2018/11/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にホウセンさんが現れました。
ホウセン > 日が落ちても、賑わいが減じるどころか弥増す界隈というのはあるものだ。
その一つが歓楽街であり、丁度小さなシルエットがふらついている場所である。
貧民地区には、余り馴染まない装いをしているせいで浮いているが、気にするような手合いでもない。
お高く留まっている娼館なら兎も角、このエリアの店々は、金払いがよければ概ね問題とならぬのだから。

「何ぞ、良い娘は入ったかのぅ?
 …ふむ、零落した貴族の娘というところは惹かれるが、もうちっと年嵩の方が好みじゃ。」

事実、遊び慣れているらしく、飾り窓をチラ見しつつ、店先に居た顔馴染みの客引きと二言三言会話を交わす。
その店先から離れて、またふらり。
いっそ、店に所属しないフリーの娼婦なり、適当に”現地調達”してもよいかと、整っている上っ面の裏側で、碌でもないことを考えているのだ。

ホウセン > 足取りは軽く、雪駄の底がペタペタと。
短躯故に足も短く、自然、歩幅は小さい。
ちょこまかウロウロと、通りの右側を覗いて、返す刀で左側へ。
決して少ないとはいえぬ往来の中を、人のぶつかる気配もなくすり抜ける。

「ほほぅ、いや、それは残念じゃ。
 嗚呼、気にするでない。
 また、手透きの時にでも相手をしてもらう故。」

何件目か分からぬ訪問先で、気に入っている娼婦を指名できるかと問うたものの、生憎と客が付いているとのこと。
この時間だったし、泊まりになるであろう事は予見できたし、その店に所属する他の娘には食指が動かなかったのだ。
店員にヒラリと手を振って背を向け、通りを少し進んだ所で思案顔。
間繋ぎとして、黒砂糖で風味付けをした飴玉を袂から取り出し口に含む。

ホウセン > コロコロと真ん丸の飴玉を舐め転がしつつ、小さな好事家は、通りの奥に消えて――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からホウセンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > ひゅうと風が通り抜ける。
肌寒さすらも感じさせるそれに少し首をすくめ、いつか見た道を歩く。
この街に来てから季節が一周した。
何ができたわけでもない。冒険者として必死になっていただけだった気もするが…。
この街にたどり着いたときは、右も左も分からず、疲労と空腹で倒れてしまったっけ。
今歩いている通りがちょうどそのあたり。
雰囲気、空気…店を彩る明かりや女。
自分も含めてあまり変わってない気もする。
変わったこととすれば、今は帰る家があって、今日も冒険者としての仕事を終えての帰りということだ。

「はー…寒くなってきやがったな…」

息はまだ白くはなっていないが、そうなるのもすぐだろう。
この寒さであれば。

ブレイド > なにか温かい食事でもと思ったが…
このあたりにそういう店は少ない。
かといって、娼館にも特に用事があるというわけでもない。
そこらの酒場にでも足を伸ばそうか?

「それも味気ねぇけど…まぁ、いいか…」

家で一人、冷たいパンをかじるよりかはマシだろう。
記念というわけでもないが、節目としていいものを食べてもバチは当たるまい。

ブレイド > 今日の依頼も割と簡単で報酬の少ないものであったから、そう贅沢はできないが…
温かいものが食べられるだけでも十分だ。
屋台やなんやらを食べ歩くのもいいかもしれない。
とりあえずあてもなくウロウロと歩く少年は、ここに来た当時に比べれば足取りもしっかりしている。