2018/12/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「……」

貧民地区、路地裏。一人の男が立っていた。
何をするでもないが、周囲の音だけはしっかりと聞く。
いわゆる、情報収集である。盗み聞きとも言う。

『セイン、ウチで遊んでいってよ』
うるっさい。あっち行け。
『セイン~。最近ご無沙汰じゃ~ん?』
だからあっち行けって。
そんな感じで、娼婦に声かけられまくる。

『おうコラセイン、面貸せやへぶっ』
どいてろザコ。
『なぁセイン、お勧めの店とかねぇか?』
そこの右の細い路地の奥の店ならボられねぇぞ。
同業に声をかけられたり絡まれたり。
絡んできたヤツはぶっ飛ばしたが。

まぁそんな感じで。情報収集しつつも声をかけられまくるので。
男はため息を吐く。こりゃあ場所を変えた方がいいかもしれない。
そう考え、路地裏を歩いていく。
顔と名が売れすぎるのも考え物、である。

「あぁ、ったく。あのアホエロフ。
 さんっざしてくれやがって。腰いてぇっつー……」

腰をとんとん叩きつつ更にため息。
さてさて、儲け話やトラブルや、とにかく面白い何かはねぇかなぁ。
そう考えている男、視線をきょろきょろ。

セイン=ディバン > 貧民地区の路地裏は、酒場に次いで情報が集まりやすい。
皆生きるのに必死だから、自然と噂などに敏感になるし。
裏社会特有のコミュニティ、ネットワークも発達している。

「とはいえ、その情報の多くはガセであり。
 真贋見抜く眼がないと損するばかりなのであった」

ぼそり、と呟きながら。男は路地裏を歩く。
すれ違う人々もまた、多種多様。
娼婦、冒険者、盗賊、情報屋、盗品商、怪しい錬金術師、などなど。
ある意味退屈はしない。

「……ん~。しかし腹が減ったなぁ。
 酒場にでも行くとするか……?」

今日は目ぼしい情報は無いかな、と判断し。
次の行動を考える男。
腹を満たすのもいいし、このまま情報収集を続けるのも悪くは無いな、と。