2018/08/04 のログ
紅月 > ふと、或る青年と目が合う…通る声が耳に心地いい。
騎士や傭兵というよりは、武人といった風な…この風体はシェンヤンの其れに近いか。
男の笑みにつられ、こちらも口許が緩む。

「あら、ありがとう…お気に入りなんだー。
…ふふっ、お邪魔します」

時折不思議に煌めく紅の髪をふわりと揺らし、嬉々として歩み寄る。
独り酒も嫌いじゃあないが、誰かと飲む酒はまた格別なのだ。
彼の向かいの席に手をかけつつ、挨拶を。

「私はコウゲツ、東の果ての地にては紅の月と書きまする。
どうぞ、よしなに…」

ふわり、と笑みを浮かべ、軽く首を傾げつつに名乗ろうか。

ティエンファ > 「俺はティエンファ、護衛や用心棒をやってる まあ、冒険者だな
 紅月、よろしくな っと、こっちのお姉さんにも一杯
 …誘ったのは俺だからな、一杯目は奢らせてくれよ」

料理を運んできた従業員に声をかけ、紅月に軽く笑う。
そして、紅月を遠慮なくまじまじと眺めた。

「最初は服装に気が向いたが、その髪も特別な感じだな ランプの明かりが揺れる度に色が変わって見える
 東洋の生まれってのは黒い髪が多いと聞くけど、紅月みたいな綺麗な髪も多いのか?」

好奇心を隠そうともせずに尋ねる。
表情と同じ、子供のような真っ直ぐな興味。

紅月 > 「へぇ…ご同業さんだ、って言っても私は採取とトレジャーハントがメインなんだけど。
あら、じゃあお言葉に甘えちゃおっかな?」

クスクス、と笑んで…何やら観察している様子にコテリと首を傾げる。
が、問いを向けられればにこやかに口を開く。

「あぁ、コレか…祖母が焔の精霊でね、だから私のは変わり種よ。
普通は黒髪か、明るくとも焦げ茶かな?」

くるくると、もみ上げの髪を指に絡ませながら説明を…さすがに、魔と戦争中のこの国で大っぴらに『人間ではない』と言うわけにはいかない故、とりあえずは婆様が特殊なのだと言っておこう。

「…何なら、触ってみる?」

冗談混じりに笑いながら言って。

ティエンファ > 「採集と宝物探しか そんじゃあ、危ない場所に探し物しに行く時には声をかけてくれよ
 武者修行の身でな、魔物相手でも喜んで戦ってやるとも」

分厚い胸板を叩いて笑う。 青年の後ろの壁に立てかけてあるのは、使い込まれて黒光りする六尺棒である。
丁度そこに運ばれてくる酒。 紅月に勧めれば、自分も酒を掲げて軽く乾杯した。

「ふぅん、精霊の血か 良いな、引き継いできたものが美点になってるのは羨ましいもんだ
 変わり種だが、良い種が芽吹いたのが紅月だな」

素直に褒める言葉。 人間以外の血を引いていることに忌避感も無い様で。
そして、紅月の言葉に、ああ、と声を漏らして。
遠慮もせずに手を伸ばし、紅月が自分でしていたようにその髪を指に軽く絡める。
引っ張らないように柔らかく撫でる指は、長い髪に触れ慣れている様で。

「ああ、良い髪だ 柔らかくて滑らかだ …きらきらしてる。
 ご先祖さんの焔が紅月を守ってくれてるんだろうな」

そう言って微笑み、その手を放す。
自分の髪を摘まめば、俺は普通の髪だからなあ、と笑った。

紅月 > 「武者修行!私もやったなー、修行の旅とか!
…どっちかと言えば対人戦闘を頼みたいかも、あんまり得意じゃないんだよね」

修行という言葉に、懐かしいなぁ、と穏やかに笑って。
ドンと胸板を叩く姿にパチパチと小さく拍手を。
…魔獣なら狩る事も飼い慣らす事もできるが、対人となると今だに時折加減を間違えてヒヤリとしてしまうのだ。
それに、たまには誰かと組んでの散歩も楽しそうだし。

「かんぱーい!
っそ、そんなに褒められると…いや、うん、ありがとう……えへへ」

真っ直ぐな言葉に照れてしまっては、薄く染めた頬に手をあてて。
…けれども満更ではなく、むしろ、じわじわと嬉しそうに。

「ふふっ、ホントに触るんだ?
…私は特に先祖返りの気が強いからなぁ。
周りからはちょっと浮いちゃってたけど、嫌いじゃないんだ」

髪に触れられれば紫の目を細め、瞼を伏し…その指先の感触を楽しみ。
手が離れればまた目を開く。

「普通?私は好きよ?
…濡羽色、吸い込まれそうなぬばたまの髪」

ティエンファ > 「闘いの日々の後の採集の日々かい? そんな年上にゃあ見えないが…ああいや、歳の話は良い趣味じゃないな
 うん? ああ、むしろ俺は対人戦が一番の得意だよ やり易い
 俺の武器はこれなんだが、何なら生け捕りも得意だしな 用心棒や護衛にはぴったりなんだ」

湯気立てる揚げ物と豚肉のあぶり、それを勧めながら話す。
安い酒の強い味で口の中の脂を流せば、自分も揚げ物を一つ摘まんだ。
そして、頬を緩める紅月の様子を見ればちょっと笑い。

「美人の髪に触れるってのは、男の悦びの1つでもあるんだよ。
 周りから浮いてたんじゃなく、周りが気後れしてただけだろ。
 悪い感じはしないぜ、その髪」

髪を褒められればこちらも嬉しそうに笑う。

「ああ、俺も自分の髪は気に入ってる 触れても良いぜ?
 しかし、女がこんな時間に一人で貧民街とは、暑くて寝苦しいにしても、散歩には見合うまい?」

さっきの紅月の言葉を返して笑った。
はじめて話す相手だが、気を張った様子も無くのんびりとした様子。

ティエンファ > ~飲み会は後半に続くようだ…~
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からティエンファさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」から紅月さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にティエンファさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」に紅月さんが現れました。
紅月 > 「ふふっ、妖精は長生きだから…とだけ。
わ、棒術か…頼もしいっ!
道中のご飯やらは紅が作るから、一緒に何処かお散歩しましょ?」

男の武器を見て、嬉々として男の提案を是とし…何処からともなく箸をとりだして、ハフハフと豚肉のあぶりを頬張る。
次いで酒をグイグイあおる…先程までの『上品なお嬢さん』といった風からは想像しづらい姿をだろう。
「…ぷはっ、旨いっ!」
なんて幸せそうに笑って。

「だ、っだから美人とか…んもぅ、お上手なんだから。
おだてても何も出ませぬぞ?」

やはり恥じらって笑うのだが、スッカリ頬が熱を持っていた。

「え、ホント?触りたい触りたいっ!
席、お隣行っていい?
…うん?
あー、普段なら平民地区でゆっくり飲んでるんだけど…ほら、たまに無性に浴びるほど飲みたくならない?」

キラキラと子供のように目を輝かせ、ホクホクとした笑顔。
もうすっかり警戒もなく、口調も態度も砕けてきた様子。

ティエンファ > 「色んな種族が居て色んな寿命を持ってるから、見た目じゃあ分からんし、年齢を聞いても分からんな
 お、飯作れるのか? 良いね、俺は大雑把な物しか作れないから、道中のやる気になる」

楽しそうに頷いて、喜んで、と目を細める。
そして、取り出された箸を見れば、帝国の物と似てるな、と。

「俺も住んでいたのが帝国の近くだったから、箸の扱いには慣れてるが…
 こっちで出されるのがナイフとフォークだから、そっちになれちまったなあ
 って、おうおう、良い飲みっぷりじゃあないか! 俺も…んぐ、ぷはあっ!
 いいね、上品な食べ方をする奴は見ていて綺麗だが、一緒に食いたいと思うのは、美味そうに味わう奴の方だ」

紅月よりも大きな一飲みでがぶりと酒を飲めば、一緒のタイミングで呑み終わる。
自然と二杯目も一緒の物を頼むことになる。 暑気払いのキンキンに冷えたグラスエールだ。

「はは、綺麗処の頬に桜色が咲いた 良いものが見れているからお代には十分さ
 うん? ああ、隣に? 良いとも、断る口は持たないぜ
 …ああ、判る パーッと飲み倒したくなる日はあるなあ…今日がまさにそんな感じだよ」

隣の席を叩き、にかりと笑う。 ランプの薄明りの中二人で並べば、新しく運ばれてきた酒でもう一度乾杯をした。

「パーッと飲むのは良いが、紅月みたいなのが酔いつぶれてたら、いくら冒険者と言っても危ないだろう
 迎えでも来るのか? それとも近くに宿があるとか」

紅月 > 「ん、もしかしてミレー族やら魔族やらにも理解ある方?
だったら是非お友達になりたいトコなんだけどなー?
んふふー…山菜から魔獣まで、紅のご飯は試してみる価値アリよん?
やっぱり、闘う前にゃあ旨い飯がないと!」

目の前の青年にそういった偏見がありそうには見えないが、一応言質はとっておかねば…と、確認するように問うてみる。
料理に関しては、正に…食い道楽に片足突っ込んでる自覚のある身。
血抜きや加工らは勿論、毒抜きまで完璧にこなす自信がある。

「んむ?…ふむん、境目辺り。
そしたら醤油とか味噌とかも平気かな?
煮物に使うと旨いんだぁこれが!
って、おーおー、兄さんもイケるクチじゃないの…うんうん、飯は思いっきり楽しんで食わねば!」

ケラケラと愉快げに笑って、正に上機嫌。
どうやらこの男とは、なかなかに気が合いそうだ。

「あーもうっ、ティエンは女タラシさんだタラシさん。
…ふふっ、お隣お邪魔しまーす」

まだ頬を染めたままにプイッとそっぽを向き、照れ隠しのタラシ呼ばわり。
けれどひょっこり隣にお邪魔しては、嬉しそうにニコニコと。
カランと乾杯すれば、ゴクゴクと喉を鳴らして酒をあおり。

「ん~?
ん、まぁ、潰れるなんざ滅多にないけど~…平民地区と富裕地区の境あたりに家はあるよ。
そのまま酒場の宿借りちゃったりもするね、お手軽だし」

なんともまぁ危機感の足りない事を、あっけらかんと宣い…先ほど触っていいと言われた故に、さらさらと男の髪で遊び始める。

ティエンファ > 「特にこだわりはないなあ、魔族の知り合いは居ないが、要は見た目と能力が違うだけだろう?
 殴りかかって来なけりゃあ別に事を荒立てたいとも思わないし、酒が飲めるなら仲良くなりたいな
 俺なんてどこの生まれで誰の子供かも分からん孤児の身だ 元々、生まれや種族なんてそう問題じゃあない
 って、おいおい、随分上等な猫を被ってたんだな」

種族については、天気の話をするような当たり前の事として話す。
紅月の口調や様子が変われば目を瞬かせ、それから思わず笑った。
さっきよりも話しやすくて好きだぜ、とおかしそうに頬を緩める。

「醤油や味噌は昔食べた事があるが、結構気に入った覚えがあるな
 しかし、暫く食ってないからなあ…紅月、今度作ってくれよ 本場の味ってのを味わってみたい
 おうよ、酒が浴びるほど呑むぞ! まあ、前に龍人と呑み比べた時には負けてぶっ倒れたが」

言いながら酒を呷り、揚げ物を一口。 タラシと言われれば、褒め言葉だな、と笑った。
良く笑い良く話す青年は、隣に座った紅月の横顔を眺め、頷く。

「近くで見ると尚更に良い色だな、揺らめくように色が変わるのは目に楽しい
 へえ、境あたりか…あの辺りは家賃が高くて、前に諦めたっけなあ…稼いでるな、紅月」

冗談交じりにそう言い、髪を遊ばせる紅月のもみあげに、お返しの様にまた指を絡める。
紅月の髪とは違う、一本一本が太く、艶やかな男の髪。
猫の様に柔らかく指に甘える紅月の髪とは違い、弓の弦の様にしなやかに紅月の髪をくすぐる。
紅月の髪の感触を甘やかすように撫でてから、わざとらしく声を潜め、肩を寄せる。

「知ってるか紅月、この酒場も宿があるんだぜ 部屋は小さいけどな
 酔っぱらってもつれて行ってやれる」

紅月 > 種族を気にしないとわかれば怖いもの無し…一枚剥けばポヤポヤしてるわユルいわ笑い上戸だわ、我ながら『猫どころか化けの皮だ』なんて思いつつに。

「あっはは、いいねぇ!
この国って戦争中でしょ?だっから純粋な人間族じゃないと色々不便でさー。
ギルドならともかく、外では化けの皮くらい被れないとね~」

クスクス、と…それまでも良く笑う方ではあったろうが、今は気兼ねなく楽しそうに笑っている。

「あいな、お任せあれ!
東の調味料はバッチリ輸入ルート押さえてあるからね、言ってくれればいつでも分け…ってか、家に招いた方が早いか。
…ぷっ、なんでまたそんなザル種族なんか相手取っちゃったのよ?」

東国料理好きは同士である、存分にもてなそうではないか。
どんな料理を出そうかと、揚げ物をつつきながら既に今から楽しそうに。
…いやはや、龍人といえば鬼と普通に飲み明かす蟒蛇だぞ、よく潰れるだけで済んだものだと苦笑して。

「ふふっ、じつは治癒術師もしてて、そっちの給料が安定してるモンだから最近自分の本業があやふやに…って、そうじゃない。
アレよ、訳アリ物件が叩き売りされてたから超格安で買って…憑き物と仲良くなっただけ」

いい買い物した~、なんて笑いながらに。

憑き物だなんて普通なら何の冗談かと思われるだろうが、紅月は精霊混じりである…多少、信憑性も有ろう。

「紅の髪は魔力を貯めるから、その時々によっても微妙に変わるんだ。
……やっぱりティエンの髪も好きだなぁ…真っ直ぐで綺麗」

男の指の感触が気に入ったのか、やはり嬉しげな笑みを浮かべるばかり。
男女が互いに髪を触り合うなんて、なかなかに珍しい光景ではなかろうか…しかし、幸いな事に人の減り始めた酒場である、編に目立つ事もない様で。

「あら、じゃあ安心して酔えるねぇ。
…それとも、送り狼でも出るのかしら?」

なんて、冗談めかして言いつつ彼の顔を覗き込んで。

ティエンファ > 「最初に壁を作って様子を見て、大丈夫と分かれば…子供っぽい所があるな、紅月
 俺は元々流れの者だからな、王国の根強い差別やらなんやらはよく分からんぜ
 随分大層で分厚い化けの皮だが、被ってたら暑いだろう 夏なんだから脱いだ方が楽だぜ」

こちらも冗談交じりに返して、自分の上着の襟を開いた。
子供っぽさの残る顔だが、開襟の胸板は分厚く逞しい。
家に招くという言葉に、不用心な奴、と笑ってしまう。

「女の家で手料理なんて振舞われたら、のぼせ上っちまいそうだよ
 うん? ああ、いやほら、こう、単純な負けん気もあったんだが、その酒がまた美味くてな
 飲み口も良いし、相手の飲み口に合わせて飲んでたら気付いたらー…ってな」

いい経験だったよ、と、ぶっ倒れた割には楽しそうに話す。
治療術師と言う単語を聞けば、手広いな、と感心したように目を瞬かせた。

「才女だな紅月、っておいおい、地縛霊ー…って言うんだっけか?
 ゴーストと意思を通わせるってのは、精霊の血がなせる技かねえ…
 一回冒険地で出くわしたが、話は通じねえ、見えなくなる、拳も効かないってんで、尻尾巻いて逃げた覚えがあるぜ」

疑う様子も無く感心する青年。 きっと、そもそも紅月が無駄な嘘を言うとも思っていないのだろう。
真っ直ぐに目を見て、明るく笑う青年は、紅月が精霊であれ人間であれ、気にせず楽しむのだろう。

「髪の色で体調が分かりそうだな …うん? はは、有難う、自慢の髪だ」

酒を飲みながら互いの髪を撫でる二人。 自然と肩を寄せ合うようになる。
顔を覗き込んだ紅月の悪戯な目を見返せば、ちょっと悪戯小僧のように目を細める。
不意を打つようにそっと顔を近づければ、紅月の頬に軽い唇の感触。
顔を少し離せばにやりと笑い、指で弄んでいた髪の端に唇を軽く押しあてた。

「迂闊に近づく得物には、つい手が出ちまうかもな?
 精霊の血を引くお嬢さんは、狼の様なお誘いをする男は苦手かい?」