2018/12/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にナインさんが現れました。
■ナイン > (しとつく雨を逃れるよう。適当な軒先に身を委ねていた。
背後の扉はその隙間から、生温く湿った空気と…仄かに、甘い馨を吐き出してくる。
きっとこの界隈に寄り集まった、いかがわしい設備、という奴なのだろう。
雨脚は決して強くない為に。耳を澄ませば、爛れた声音も聴き取る事が出来るのかもしれないが。
それをしないのは、わざわざ其処迄せずとも、解りきっている事だからに他ならない。
――そう。こういう場所だと解っているから。知っているからこそ、今此処に立っている。)
――趣味が悪い?…っは…自覚はしているとも。
良いから。大丈夫だから。…適当に朝まで、遊んで来れば良い。
(密やかな視線。何処かの影に潜んだ、手駒に声を掛け。
その気配が不承不承だろうが消えるのを確認し。緩く口元を綻ばせる――自嘲、に。
先日から落ち着かなかった。さる名家のご令嬢を嬲って、貶めて、大勢の嬲り者にして――――
それに昂ぶるのと同時に。自分も、あのくらい滅茶苦茶にされたいだなんて。
考えて、この一帯に足を運んでしまう己が居る。
今も。目の前を行き交うのは、色を、春を、売る者や買う者ばかり。
此処はそういう場所なのだ。とても、とても…少女にとって、好みの。)
■ナイン > (ふと。背後からの空気が変わる。
どうやら、何時何時迄も建物の前に立つ少女の姿が、中の者に見咎められたらしい。
香水の。媚香の。女達の甘い馨がより一層強くなり。湿気ったように纏わり付いてくる。
開かれた扉の奥、掛けられる声音が、何処となく媚びを帯びた代物なのは…
少女の身形から、金を持っていると判別されたからだろう。
金さえ有るなら何も問わない――男だろうと女だろうと、善人だろうと悪人だろうと。
そんな者達だからこそ、有難い。踵を返せば施設の中へ。)
は。…っふふ。それじゃぁ、お言葉に甘えようか。
そうだな、取り敢えずは――
(願わくば。この甘い世界に、共に堕として貰いたい。
自身が何者なのかは語らず、唯、狂い酔いたい欲望だけを訴えて…
一時傍女を演じたか、或いは、そんな者達を買い漁ったか。
何れにせよ、覚えてしまった、御する事の出来無い欲に溺れた、それだけは間違いなく。)
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からナインさんが去りました。