2018/09/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にカイサーさんが現れました。
■カイサー > この地区で唯一の教会。内装は酷く荒れ果てており、かつては美しかったであろうステンドグラスも割れて亀裂が入り、神像は辛うじて形が残っている程度。
教会内を照らすのは月明かりのみであたりは薄暗い中、壊れた神像の前に跪き祈りを捧げている白い服装の女騎士が一人。
既にこの地区の者からは忘れ去られた教会に立ち寄るのは、野良猫かこの女くらいしかいないだろう、それ程荒れ果て寂れた建物となってしまっていた。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にアルファさんが現れました。
■アルファ > 何を崇めていたかもわからないほど朽ち果てた教会。壊れた屋根から降り注ぐ月明かりが照らすのは女騎士
……と梁に腰を下ろす妖魔の青年。
いつからだろうか、闇に溶けるように気配を消してその様子を高みの見物としていた。
茫洋と眺めていた目は直向きに祈る姿にやがては訝しげに細められ。
かろやかに、風舞うように黒衣を翻し、音もなく地に降り立った。
「ごきげんよう。
なんでこんな寂れた所で祈りを捧げているんだい?」
興味が勝った。月光をスポットライトと青白く照らされた女騎士へと。
とん、とん、まるで夜風になびく草木のような人為らぬ脚運びで歩を進めていく。
逃げないなら手を伸ばせば届く距離まで。
■カイサー > 不意に背後から声をかけられ肩がキクンッと強張る。気配は全く感じなかったので、最初からこの教会にいたのか後から来たのかすら分からない。
月明かりの不安定な視界の中、目を凝らして声の主を探すが闇に溶けてすぐに判別できず、気づいた時には自分の間近まで来てしまっていた。
ぞわり、と背筋が震え咄嗟に男から距離をとる。月明かりが作るスポットライトから外れれば、今度は男がその明かりの下へと姿を現して。
「………気配を消して近付くな。」
あからさまに警戒心をあらわにし、男と対峙する目つきは鋭いもの。男の問いには答えず場所柄不審者でないかを見極めようと。
■アルファ > 警戒心を露に睨みつけられても平然と肩を竦めて口角を吊り上げるのみ。
「近づくな、と言われてもな。
俺は寝床に休んでいただけ。
アンタは神に祈っていた。
どちらが早く来たのやら、ここを己の領域と宣言するのやら。」
此処に、と。地を人差し指でさししめして、笑う。
鋭い眼差し投げる相手を見縊ってる訳でない。闇は妖魔の領分であり、興味持てば危険を知っても顧みぬ冒険者たる性分だ。
だが視線を重ね合うのも飽きた。緩慢に、けれども確かに相手に歩を進める。相手が動く前に虚空に指を馳せ。
なにもない宙空に赤い光が文字を為す。
「アフラだ。俺の名前は。綺麗な騎士さん。アンタの笑った顔もみたいな。」
二人の間に描かれる文字、青年が指を弾くと共に幻視の薔薇の花弁となって破れた屋根から夜空に昇り上がる。
■カイサー > 男の言葉に眉間の皺が深くなる。生真面目なこの女はこの男の態度を軽視していると見てとったからだ。男と距離をとろうにも、何やら闇とどうかしてゆらゆらと距離をつめられ後ずさりするしかできない。
「それは失礼した。まさかここを寝床にしている者がいるとは思っていなかった。眠りを妨げてしまい申し訳ない」
地を指差して笑う男とは対照的に、眉間に皺を刻んだ仏頂面でそう返す態度は、全く悪びれてはいない。
またしても距離を縮められた矢先に、目の前に刻まれる赤い光の文字に二三度瞬きをし、次いで夜空に登り上がる花びらに軽く瞠目。ハッと意識を目の前の男に戻すと更に後ずさりし、扉へと向かって行き。
「愛想がないのは生まれつきだ。手品なら私でなく子供にでも見せてやると良い」
■アルファ > 「……別に謝れとは言っていないのにね。
ただ、上から見ていた君は、とても真剣な祈りだった。
その理由が知りたかっただけなのに。」
唖然とする様子に微笑み、何を崇めていたか知れぬ台座へと背を預けて反応を見守る。
その薄さと来たら。そっけない言葉も相まって手で顔を覆って苦笑を漏らす。
「ククク……生真面目なヒトだなぁ。」
長い爪先を眺めながら戯けた調子で囁いていく。
扉に向かおうとする女騎士への邪魔はしない……いや、もう準備はすんでいるから。
扉から外界へ……出る前に月光の翳から浮かび上がるように姿を現す。背後に姿は、ない。
「そんなに怖がらなくても良いじゃないか。闇は恐れるものでなし。
ヒトの醜さを包み隠す優しいものだ。」
そっと細顎を手に取り、間近でウィンクする道化っぷり。
抵抗がなければ顎を指先で持ち上げ唇を重ねようとする。
肌は白いくせに炎のように熱いベーゼを。
■カイサー > 「……祈りは、真剣に捧げるものだ。特別なことではない」
そのままマントを翻して扉へと向かい外へと出ようとした矢先、目の前に男の姿。
ヒュッと思わず喉がなり体が硬直し目を見開いて。
あくまでもキザで道化な態度を崩さない男に困惑しながら、顎をとられて近寄る唇に目を見開いて、ようやくドンッと両手で男の胸を押し返す。
咄嗟の抵抗というにはあまりにも稚拙なものだが、その抵抗がかなうならば、いまだかつてない掴みどころの無い恐怖に震える己を叱咤しながら逃げ、この教会を後にしたのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からカイサーさんが去りました。
■アルファ > 押されることはない。黒衣の肩が溶けるように崩れてゆき。陰と形が消えてゆく。
天井から微かに埃が舞い立ち再び梁に横たわる。
胡乱げな目で立ち去る女の姿を見守り。
「つまんない女」
小さく呟いて爪先に火を灯して、口端に咥えた煙草に火をつけた。
昇りゆく紫煙が月を朧に掠める様子をじ、と眺め。
中途半端に醒めた眠気の慰みに、ゆっくり味わっていく
■アルファ > 小さく欠伸が出てくる。
短く削がれた煙草を投げ捨て、瓦礫の隙間に小さな火の粉が散ったのを見届けて眠りに入った。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からアルファさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にテリスさんが現れました。
■テリス > 今日も今日とて足で情報を稼ぎ中。
裏通りをせっせと通り抜け、気になった場所では聞き耳を立てる。
噂話もいい情報となるのだ。
そう思いながら、ひとまずと言った様子で通りに出る。
「……っと、やべ。」
出た先は娼館通りであった。
一本間違えたなぁ、と考えながら通り抜けるかどうか迷う。
別に娼館に入るのを戸惑っているわけではない。
わけではないが、そう見えるかもしれない。
迷ってる内に、綺麗に着飾った女性へと視線をとられる。
微妙に赤くなった表情は如何にも不慣れと言った感じで…。
早いとこ抜けちまうか。そう結論づけて歩き出す。
不意に歩きだした上に周囲を気にしてないというか、早く抜けようとしたため気もそぞろ。
誰かにぶつかってしまうかもしれない。