2018/05/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にリタさんが現れました。
リタ > ここは貧民区に存在するバー、名前はマスカレード。カウンター席は6、テーブル席は1という、大層こぢんまりとした店だ。
料理の味はそこそこ、酒の質もそこそこ、お勧めはシェパーズパイ、ザワークラウトと一般大衆向け。

お店の方も一段落。店員は空いた時間で店前の掃除をしていた。
裏の井戸で汲んだ水、それが入ったバケツを両手にぶら下げて店の前へ。
盛大に水を巻くとデッキブラシで路面の石畳をゴシゴシと掃除。

「店の中じゃなくて良かったぁ…」

お客様が店の前に置いて行った置き土産の掃除である。
こういう商売をしているのなら当たり前のこのお仕事。慣れたもので鼻歌交じりでゴシゴシする店員だった。

リタ > 滲む汗を手の甲で拭きながらゴシゴシを続ける店員。
大分綺麗になった路面を見て、ちょっと得意げに胸を張ってみる。
と――その時、微かな笛の様な音が店員の耳へと滑り込む。しかし辺りを歩く人々はそれに気がついていない様子だった。

「うわ、最低、めんどくさ…。残った料理どうしてくれるのよ全く…。」

店員はバケツとデッキブラシを片付けると、店の扉にぶら下がっている営業中を伝える看板をくるりと裏返す。
まだ人通りが途切れていないのに、早々と閉められる酒場。

店員は扉に鍵をかけ、明かりを消して、店の奥へと入って行った。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からリタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にフラニエータさんが現れました。
フラニエータ > 小さな酒場のカウンター席、その一番奥に女は居た。
場末と言うに相応しいその酒場は、狭く、暗く、煩く、そして薄汚い。
女はワインを揺らしながら、奥のテーブル席に陣取っている男達やカウンター席に座っている男女の話に耳を傾けていた。
しかしその会話は女の望んでいるものでは無く、極々一般的なもの。
この前の女がどうとか、次は何所に行きたいとか…

「…態々こんな汚い所に出向いたのに…つまらないわ…」

店主が聞いていたら追い出されそうな事を呟く女。なんともはや、自分本位である。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にヴィルヘルミーナさんが現れました。
ヴィルヘルミーナ > 「なら、どんなことが起きれば面白いんだ?」

黒髪の女の隣では、ブロンドヘアの蛮族が酒を飲んでいた。
退屈な仕事で大量の報酬とわずかな鬱憤を溜めこんだ蛮族は憂さはらしに酒を煽りに来ていた。

安酒を仰いでいると、女の独り言が聞こえる。
面白いことが好きな蛮族は女にだけ届く声で静かに尋ねた。

フラニエータ > おっと、独り言が隣に座っていた女性にも聞かれていたようだ。
女は慌てて淑女の笑み、またの名を作り笑顔と言う顔を彼女に向ける。

「…そうね、奥の男達から貴女が粉をかけられたり…あそこの男女が喧嘩を始めたり…そんな所かしら?」

彼女の声と同等の小さな言葉を彼女に伝えながら、その風貌をじっとりと観察する。
見た目と口調は粗暴、しかし体つきは華奢で、少々アンバランス。年の頃は…同じか下そんな感じだろうか。
女は淑女らしからぬ言葉と思考のままもう一度淑女の笑みを向け、ワインを口にした。

ヴィルヘルミーナ > 「う~む。」

安酒をもう一度煽ってから、酒臭い息を吐く。

「どちらも起きんだろう。 それよりはあんたの方が声をかけられる方が可能性はあるんじゃないか?」

小汚い酒場だが、今日の客は落ち着いていた。
男女は仲がよいようだし、男たちは自分たちだけの話で盛り上がっている。
多少煩いが、ご愛嬌のレベルだ。

「それよりはあっちを見てみろ。 あの男、さっきからチラチラとあんたを見ているぞ。」

若い男性が一人で酒を飲んでいた。
さりげなくを装っているが視線は時々女の方へと向けられている。
どう見ても気があるようだ。