2018/06/02 のログ
フラヴィア > 「……って事ぐらい分かってんだよ!」

 物陰に隠れ少女を捕らえようと待ち伏せしていた一人を、視界に捕らえる。
 瞬間、脚力を軽く強化。加速するまま飛び蹴りを叩き込んだ。
 派手に踵を鳴らして着地。振り返ればその勢いでフードが外れ、少女の素顔が露わとなる。
 先頭を走っていたごろつきへと、白い歯を見せるように口の端を上げて笑った。

 そして――

「ま、こんなものか」

 数分後。叩きのめしたごろつき達を一箇所に集め、少女は朗らかな笑みを浮かべた。

「ちょうどよかったです。みなさん、お願いをしてもよろしいですか?」

 殺されるのかと怯えていたごろつき達は、少女が続けた言葉に呆けた顔を晒した。
 掘り出し物を探して、と。そして逃げても構わないが発見者にはちゃんと報酬を出す、とも。
 よく見てみればごろつきたちに重傷者はいない。痣やこぶを作ってるが、その程度だ。

「あ、見つけても無理に奪ったりしたらダメですよ? 私を案内してくれるだけでいいんです」

 そんな調子で暇と貧乏を持て余していたごろつき達を使い、少女は面白いものを見つけ出したとか何とか――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からフラヴィアさんが去りました。