2018/10/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にティリアさんが現れました。
ティリア > っふ … っぅ、 ……は ぁ  …ぁ …は――――

(――――裏路地。薄汚れた壁に背を預け、浅く身近な呼気を繰り返す。
歩き通しの両足が、慣れない靴底の厚さに、鈍い痛みで抗議し続けている上に。
全身に拡がった熱っぽさで、今にも目眩を起こしそうだった。

……過日の逢魔。すわMIA…任務中行方不明か、とすら覚悟させられた一件から、辛うじて戻れはしたが。
人外に近付けられた、呪われた躰が重い。苦しい。何より熱い。
こういった呪いを解くのなら、神聖都市の然るべき存在に頼るのが一番なのだが…
今回に限って、あの都市には近付きたくなかった。

…だから市井の。冒険者のギルドを頼るか、モグリの呪い屋を当たるかしたかったのだが。
もう何時間も、この界隈を歩き回っている気がする。
何処が何処やら、目的地の所在も解らない――この辺りは初めてだったから。)

 …なんだ、も …ぅ…本当に何で、こんな事に、なってるんだ…ろ――――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にイーヴィアさんが現れました。
イーヴィア > (――仕事を終え、店を閉めた後で飯に出かける。
酒と肉とを詰め込んで一頻り騒いだ後、酔い覚ましも兼ねて歩く路地
大きく伸びをしながら、明日の予定を飲ん日指導しようかと考えている、そんな最中
付近の壁にもたれた、人影に気付いて視線を向けた。)

………よう、大丈夫か?

(思わず声を掛けたのは、何処か様子がおかしく見えたからだ。
酔っぱらってへたり込んでいる連中ならば、この界隈には幾らでも居るが
そう言う訳では無さそうだと、見ただけでも其のくらいは判る。
声を掛け単は少し離れた位置だったが、怪訝な表情で其方へと近付いて行くだろう)。

ティリア > ――っ!

(文字通り、飛び上がった。
誰かに声を掛けられるとは思っていなかったし…
仮にそうなった場合。大概、ろくでもない相手に違いないと。
この辺りはそういう界隈だと考えていた為に。

だが、一応。その第一声は、此方を案じるような物だった。
その部分に僅かばかり安堵しつつ。ゆるりと頭を振ったなら。薄く濡れた瞳をしばたかせ、声の主へと振り返る。)

…お気遣い、どうも。――ちょっとね、熱、っぽくて。
病院、じゃない、この近くのギルドに――行きたい……

(僅かな打算。仮に近付いて来るこの人物が、本当に、親切だったなら。
漸く迷子を抜け出せるかもしれないと。
額に掌を当てつつの台詞は。嘘は言っていないが、全ての真実を語っても居ない…という按配。
何せ、熱は熱だが。頭から来る物ではない、胎から沸き上がる物なのだから。)

イーヴィア > ―――……おっと、悪いな、驚かす心算は無かったんだが。
アンタみたいな子が歩くにゃ、ちと場所も時間も悪いと思ってね。

(声を掛けた事に、此方から見れば、随分と過剰に驚く姿
両掌を掲げ、唯の通りすがりだなんて主張はして置きつつに
相手の傍まで歩み寄れば、見目は街娘の様な相手に
少しばかり眉根を顰めて。)

……熱、か。 ……まて、何で其処でギルドだ?
まさか依頼受けるってんじゃないだろうな、体調にキてるんなら先に医者だと思うぜ?

(見上げる瞳、確かに、風邪でも引いたのだろうかと思う様な濡れた瞳。
けれど、其の行き先が医者では無くギルドだと聞けば、矢張り其処でもまた怪訝な表情を。
多少不良なら大人しく休むべきでは、と言う正論では在るが
逆に言えば、ギルドに何か特別な用事でも在るのだろうか、とも)。

ティリア > それは―――― ……っ、は ……ぁ…

(残念ながら、誤魔化したいという浅知恵は。
至極当然の理論によって、即時論破されてしまった。
確かに、普通は。熱が有るなら――病気なら、病院だと。そう考えるのが当たり前だ。
何とか、言葉を選ぼうとするものの。結局上手い言い訳が思い付く事はなく、吐息。
ゆるゆるともう一度頭を振るのは。脳髄に迄浸食してくる熱に、逐次奪われていく思考能力を。
少しでも冷却し、取り返そうとする為に。)

…ごめん。言葉、足りなかった。
――――病気じゃないんだ。呪い――なの、かな。
だからこういうのは。迷宮の探索とか、魔物の討伐とか、そういうので呪われたり、罠に嵌ったりする…
そういう人達への、治療とか、対処とかをしてくれる場所に。行きたい。

(ぱっと見町娘な外見で、冒険者云々語るのは、違和感が有るかもしれないが。
どうにか、解り易く、且つ疑われない説明を選んだつもりだった。
…正直。あまり押し問答をしていたくもない。
熱が。この疼きが。何時――耐え難い所迄高まるのか。己には解らなかったから。)

イーヴィア > (言葉に詰まった相手の、その次の台詞を、待つ。
逡巡するかに一度頭を振る姿に、大丈夫かよ、と僅かに眉根を下げては。
――続いた言葉には、漸く、成程、と納得した様に頷いた。
そういう理由ならば、確かに病院よりもギルドの方が伝手が在るだろう
解呪専門の人間で在ったりも存在するだろうし、今は居なくても紹介位はして貰えそうだ。

ただ、敢えて問題を挙げるとすれば。)

―――成程な、取り敢えず状況は判ったよ。
ただ、ギルドに行くってんなら、場所を教えてやるのは良いんだが…。
もう少し歩く事に為るな、何せこの地区の、此処から丁度反対側なんだ。
其れに、今から向かってまだ開いてるのかは、俺にはちと判らない。

(――何せ、時間が時間だ。
ここに店を構えてから、冒険者ギルドにはもう数年単位で滅多な用が無い。
時折依頼として設備の修理を行う事は在るが、大体昼間に終えて仕舞うし、己が向かわない事も多い。
無駄足に為るかも知れないと、小さく溜息を零しながらも、其れだけ先に告げて置けば。)

――……其れでも良いなら、案内するかい? 其の様子じゃ迷子なんだろ。
それか、明日の朝に出直すって手も在るけどな。

(問うてみる。 個人的に現実的なのは、出直す事だ。
其れでも、どうしても、と言うのであれば、案内はしようかと。
如何する? と、結論は相手へと任せながら

ふと、己もまた片掌を伸ばして、相手の額に指先を触れさせようとする
単純に、熱が在るのだろうかと測る為の、何の事は無い仕草、なのだが
近付く距離、相手との体格差、鍛冶仕事を終え、炎に炙られた身体から

――「雄」の気配を、如何仕様も無く感じ取れて仕舞うやも知れない。)

ティリア > ――――時間は。考えて、なかった…

(これまた正論を返されてしまった。確かに…24時間何時でもウェルカムとは限らないだろう。
何分危険な仕事を取り扱い、且つ、危急の事態が起こる事も有るのが、冒険者稼業という奴だろうから。
いざという時の為に、職員が常駐している物だとばかりイメージしていたが。

その上問題は。どうやら、余計に歩かねばならないらしいという事か。
普段の装いでは、要らぬ目を惹く、余計な勘ぐりをされかねない、と私服で出て来たが。
その為、真新しいブーツに足が痛みを訴えている。
流石に靴擦れ程度でギルドを頼る、という訳にもいかないだろう。
…勿論、それが本題ではないのだから、格好が付かないというだけでしかないが。
――――ともあれ。)

…でも、行かなきゃ。この侭じゃどうしようもない、から。
……色々。教えてくれて、ありが――と。
場所、聞いたら。行ってみるか ら…

(それでも。決して安全とは言えないこの地区で、一晩、呪いを抱えた侭待ちぼうけを決め込むのが…
否、例え呪い云々が無かろうと、小娘の身にとってはどれだけ危険なのかと考えたなら。
目的地に向かった方が良いと決め込んだ。
例え解呪の行える専門員は居らずとも、受付程度、待合程度は空いている筈だ――そう思いたい。

やんわりと頷き、教えて貰えるのならば、場所を問おうとして。
――其処に。男の、彼の手が触れた。)

……っ………!!っひ っっぁ…!

(びくん。と。露骨に躰を震わせてしまう。
膚に直接、誰か、何かが触れるだけですら気も漫ろ。
ましてそれが…明確に異性、牡、だったのだから。
蓄積された発熱が――淫魔の呪いが。出口を見出したかの様に荒れ狂う。
堪らず飛び退き…飛び退こうとして、それすら侭成らず。その場に蹲ってしまおうか。)

イーヴィア > (――逆に言えばこの考え方は、己が店の主であるから、かも知れない。
ただ、兎にも角にも確証は無い、実際向かってみれば開いて居るかも知れないと
其れだけは伝えておきつつに、相手が結論を出すのを待とう。
いずれにしても時間は過ぎていく、己ですら、余り遅くまでふらついて居れば
下手をすれば物取りか何かに出くわさないとも限らない時間帯。
相手の様な女であれば、其れ以上に目を付けられ易いだろう。
だからこそ、送って行くとは声を掛けたのだが。)

―――……そうかい、なら気を付けな。
場所…は、そうだな、とりあえずは、この道を真直ぐに向か―――

(一人で向かう、と言うニュアンスの言葉。
肩を竦め、ならばと、手を相手の額へ伸ばしながらに道順を説明しようとした、のだが
刹那響く、くぐもる様な、声に為らない悲鳴。
突然蹲る姿を見下ろしては、反射的に己もまた屈み込んで。)

―――おい、おい…! 大丈夫かよ…!?

(其の顔を、覗き込んで様子を伺おうとしながら
其の肩か、或いは背へと片掌を添えて、支えようとする。
――それが、彼女にとっては、更なる呪いの悪化を招くのやも知れない)。