2018/05/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 昼過ぎの貧民地区。ちょうど、平民地区との境のあたり。ちよむとした広場になってるそこのベンチにて。
もうお天道が空の真上に上がってる頃合いだというのに、その男ーー大男はひとつ、大きな大きなあくびをした。

「ふ、ぐ。っく、ぁ、ぁ、ぁぁ…!」

恐竜がするみたいな大欠伸。実に、眠そう。ぐでんとやや脱力して、眠たげに瞼をこすって。
ああともう一度空を見上げて、ひとつ。

「寝過ごしたァ。」

ほんとは用事もあったんだけども。
自堕落な時はどこまでも自堕落に。おっきな身体が非常にだるそうに眠そうに、時々けものみたいな大欠伸してるのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にシシィさんが現れました。
シシィ > 昼、というのは少し遅い時間帯。銀色の髪を緩く結わえた女が、小さな紙袋一つを手に広場を訪れていた。
紙袋の中身は炙った肉を、平たく焼いたパンに挟んだ簡素なものだ。それが今日のやや遅い女の昼食。
何時ものように店で食べてもいいが、散策がてらこの広場にたどり着いたのだが───

「っ、え、な、なに…?」

聞こえたうめき声というか、唸り声というか、そんなものに驚いたように立ち止まる。
きょろ、と視線を巡らせて、そう広いわけでもない広場では、その巨躯は大いに目立っていたというか───
そしてどうしよう、と戸惑うのだ。
空いたベンチは彼の向こう側、自然と彼の前を通り過ぎることになるのだが……そのいかめしい風貌に若干及び腰になりつつも、歩を寄せていった。
顔以外の風情ではなんだか大きな獣が午睡を楽しんでいるようなそんなのどかな風景とも取れるのだけれど。

イグナス > 大きな欠伸を一つして、くん、と鼻を鳴らす。
起きたばかりでまだ食事も採ってないんなら、どこか香る僅かな食事のにおいも、ぐうと欲望を煽った。
なんだか、眠気やら食欲やら、人間の欲望に素直すぎるくらいに準じて生きている男は、眠たげな眼のまま視線をさまよわせた。
僅かにかおる、においの方向に。

「……うん?」

見れば、こちらの前を通ろうとして、しかしてなんだか及び腰な女がひとり。
少し戸惑うというか困ったような、そんな風情だ。
――この手の感覚には覚えがある、己の中の意地の悪い部分がにょきにょきと生えてきて、
口元に笑みを、にやりとしたあとに、すうと息を吸い込んで

「が、おーーーーー。」

吠えてみた。彼女のほうへと向けて。
驚かす気満々、実に人の悪い行為をば。

シシィ > 出来れば、そのままうとうとしてもらえると助かるかな、とそろそろ足を勧める。
手にしている紙袋の中身は女の胃袋を満たしてくれる程度のものしか入っていない。別にとられるとかどうとかは思ってはいないのだが───

「っひぅ…ッ!?」

そろそろ通り過ぎようと決心をしたところで──

上がった声にびくりと肩が跳ねた。持っていた紙袋がその拍子に手から零れ落ちてしまったのはお互いに誤算だったのかもしれないが──

「あ、ああ…ッ」

女は反射神経に優れているわけでもないし、いうなれば硬直してしまっている状態だ。
天の助けでもなければ、零れた紙袋を掬いなおすなんて芸当は、多分無理。
諦めと共に手を伸ばしつつも、その紙袋が地面に落ちてしまう未来は容易く幻視で来ていた。

イグナス > これまた実に、実に良い反応であった。
驚く様は期待通りで、そのちょっとした――にしてはだいぶ性質の悪い悪戯心も満たされた。
が、そのうえで落ちてしまう紙袋については計算外、おお、と軽く目をむいて、腕を伸ばす。
この体躯にして、反射神経と素早さはなかなかのもので。
――ぱしり、ベンチから立ち上がりつつ、紙袋の中身がぶちまけられる前にキャッチした。

「……危ねえ。」

はあ、と何とか一息。拾い上げれたならば問題なかろうと笑みを引きなおしつつ、彼女のほうにその紙袋を差し出した。

「悪い、わるい。――だけど別に、取って食いやしねェよ。
 肉は好きだけどな、家畜とかのほうだ。」

軽口ひとつ。立ち上がった姿はやっぱり、おおきい。
ぬうと日差しを遮って、なんだか熊か何かが立ち上がったみたいだった。
言葉はフレンドリーにしたつもりだけど、さっき驚かした手前もある。
紙袋を差し向けつつ、さて、反応はどうだろうかと窺い。

シシィ > 昼ごはんが──!という内心の悲鳴。
紙袋を手放してしまったのは己の失態でしかないからそれ以上何を思うこともなかったのだが、まさかそれを受け止めてもらえるとは思わなかった。

ぐしゃ、と響くはずだった無残な音は響かずに、柔らかく受け止めた掌に、双眸を瞬かせた。

低い声音、だけれどその声色に威嚇するような色合いはなく。
掬い上げられた紙袋が差し出される。

「え、と────あ、ありがとうございます」

そもそもの原因であった気もするが、けれど救ってくれたのも事実だ。
彼が立ち上がるとやはり大きい。純粋な人間というよりは、何か異族の血でも入っているのかもしれない。陽は高いというのに、日陰の中に入ってしまったことに驚きを得つつも、礼の言葉を告げた。

差し出された紙袋を素直に受け取って、緩い笑みを唇に佩く。

「私も家畜のお肉は好きですよ、このサンドイッチのお肉は羊だそうですが。」

イグナス > 少なくとも、声をかけたのにまた驚かれて逃げ出される――っていう一番よくないパターンは回避できたらしい。
内心で胸を撫で下ろしつつ、礼の言葉には、おう、と笑った。

「いやあ、驚かしといてなンだけどな、あそこまで驚くと思わなかった。」

わるい、わるい、ともう一度、たいして悪いとも思ってなさそうな口ぶりではあったが、謝罪を一つ。
存外、こちらをそれ以上恐れるでもなく会話を続けてくれる、緩い笑みも見えるならばこちらも機嫌よく笑みを。
ほうー。と首を傾けて。

「羊か、羊は美味いよなあ。牛もいいし、猪も好きだけども。
 ……これ、昼飯か。――地面でつぶれなくてよかった。」

もう一度ちょっと、安心したように。
安心すれば思い出すのは空腹。その肉の香りも思い出して、ぐう、とひと鳴り。
ちょっと間抜けな様に、かか、と照れかくすように笑って。

シシィ > どこかほっとしたような相手の笑みに、そう悪い人ではないのかな、と暢気に思考を巡らせる。
謝罪の言葉には少し乾いた笑い声を上げてしまう。
顔が怖かっただなんて言えるわけもない。

「いいえ、こちらも驚きすぎてしまったので…。良くお休みの様でしたし」

のそ、と首をかしげる様子もまた何処か大型の動物めいてほほえましくも感じ。

「羊の肉に甘辛いたれが───…あら」

贔屓のパン屋のものだったからつい饒舌に語ろうとしたのだけれど、不意に聞こえた響きに目を瞠る。陽射しは中天を少し過ぎたところだ、己の様にまだ食べてないものもいるのだろう。どこか照れたような笑みに小さな提案を一つ思い立った。

「良ければご一緒しますか?一人の食事は味気ないものですし──」

人見知りする方ではない。商人が人見知りしていたらやっていけないというのもあるし、そして味気ない、というのも本音だ。
とはいえ紙袋の中身は女の胃袋を満たすだけの分量しか入ってはいない、だから途中何処かで追加を買い求める必要があるだろうがそれもまた楽しい出来事だ。
少しくらいは御馳走できますよ、なんて太っ腹な言葉も添えた。

イグナス > 顔の怖い男はしかして、彼女の真意には気付かぬままに。
驚かせたことへの改めた謝罪をば、――寝坊してなあ、なんて軽口返しつつ。

会話の間に挟むように鳴る腹音。
他者が鳴らす分には揶揄の対象にもなるが、いざ己が鳴らすとなるとなんとなく気恥ずかしい。
誤魔化すように笑っていれば出てくる提案に、いいのか、と一言起きつつ。

「ん、あ。―――なんだ、なんか悪いようだが。
 ……だけどそうだな、おれも一人の飯はなんとなく、味気ねえなあって思ってことだ、し?
 お前さんが良いってンなら。」

遠慮なくご一緒させてもらうとしよう。
男の食事量を知らぬが故の言葉には、でもその心意気が嬉しい。
食事を一緒にと決まったなれば、善は急げだ。
よし、と視線を行き先に一度向けて、もう一度戻した。そう、一緒にご飯を食べるんだから。

「名前くらいは名乗っとかねえとだ。…おれはイグナス、冒険者なりをしてる。」

シシィ > 空腹の音、聞く分には特に気にならないものだが───
気恥ずかしそうな様子は妙に可愛らしさもある。
己の提案に意外そうに、けれども歓びの混じった声音に趣向を一つ返し。

「ええ、私も同じです。ひとりの食事よりは二人の食事のほうが楽しいものじゃないですか?」

言葉を返しつつ、行き先は決まっているのか視線が動いた、がそれがふと思い出したように再び己に向けられる。
軽く首をかしげてその眼差しの意味を問えば

告げられた言葉。ああ、と口の中で声を転がし。

「そういえば、そうですね。私はシシィ、旅の商人です」

冒険者、という言葉にいつかお仕事を頼むことがあるかもしれませんね、と言葉をつづけ。

「ああそうだ、良い食事の場所があるなら教えてもらっても良いですか?色々開拓中なので」

そう言葉を向けつつ、一歩歩み寄る。小脇に紙袋を抱えて紡ぐ言葉は無邪気なものだ。商売の外の出来事かもしれないが。

イグナス > 「おうおう、ちっとまずい飯でも美味くなるってもんだからな。」

二人でのご飯は、それだけの力があるのだって、こと。
そうして向かう前に、名前くらいはって提案は了解されたらしい。
耳に届く名前を頭の中と唇で繰り返しtえ。

「シシィ、だな。…へえ、商人なのか。」

であれば、己に対する驚きが、最終的には少ないのも理解できる話だ。
なるほど、と頷いて。お互いに名乗りあったならば、ひとまず足を踏み出そう。
何も考えていなかったけれど、彼女から請う言葉に気軽に、おう、と返して。

「もちろん。……こっからならそうさなあ、ちと歩くが。いいだろう?」

了解も聞かずに、歩き出す。向かうのは平民地区の食事処。
それなりに人気の店だけれども、きっとこの時間ならば問題もなくはいれるだろう――

シシィ > 「不味いっていっちゃうんですか?そこで」

は、と呼気を吐き出す様に笑い声を立てる。
強面だが、きちんと表情はあるし、言葉や声音に威圧感はない。だからか素直にこちらも応対できる。
嫌味のない笑みを浮かべたまま頷いて、歩き出すその歩を追いかけた。

何よりその巨躯だ、自然と長いリーチに少しだけ己は歩数を重ねることになる。

「ええもちろん。道中も退屈しなさそうですし、何より美味しいのでしょう?」

屈託のない声音で応じる。向かうのは、その足取りからして平民区側か。
丁度貧民区との境目にあるここからならば確かに少し歩くことになるが、さほどでもない、と目算を付ける。
昼はいささか過ぎて、客もはけた頃合いならば、己と相手が席につくことをそう待たされることもない。

料理の材料が尽きていないかだけは気になるところではあるが。

「そこのおすすめ料理は何か伺っても?」

イグナス > 「なに、今日の昼飯はどっちにしたって美味い――、
 ってことはああ、そうか。ふたりなら余計美味い。」

何ともポジティブな思考回路に、自分自身でなんとなく笑えてしまう。
くくく、と軽く喉を鳴らして、歩き始めた。
少しばかり歩くことも了解してもらえるならば、迷いなく進んで。
問いかけには、さて、と少しばかり逡巡するように顎に親指を置いて。

「んー、あー………にく?肉料理。
 ……あいや、おれは肉ばっか喰うからなあ。」

はて、そういえば肉料理以外の味のほうはあんまり覚えがない、というか食べた記憶が曖昧だ。
とことんまで動物的な思考と欲の持ち主で、であればきっとお店も、あるいは女の子と一緒に行くようなおしゃれな店ではないんだろう、間違いない。

シシィ > 酷く上機嫌な言葉だ。だがまあ己もまた機嫌が良い。
それならばまあいいのではないか、とも思うのだ。初対面の、それもどこのものとも知れない相手と席を共にするのは警戒心が足りないとそしられるのかもしれないが。

あの笑みは嘘ではない気がした、というそれだけの根拠だ。

迷いのない足取りを追いかけるように進む。
くるくると変わる街角の景色は、王都にはそれほどまだ慣れていない己には物珍しくもある。時折其方に目がとられても、男を見失うことはなかった。

「お肉、ですかー、成程」

少しは近づいてきたのだろうか、香辛料と、油の焼ける良い匂いもまた漂ってくる。
胡乱な言葉に頷いて、勝手に想像を巡らせる。
自身も肉は好きだし、良く選ぶ。
野営ではそれしかないこと…否食べることすらままならないことだってあるのだから。

彼の風体で、可愛らしい砂糖菓子の店を紹介されたら、それはそれで見てみたい気もするが、相手の言葉にそんな意外性の道はなくなったことだけは確かだった──。

イグナス > 歩む歩幅も目的地もブレはなく、彼女が視線をどこかにとられたからって緩む様子はない。
しっかりと付いて来いとばかりに進みながら、ちょっとずつ香りが鼻腔に届く。
少し冷めてしまった炙り肉よりも、こっちのほうがよっぽどに強烈だ。
ぐう、と鳴りそうになるお腹を押さえながら。

「ま、いつだってそれなりに人がいンだから、肉だけってことはないだろ。
 さあ、そろそろ着くぞう――。」

言葉が早いかもう、店は目の前だ。
どうやら場所は酒場らしい、夜は酒場で、昼はランチの提供をしている――そういうお店のよう。
やっぱり見た目とか雰囲気とか、この男の寄りそうな感じの野暮ったいお店ではあったが。
さて、美味しいといった男の舌はどんなものか。
もう少ししたらば、彼女も知ることになるだろう――。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からイグナスさんが去りました。
シシィ > 雑踏を抜け、いくつかの通りを横断してゆくごとに、人や、ものの雰囲気が変わってゆく。

どちらかというと繁華街に近いような雰囲気だ。
胃袋を刺激する良い匂いに、口の中に唾液がたまる。
美味しそうな匂いは時として凶器にもなるのだと実感しつつ。

「ああ、此処は、ええ───」

酒場だ。夜であればもっと賑わいも増すのだろう雰囲気を感じた。
今は少し大人しい感じがする。それでも漂ってくる香りに自分までお腹の虫が騒いでしまいそうだった。

二人でともに席につけば、運ばれてきた料理に舌鼓を打つのはそう遠くない出来事だった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からシシィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にレイラさんが現れました。
レイラ > 左腕に小さなバスケットを下げて買い物から帰ってきた帰りだったが、どこからどう間違ったのかうっかりと貧民地区に来てしまった。

「あら?いやですわね違うところに迷い込んでしまいましたわね。」

のんびりとした口調なのだが、内心はものすごく焦っていて早く帰ろうと徐々に足が速くなっていって

レイラ > ものすごく焦りながら、貧民地区の通りを足早に歩いて行って。

「早く帰らないといけないですわ。本当にもう、」

迷ってしまった自分に怒りを向けつつ、平民地区の自分の店へと戻って行って

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からレイラさんが去りました。