2018/05/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にジャックさんが現れました。
■ジャック >
(夜の路地裏。
紙袋を手に歩く。
ここ数日自室に籠ってあれこれやっていたら強烈に腹が減った。
そういえばこのところ何も食べていなかったことを思い出し、買い出しへ出たところだ。
腹の虫など無視して続けても良かったのだが、空腹時は作業効率が落ちるのだ。
近所の店でホットドッグを紙袋一杯に作らせ、それを持って帰る。
ざふ、ばり、ぼり、ごくん。
ざふ、ばり、ぼり、ごくん。
齧り、二度ほど咀嚼し、飲み込む。
一定のペースで同じようにホットドッグを腹に収めながら、歩く。
歩くたびに棺桶に巻かれた鎖がちゃりちゃりと鳴る。)
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にアデリータさんが現れました。
■アデリータ > 夜の路地裏。
いつもは静かなそこに、声が響く。
「ひひひ、ちょいとそこいくアンタ。
随分と景気が良さそうじゃないか……どうだい、暇つぶしに薬でも買っていかないかい?」
その声は、ジャックの後ろのやや上方。
振り向けば箒に腰掛けた少女が、ニヤニヤしながら浮かんでいた。
「随分と賑やかなモノを引きずってるじゃないか。
ひひひ」
■ジャック >
(ざふ、ばり、ぼり、ちら。
声を掛けられ横を向く。
空飛ぶ箒にまたがった少女がいた。)
――なんの薬だ。
(飲み込み、尋ねる。
今のところ足りていない薬はない。
ないが、魔女の薬は置いていないので、何か有用なものがあれば買っていってもいい。)
仕事道具だ。
これが無いと人の命を救えない。
(ドスン、と重そうな音と共に地面へ下す。
右手で支えながら地面に立たせた状態だ。)
■アデリータ > 「なんでもあるよ とは言いたいけれどねぇ。
あるものしかないねぇ……ひひひ。
不死身の魔女アデリータ様の薬さ、怪我の治療から呪いの補助までなんでもござれだ」
ひょい と箒から降りて箒の先に引っ掛けていたバスケットの蓋を開ける。
中には大小の小瓶や用途不明の草までが色々と並んでいる。
「なんだい、葬儀屋かと思ったら医者だったのかい。
それにしちゃ縁起を担いだりしないモンだねぇ……ひひっ。
面白くて結構さ」
■ジャック >
怪我の治療など薬に頼らずとも私が居ればそれで足りる。
(バスケットの中を覗き込む。
うむ、さっぱりわからん。
そもそも魔術など専門外だ、ましてや個人の作成した薬など。)
葬儀屋では命を救えないからな。
縁起など私には必要ないよ。
(ゲンを担ぐか否かで運命が決まるなど馬鹿らしい。
そう言うように面白くなさそうな顔をして見せて。)
■アデリータ > 「こいつは大した名医様だねぇ……ひひひ。
アタシャ医者になんてここ50年はかかってないから、わからないけれどねぇ」
どれがいいかねぇ なんて口にして小瓶を適当に引っ張り出す。
「命を救うなら、こいつだね。
患部に塗りつけると、少しの間だけ血を自在に操れるってぇもんだ。
名医様なら60秒もありゃあ、十分だろう?
あくまで病気にゃ効かないが斬ったり縫ったりにゃ使えるだろうさ。
ひひひ。」
他には何があったかねぇ と再びがさごそと探し出す。
「縁起は重要さ。
それで上手くいったのなら、そこに上手くいった理由が隠れてるかもしれないよ?
ひひひ……まぁ、ほとんどが関係ないもんだけれどねぇ」
■ジャック >
血を、な。
よほどのことでない限り、治療に六十秒も掛かるなどそうないが……。
まぁいい、試しに買ってみるとしよう。
いくらだ。
(血など操らずともどうにでもなるし、六十秒と言う時間もむしろ長すぎる。
それでも試しに使ってみて便利であれば常備しておいても損はあるまい。
財布を取り出し、値段を尋ねる。)
馬鹿馬鹿しい。
手順が正しければ上手く行く。
上手くいかなかったのであればそれは正しい手順を取らなかった時だ。
縁起に頼っていてはそこを見落とす。
神に祈ればただの水がこの薬になるか?
■アデリータ > 「ひひひっ
斬って焼いて終わるだけの藪じゃあないみたいだねぇ。
お代はそうさねぇ……今日の売れ残りだし20ゴルドにしようかね」
値段は完全に気分で決めている。
何せこの商売は道楽なのだ。 暇つぶしと酒代を得る為だけの道楽。
だからといって手抜きをしているわけでもないが。
「ただしい手順で祈れば、ただの水も癒しの聖水になるのが世の中ってもんだよ坊や。
色々試して、上手くいったものを模倣して原因を探して探して体系化するのが技術ってやつさ。
ひひひ……アタシができるのは魔女の薬と呪いの類だけれどねぇ」
そして、なにやら目的の瓶も見つけたらしい。
「オマケさ、これもつけとくよ。
月夜草を煎じて、月と星と風に力をもらった薬草さ。
お茶に混ぜれば何をやっても一晩は絶対に目が覚めないって代物さ。
ちょっと作りすぎちまってねぇ……ひひっ」