2018/05/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にフラニエータさんが現れました。
■フラニエータ > 貧民地区のとある小さな酒場で、黒ビールを飲みながらレーズンを摘む女。
他に客もおらず、静かな店内。店主も女の素性を知っているのか無視を決め込んでいた。
カウンターに肘を乗せ、その先の掌で頬杖をつく。そして退屈そうにレーズンを口に入れ、咀嚼。
いつもの女の行動であるが、そこには色気も何も無い。
他の客が居ないのだから、そんなものを振り撒くだけ無駄なのだ。
「ふぁ…今日も空振り…そろそろ大きな仕事、しないと、ね…何か良い話はある?」
小さな欠伸の後に開く口は下卑た弧を描いていた。
それを一目した店主は、関わりたく無いと言わんばかりに女を無視しながらグラスを磨く。
――グラスを磨く音だけが響いている、なんともはや雰囲気の悪い酒場である。
■フラニエータ > 「あら、無視?…ねぇ…退屈なのよ…構いなさいな…」
どうやら女の標的は店主に向かった様子だ。甘えた様な声を店主に投げかけつつ、上目遣いで店主を見る女。
しかし店主はじっとりと温い臙脂色の視線を向けるだけ。
既に磨かれて光りに光ったグラスを再度磨き始める始末だった。
その後も何度か応酬される女と店主の攻防。しかし軍配は店主に上がりまくっている。
「――フン…つれないわね…」
ようやく諦めたのか、女は少々頬を膨らませて視線を店主から店の入り口へと移す。
閉まった扉、それに付いているドアベルはたった一つの音も鳴らさない。
■フラニエータ > 店主が無言でカウンターから離れた。どうやら閉店時間の様子らしく、顎で女に出て行け、と促した。
女は大きな息を吐くと無造作にカウンターの上へ代金を置く。
「まだ夜は長いのに…。閉めるの、早いわよ?」
言葉の後に大きな息を吐き、不満気な表情を露にする。
他の客が居れば、もっと違う顔、言葉を店主に向けているだろうが…そんなものを振り撒くだけ無駄なのだ。
女は店主が開けた扉を抜けると、深夜の貧民区へ戻っていった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からフラニエータさんが去りました。