2019/01/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にフラニエータさんが現れました。
■フラニエータ > 狭い路地裏。散乱したゴミに足元を取られる程汚れた道。
人が寄り付かないようなそんな場所にひっそりと存在する一軒のバー、そのカウンター席。
端に陣取った女はビールを飲みながら干し棗を齧っていた。
他の客はと言えば、密談をしていたり、如何わしいを通り越した行為を行っていたり…
他人の目線を全く気にしては居ない。気になっても気にしていないふり。
不干渉が暗黙のルール、そういう店だ。
「何度来ても居心地が好いわねぇ…」
店主へそう告げる女。店主は女の声を無視するかのごとく、一心不乱にグラスを磨いてる。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > 人が寄り付かない、というよりは。
正に、裏世界の住人ですらあまり知りえない店。
故に、貴重な情報や、明るみに出せないことなどが淀みのように溜まる。
そんな店に一人の男が入り。
「マスター、麦酒」
カウンター席に着席し、小声でそう注文する。
この店では、あまり騒いだりはしたくない。そう思いつつ、マスターから酒を受け取り、代金を大目に払い。
「なにか面白い話、あるか?」
そう尋ねつつクッ、と一口酒を呷り。ちら、と横を見れば。
男、完全に動きが固まり。思わず酒を噴出しそうになるのを堪え。
ご、っくん。と喉奥に液体を流し込み、ぎぎぎぎぎ、と。
近くの席にいた女性から視線を逸らす。相手には見えているかどうか。
男は汗をだらっだらかいていた。
■フラニエータ > 実の所現在この店にいる客は、一人残らず見知った人物なのである。だが今話す必要性は一切無い。
必要あることと言えば、聞いても聞かないふり、見ても見ないふり…
そこに新たな客が入ってきた。
カウンター席に座り何かを注文したその客が、例え女にとってこの客が知り合いであったとしても、
「……ッ?!」
知り合いだったとしても、極めて頑張って初めて会ったふりをする。
とりあえず蛾眉を潜めて軽い会釈のみ。眉間によった軽い皺は、
「(なんで貴方がこんな所に来るのよ?)」
のサインである。
■セイン=ディバン > この店を知っているのは、耳ざとい人物が多い。
故に、常連たちは顔見知りであることも多く。
だからこそ、互いの事情に立ち入らない、という暗黙の了解があったのだが。
「……」
ちら、と相手を再度見る男。めちゃくちゃ気付いていた。
っていうか、なんだか不機嫌な様子ですらあった。
男は、ぐい、と麦酒を飲みながら相手を見て、ハンドシグナル。
(情報収集に来たんだよ悪いか!
そっちこそ、一人酒とは随分寂しいな!)
と、シーフギルド直伝暗号用ハンドシグナルを手早く使い。
無駄な日常会話を送ってみたり。
その間、相手の体を見れば苦い顔。そういえば、以前随分なからかわれ方をしたな、と。
■フラニエータ > 女の眉間の皺が増えた。彼が送ってきた符牒を察したからである。
ぐい、とビールを煽り、どん、とカウンターにたたき付けた音が店内に響くと、
周りの客がちらり、と女の方を見る。しかし直ぐに各々の会話に戻っていった。
女が彼に返した2つのシグナル、それが目に入っていたからである。
「(五月蝿い、犯すぞ?)」
普通の客では無い怪しい客々、当然シグナルを理解していたのであろう。ああ、いつもの癇癪か、てなものである。
■セイン=ディバン > 男の言葉、もといシグナルに相手が不機嫌さを増すが。
その皺を見て、男はニヤリ、と笑う。
美人が一人酒なんて寂しいヤツめ、と言ったら相手が怒った。
つまりそれは、自覚症状があるということだろ? と。
ケッケッケ、と心の中だけで笑っていれば、相手がグラスを叩き付け。
思わずびくり、として相手を見れば、端的なハンドシグナル。
「……っ」
ビキリ。男のこめかみに血管が浮く。
周囲の空気の変化など気にせず、男も一気に酒を飲み干し、グラスを置くと、マスターにお代わりを注文しつつ。
(生意気言うなクソガキ。
そっちこそ、オレので犯してヒィヒィ言わせてやろうか!)
しゅばばばばばっ、とハンドシグナル返し。
っていうか、もうこうなったら普通に会話したほうが早いんじゃない?
などとマスターも思っているのだが。そこはあえて触れず。
男と相手に、ビールのお代わりを差し出し……男にだけ代金を要求する。
どうやら、知人の美人の酒代くらい持ってやれ、ということらしく。
男は渋々二人分の代金を払う。
■フラニエータ > 密談を交わしていた筈の他の客が、次の彼のシグナルを待っていた。
無視を決め込んでいた筈なのだが、気になるのだろう。密談なんてそっちのけ、こっそりわくわく顔である。
そこで返される彼からのシグナル。辺りから小さな声で「おおー」と歓声があがる。
「(ヒィヒィ言っていたのは貴方)」
そうシグナルを返そうとした時、目の前にビールが置かれた。店主の身振りから彼からの驕りという事が分かる。
こんな状況でのいつもの女は、
淑女の様な笑みで小首を傾げながら「ありがとう、嬉しいわ…」と宣うのだが…
とりあえず彼に向かって笑顔を作る。小首を傾げる。
「ヒィヒィ言っていたのは貴方でしょう?――ぁ…」
と宣う。…シグナルと混ぜこぜになって間違ったらしい。
赤面する女、ゲラゲラと沸く周囲。
■セイン=ディバン > 傍から見れば、知り合いなのはもう一目瞭然。
なのにシーフギルドのハンドシグナルで延々会話している男女。
なんてのはなかなかに滑稽な二人組だろう。
周囲からの好奇の目など無視して会話を行っていた男だが。
相手がぽろ、と言葉を漏らしてしまえば。
「あ」
なんて間の抜けた声を出してしまい。
そのまま、周囲が笑えば。男はため息を吐いて、相手の隣へと席移動。
「……久しぶりだな。
……っつーか。そこまで生意気言うなら抱かせろよ。
マジでヒィヒィ言わせてやっからよ」
とりあえず、本当に久しぶりに会ったので挨拶。
そして、相手の髪に触れつつ、真剣な声色と表情でそう言う男。
男にしては珍しい。まっすぐな口説き方だ。
■フラニエータ > 口をへの字にして頭を抱える女。ある意味己の素性を知っている客ばかりのこの場所で良かった。
静寂を取り戻す店内に己を取り戻したのか、女は一呼吸置いた、
「…そうね、久しぶりね…」
ため息交じりの言葉をぼそりと吐きながら、髪に触れる彼の掌を己の指先で擽り、弄ぶ。
「…抱かれたい気分じゃないの、抱きたい気分なのよ…
何処かにイイ子、居ないかしら…」
じっと彼の目を見つめながら、きゅ、と軽く彼の甲を抓った。もう女に眉間の皺は無い。
■セイン=ディバン > 一度笑いこそしたものの、すぐに静けさを取り戻す辺り。
貧民地区の店とはいえ、この店の客はマナーが悪くない。
「お互い、元気そうでなにより、ってやつだな」
お互いの仕事を考えれば、いつ命を落としてもおかしくなかったりする。
こうして再会できるのは、嬉しい限りなのだが。
男は、手に触れられながら相手の言葉に笑い。
「じゃあ、こんなのはどうだ?
……ガッ、ぎぃっ……!」
急に呻きだす男。次の瞬間、男の体から凄まじい音。
ごきん、ぼきんっ、ごり、ばきり。
そうして、次の瞬間には。男の姿はすっかり変わり。
バトラーコートに身を包む、妖艶な女性が現れる。
年齢、三十台後半ほど。身長は男の頃と同じく高い。
ただ、スタイルが極端であった。バストは90サンチはあろうかというほど。
ウエストはくびれてこそいないが、ヒップもかなりのサイズ感なので、相対的に細く見える感じだ。
「……フフッ。こういうのは、お嫌いかしら?」
笑いながら相手の頬に触れる男、改め女。
未だ慣れぬ肉体変化の呪文の激痛も、今はとりあえず無視、である。
■フラニエータ > 細く流され続ける女の眼。彼に向かって色気を振りまきつつ、抓った箇所を優しく撫でる。
女にとって当たり前のそんな行動を遮る彼の異変。
耳には骨の軋む音、眼には歪む筋…思わず眼を見開いて表情を崩してしまう。
「――なッ…ちょっと大丈夫?!」
が、周囲は冷静。彼のこの異変も、周知なのだろう。
「…これは…流石に驚いたわ…ホントに貴方?別人ね…文字通り…」
先程の彼は彼女になっている、そんな事実。
己の頬に触れてくる手を払う事を忘れる程の、衝撃的な事実だった。
「…嫌いじゃ無いけれど、心は貴方なのでしょう?複雑だわ…」
見れば己より性をアピールしている体躯。
女が羨んでしまう程迄に見事なそれは、先程まで己を口説いていた男とは本当に全く違う。
■セイン=ディバン > 少なくとも、ある程度お互いのことを知る程度には関係は深く。
だが、最近新しく習得したこの術に関しては、相手も流石に驚いたようで。
「……実はすっごい痛いんだけどね。
潜入したり、逃亡したりするのに便利だから」
魔術を覚えるのに凄くお金がかかったけどね、と笑いながら。
相手を真っ直ぐ見る女。
「本人よ? ふふっ。
この姿を見たら、私がセインだなんて誰も思わないでしょ?」
この姿以外にも、本当に自由自在に姿を変えられるのよ?
なんて笑いながら、相手に擦り寄るようにする女。
困ったような言葉を口にする相手に笑みを向けたまま。
「あら、ガワが女になっただけの存在はイヤ?
まぁ、無理に、とは言わないけどね?」
口元を押さえながら笑う姿は、相手の知る男の姿とはかけ離れすぎているだろうか。
ぐい、と酒を飲みつつ、女は相手を見て、首を傾げてみせる。
■フラニエータ > 「確かに便利そうね…逆に貴方と思う人が居たら会ってみたいわ…」
未だに信じられない、といった表情の女。
遠慮すらせず彼…もとい彼女の体をぺたぺたと触りながら、幻覚かどうかを確かめている辺り、驚きぶりは本当なのだろう。
彼女の笑う姿、首を傾げる仕草がなんともあざとく見える。その仕草を見て、自己嫌悪。
「全然?…男に戻りたくないって懇願する貴女…好いわね…」
ほんの少し、女言葉で話す彼が頭をよぎった。その想像に少し笑いながら、女は言葉を続ける。
「――ちなみに、ペニスは生えてるの?」
どストレートである。
■セイン=ディバン > 「ま、一度看破されると。
別の姿になる必要はあるけどね」
私、そんなに女性としての姿、作り上げられるイメージ力ないんだけどねー。
なんて笑う恩なったが。体に触れられば、くすぐったそうに身をよじる。
ちなみに、感触は当然本物。ただ、やや見た目の割りに筋肉質に感じるかもしれない。
「……そーいうの、トラウマだからマジ辞めろ」
思わず地のしゃべり方に戻る女。
過去、呪われていた時期を思い出したらしい。
そして、相手の質問には、きょとん、としたものの。
カラダを折り曲げ、ゲラゲラと笑い。
「アハハハハハハハッ! ……生えてないわよ。
でも、生やしたりできるけど?」
涙浮かべながら笑う女。そのまま、相手の唇に指で触れてみせる。
酒がある程度回ってきたか。女はコートを脱ぎ、シャツ姿になってみせる。
コートはマスターに預け、ぐっ、とカラダを伸ばす姿は、男装した中年女性、といった感じか。
■フラニエータ > まだ他の姿に成れる様な彼の弁。女の彼に対する評価がひとつ上がった。
心が男、体が女の彼…彼女とは、一体どんな営みができるのか…
いや、そうではなく。利用価値が更に上がった、という意味でだ。
「トラウマ?良い思い出じゃなくて?――ふぅん、生やせるのね…それ、出せるの?」
そんな事を聞きながら、シャツの上へ指を乗せ、すぅっと鎖骨から胸の間、臍迄を撫で上げた。
筋肉を帯びた肉質を愉しむ様に動く指先、その主の口角はいやらしく歪んでいる。
「…きちんと女を演じる事ができるなら…色々シたい放題じゃない…男も女も…
それに、生えるのも羨ましいわ…ククク…」
彼女の表情をちらちらと覗いながら、臍の周りを指先でくるくると弄りながらの言葉。
■セイン=ディバン > くるくる、と表情が変わる相手に、女は若干危ないものを感じ、微かに身を引くが。
少なくともこの相手が、悪人では無い、ということだけは確かなので。
苦笑を浮かべるだけにしておく。
「冗談。未だに思い出してもイライラするっつー」
頬杖つき、実際イライラしている様子の女。
相手に体触れられ、更に尋ねられれば。
くす、と笑い。
「出るわよ。って、随分聞いてくるじゃない。
何? その気になっちゃった?」
触れられれば、息を、ほぅ、と吐き。
相手を見つめ、相手の顔に自分の顔を近づけてしまう女。
唇を奪うように近づきながら、寸前で止まり。
「……で、したい放題、ってなったら。
アナタはどうしたいのかしら、フロー?」
そう尋ね、相手の首筋にキスを。
指先で繊細に触れられてしまい、女の体の奥ではじぐじぐと熱が芽生えている。
期待するように相手を見つつ、女は浅い息を何度も吐く。
■フラニエータ > 「そうね…男性らしい自分を隠している女、と考えれば…少しはね?
心の底から女にしたくならない?そんな娘…。」
その気になった?と聞かれればそんな事を宣いながら、女の指先は昇っていき、アンダーバストのラインをなぞっている。
首先に柔らかな感触を与えられれば、女は彼女の耳元へと唇を運び、一度だけちろりと舐め、
「どうしたい?勿論…新しいトラウマを植え付けてあげたくなるわ…
でも、ここじゃ道具も無いでしょう?
――そうだ、面白い所、行ってみない?」
女は何か思案している様子。その思案が邪なものだと一目で分かる顔は、彼女の耳元で妖しく歪んでいた。
■セイン=ディバン > 「……あ~。う~ん。
その気持ち、分からなくないから困るわね」
実際、そういう女性を落とすのは楽しい、とも思うのだが。
そう思う横で、カラダに触れられ続ければ、なんとも反応しがたい。
というか、会話と触れ合い、どちらに集中すればいいのか分からなくなっている感じ。
「……怖いわねぇ。
でも、フフッ。いいわよ。
その面白い、って場所で、逆に私に手篭めにされても知らないからね?」
相手からの提案には、やや怯えつつも、乗ることを決めた女。
そのまま、煽るように挑発し、相手がどこに連れて行ってくれるのか、楽しみに。
■フラニエータ > 「出来るかしら…?フフ…でも多分…愉しめると思うわよ?」
女は酒代を無造作に置くと、周囲に気をやることもなく路地裏へと戻っていく。
彼女と成った彼を連れて、一体何処に連れて行くのだろうか。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からフラニエータさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からセイン=ディバンさんが去りました。