2018/05/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場『オ・ルヴォワール』」にエンジェルさんが現れました。
エンジェル > いつものように喧騒に包まれる夜半の貧民地区の飲み通り。
店の前ではいつものように大男が殴り合いの真っ最中。
それを囃し立てる野次馬の間を縫うように金色が抜けていく。

「うーっす。」

贔屓にしている店のドアをくぐり、中へと入ればいつものように怒声と罵声が飛び交い、まともな会話なんて聞こえてこない。
どう見ても場違いな店の中、両手をポケットに突っ込み猫背でテーブルと人の間をすり抜けていく。
「よう、天使ちゃん。」「良い草入ったぜ。」「相変わらずかわいいねぇ。」「あれ上手くいったぜ、ありがとよ。」
顔見知りの強面達に次々に声を掛けられるが軽く手を上げるだけでスルー。
そして、カウンターのいつもの席、そこに男が据わってマスターと話をしているのを見上げ、無言のままおもむろにその尻を蹴り上げる。
男はいきなりなんだと凄みながら振り返るも、そこにいたのが通称『天使ちゃん』だとわかると笑顔を浮かべ、「おう、わりぃな。」と席を譲ってくれる。

「とりあえずいつものな。」

年端もいかない見た目ながらも、完全に場に溶け込んだ少女は椅子に座るとダルそうに背もたれに身体を預け、天井を見上げながら注文する。
席を譲ってくれた男に「最近よく来るねぇ。」などと話しかけられると出されたジョッキを一気に呷り、

「今昼間なんだよ、レンタル中でな。」

ぷはぁと酒臭い息を吐き出し、ジョッキをカウンターへと叩きつけながら答える。

「しっかしよー、くそたっけー娼婦呼んどいてちんこ突っ込まねーってどういうことよ。
 金持ちの考えるこたまじわっかんねー。」

すぐに差し出されるおかわりのジョッキを受け取り、仰け反りながら愚痴を叫ぶ。

エンジェル > ――そして、喧騒の中、夜は老けていく。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場『オ・ルヴォワール』」からエンジェルさんが去りました。