻き込まれることが多いので。
もうなんか、考えるだけ無駄かなー、と思うようになったのが本音である。
さて、男がした提案についてだが。
相手は一瞬呆けるものの、次の瞬間には鼻で笑い、鋭い指摘をしてくる。
もちろん自己の発言の矛盾に気付いている男もまた、笑みを見せ。
「範囲外とは言ってない。欲情しねぇってだけだ。
言ったろ? 男の相手もできなくはねぇ、ってな。
ムラムラしてなくとも、セックスはできる、ってな」
メチャクチャなことを言いつつ、酒場の店主に声かけ、カギを預かる男。
そのまま立ち上がり、相手を見下ろせば。
「おら、二階行くぞ。
それとも、男に抱かれるのはイヤだってか?」
ニヤニヤ笑いを消さぬまま、男はそう相手に問う。
それはどこか、小馬鹿にしたような雰囲気があったかもしれない。
■チェシャ=ベルベット > 案外に一理あるような男の持論にチェシャは「ふーん」と唸ってしまう。
縁、というものについてチェシャはあまり信じたくはないし、重きを置くこともなかった。
運命論者ではないし、そういう人のしがらみが苦手というのも有る。
セインはそういう面倒くさいものをひっくるめて好きに生きているのだなぁとわかれば
まぁ、さすが年の功というやつだろうか。
だが感心したことを相手に悟られたくないのでポーカーフェイスを貫く。
「別に嫌とは言ってない。ああでも……―──
一晩いくらの娼婦の代わりなら嫌だな。
僕を抱くなら欲情しろ。ムラムラしろ。せめて僕じゃなきゃ嫌だって言え。
そうじゃないならこっちから願い下げだなぁ。
だってそれは僕じゃなくてもいいじゃん。
公衆便所に成り下がるのは嫌だね。
僕を抱くのは高いんだよ、セイン=ディバン」
小馬鹿にした風も気にせぬまま、むしろこっちから挑みかかるような調子で返答する。
そこらの安い娼婦より、チェシャは誇りを持っているゆえの気位の高さだった。
まだ席についたまま、じっとセインを試すように見つめる。
■セイン=ディバン > もちろん、男とて縁のえり好みはある。
例えば、美人と縁を深めたい。金とも縁を深めたい。
ごりっごりのむさいオッサンなどお呼びじゃないえぇい失せろ失せろ。
そう思ってはいても現実はそう都合よく回ってくれたりはしやがらないのであって……つまるところ。
ちきしょうこの縁が面白いか否かはわからないが、とりあえず縁をふかめておいてやろうじゃねぇか。そんな感じなのだ。この男は。
「うん? なるほどなるほど。
……ははは、なるほどねぇ、チェシャはそういったことに関して矜持がある、って訳だ。
いや、いいぜ。俺も公衆便女は好きでもない。
いやさ、後腐れもロマンもムードもない爛れたセックスナイトも嫌いじゃあないんだが。
今宵はそんな気分でもないからな。いいぜ。
その代わり、お前もせいぜい『オレの』で気ィやるなよ?」
生半可な男のとは比べ物になんねぇぞ~? と自身の『モノ』について語りつつ、男は二階へと向かう。
階段を上る最中、相手に向けた視線と表情は。
気に入った小娘・街娘を口説く時の、この男特有の色。
嘲り・見下し。そこに情熱と欲をブレンドした、中年男の珍妙な色気あり。
そのまま二階の部屋に入れば、男はする、と服を脱ぎ。
「……あぁ。湯、浴びなくていいか?」
その声は、それまでと違い。
余裕とニヤケは一切なかった。
■チェシャ=ベルベット > 「……しょーがないなぁ。おっさんの性欲のはけ口に付き合ってあげるよ。
あと自分のモノについて自慢するの、おっさん臭い」
やれやれ、仕方ないとばかりにそんなポーズを取りながら
セインの後に続いて二階に上がる。
適当に入った店だから、二階の設備もそれほど期待していなかったが、まぁまぁだった。
一揃いのベッドと湯浴み場はあるらしい。
「いらない。お風呂苦手なんだ」
猫なので、水浴びは少々苦手。
するりとセインが服を脱ぐのに合わせ、チェシャも臆することもなく自分の衣服を寛げる。
ぽいぽいっと床に脱いだ服を放れば、ベッドの端に生まれたままの姿で座った。
猫のようなしなやかな体に白い肌、今更もういいかと、偽装の魔術を解いて
ミレー族の証の猫耳としっぽを現す。
「それで、お礼なんだから僕がサービスしたほうがいいのかな」
さて男の要求はなんだろうな、と相手を眺める。
■セイン=ディバン > 「随分な言い様だなヲイ。
実際中年なんだから仕方ねぇだろ」
相手の言葉には飄々と応えていたものの。
部屋に入れば男の雰囲気は一変した。
相手が湯浴みを嫌うと知れば、ふぅん、と言葉短く返答し。
そのまま一気に服を脱いでいく。
相手が全裸になり、そのままミレーであることが明らかになれば。
男はほぅ、と感心したように息を吐き。
「何かの魔術か? 変な魔力は感じてたが。
偽装系だとは思わなかった」
てっきり敏捷度に強化をかけていたのかと思っていたのだが、と言いつつ。
ぎしり、とベッドに乗り、相手に近づく男。
そのまま相手に問いかけられたのなら。
「そうさな。じゃあまず、口でしてもらおうかな。
こういう時は基本だよな、フェラ」
そう言って、男がズボンからペニスを取り出せば……。
20サンチを超えた巨根が、勢い良く跳ねて姿を現す。
既に屹立し、下手をすれば30サンチにも近づこうというサイズのそれは。
天井に向かって自身を誇示していた。
■チェシャ=ベルベット > 「中年だって自覚があるなら、あんまり無茶しないほうが良いよ。おっさん」
くすくすと若造のからかうような言葉。
雰囲気の一変したセインに、片眉をあげて観察する。
「単なる種族を誤魔化すだけの魔術だよ。
いろいろミレーだと鬱陶しいことが多いからさぁ」
ベルベッドの毛並みをしたしっぽを揺らしながら、
近づいてくる男の自慢の逸物を拝見する。
と、すでに勃起した相手の肉棒は巨大な威圧感を放っており
思わずチェシャは真顔になって
「……でか!!!!」
驚いた。確かにこれだったら誰がなんと言おうと自慢したくなるわー、とも思った。
ぴたぴたと天井を向く肉塊に手のひらで触れて硬さと熱を堪能する。
と、確かこんなデカちんぽ、どこかで見たこと有るなぁ……と思って
そこで記憶がやっと結びついた。
「あー……色艶形といい、僕前にこんなちんぽ見たことが有る……。
セレーナ……?だっけ?知ってる?」
言いながらはむはむと亀頭から食らいつき唇で挟んで奉仕し始める。
とても頬の中には収まりきらないから、はみ出た幹は両掌で扱き
カリ首から裏筋を舌先でくすぐり、尿口をつついて執拗に責めた。
時折重く垂れ下がる陰嚢も両手でもみほぐし、転がして。
「んふ……、おっきくてすごぉい……ぼく、でかちんぽすき……」
■セイン=ディバン > 「そこで無茶しなくなったら老いが加速すんだよ」
と、口にはするものの。
実際その線引きは難しい。無茶のしすぎは体にダメージなので。
そこを見極めないと痛い目を見る。主に腰とかが。
「まぁ、この国ならそうだろうなぁ。
ウチにいる奴隷三人の内、二人はミレーだけど。
やっぱり苦労してるみたいだからな」
この国に蔓延しているミレーへの扱いだとか、偏見だとか。
そういうのを思って、男はため息を吐く。
大昔よりは改善されてきているが。それでも一部のエリアでは。
気分の良くない話も聞こえてくる。
「ふふ~ん。どうだ、驚いただろ」
腰を突き出し、相手に肉槍を自慢げに見せる男。
触れられれば、むず痒さが微かにこみ上げるが。
次の相手の一言で、男は表情を変える。
「……セレーナ? ……セレーナ……。
あぁ、思い出した。オレから分離した、俺の呪いの部分か。
なんだ、会った事あるのか?」
相手の口にした名前に、首をかしげていた男だが。
二度口にして、そこでようやっと思い出したらしい。
当初は殺害、もしくは消滅をさせようと思っていたが。
今ではすっかり意識の外であったのだ。
「お、おぉっ……チェシャ、上手いじゃねぇか……。
ふふ、気に入ってくれたなら嬉しいけどな。
これからコレで、オマエのケツマンコ犯してやんだから。
し~っかり、奉仕しておけよ?」
口、両手、舌を使っての見事な奉仕に男は微かにのけぞりつつ。
相手の頭を撫で、そう命じる。
気分は高級娼婦をいいように侍らせている成金金持ち、という所。
上機嫌のまま、相手の耳をちょっとくすぐったりしている間に、先端からは濃い先走りがどろどろと溢れ始めていた。
■チェシャ=ベルベット > 「ふーん、ミレーに偏見が無かったのは良かった。
てか、奴隷いるなら性欲発散はその子達にやってもらえばいいのでは?」
奴隷が買えるほどの金があるというのはそれなりにすごいことなので
だったら下の世話も奴隷に任せたら良いのになぁと疑問に思った。
まぁでもやっぱり3人ポッキリでは満足しないのだろうか。
こんなでかいちんちんの性豪なのだし。
「ん、ああ、なんかそういう事情だったんだ。
うん、だいぶ前に会ったよ。ついでにセックスしたし。
セレーナもこんな感じでバカでかいちんぽなの恥ずかしがってて
でもすごかったからさぁ……あ、やば……思い出してきちゃった」
男の逸物を舐めながら、実際にそれと同じサイズで犯されたことを思い出して思わず背筋を震わせる。
ぞくぞくとこみ上げる情欲に、一層セインの肉棒への奉仕が手厚くなった。
舌先を分厚い亀頭に絡め、頬肉でこそぐように吸い付き、
それでもまだ有に余るサイズなので喉奥で受け入れて締め付けた。
「んん、く、ふぅ……っ」
少し苦しいが相手も快感を得ているようで、濃すぎる先走りがどろどろと口を汚す。
口の中で溜めた唾液と先走りを混ぜ、幹に舌でこすりつけるようにしてぬめりを付加していくと
滑りを良くした肉棒を両手でゆっくりと扱く。
■セイン=ディバン > 「その内一人は最近恋人ができた。しかもそれはオレの弟子だ。
もう一人は……最近様子が変でなぁ……」
もちろん、それでもそういったことを仕事としてさせるときもあるが。
相手が乗り気じゃないというのは、割と堪えるもんである。
最近新たに買った奴隷ちゃんは、自由に生きるように指示しているので。
つまるところ、男としては奴隷三人とは最近めっきりそういうことはしてない感じ。
「……あぁ、そうか。フタナリモードの呪いがそのままオレの体から離れてるわけだから。
セレーナってのもチンコ持ってんのか。
……つっても、使い込んでるのはオレの方が上だろうから。
サイズ感も硬さも角度も、オレの方が凄いと思うぜ?」
実際は挿入してみないと分からないだろうがな、と笑う男。
事実、ここ最近の男のペニスはまたサイズアップしている。
長さも、太さも、硬さもだ。
相手の熱心な奉仕に、ぐんぐんと大きくなるペニス。
その茎に感じる熱に、男が目を細める。
「……ははっ。そろそろ良い感じだぜ?
そっちも欲しくなってきたんじゃねぇか?
……うっし。四つん這いになってケツ向けな。
ケダモノみてぇに犯してやっからよ」
だんだんと、腰の奥に熱が生じる感覚に、男が息を飲み。
そろそろいいぞ、と相手の頭を軽く叩く。
本当のところは、このままだと射精してしまいそうだったからだが。
そのまま、男は腰を引き、相手に命じる。
唾液にぬれた肉槍は、ひくっ、ひくっ、と揺れながらも。
まるで金属の如き硬さで、相手の目の前で存在感をアピールしていた。
■チェシャ=ベルベット > 「……なんか、思春期の娘の扱いに困るお父さんみたいだね」
さすが中年。セックスの経験はあっても年頃の女の子の扱いには微妙に困っているのだろうか。
それもそれで親しみが持てるような気がする。
「ん……セックスの経験は確かにあんたのほうが上だろうし、期待してる」
自分の奉仕でどんどん太さも硬さも増していく肉棒に
流石に自分でも入るのかどうか心配になってきたが、
ここまで来ておいて怖気づくのもなんだか悔しいし、ごくりとツバを飲み込む。
言われたとおりに四つん這いになって自らの尻を相手が見えやすいように持ち上げる。
自分の尻は準備は出来てないので、相手の先走りを指に絡め
自ら割りほぐして緩ませていく。
「ん……んん、はぁ……いいよ、もう我慢出来ないのはそっちのほーじゃないの?
ふふ、ね、早く入れて……」
自ら尻穴を広げ、男の熱く猛ったものにすりすりとひくつく穴を擦り寄せる。
■セイン=ディバン > 【継続予定です】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。