2018/04/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にカイサーさんが現れました。
■カイサー > 店内に場違いな女聖騎士が入ってくる。
先客の男達は、舌打ちする者や値踏みするように見る者、ニヤニヤと馬鹿にした目で見る者など様々な反応。場所柄疎ましがられるのは仕方ないことだろう。
そんな男達の視線を受け流し、カツカツと靴音を鳴らしカウンターへと向かう。席に腰をかけるが、このような場にあまり慣れていないのかどことなく落ち着かない様子で。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にエズラさんが現れました。
■エズラ > 「いや、本当だぜ――たまたま仲間に透過付与の呪文を知っているヤツがいたから助かったがよ――なにせ敵の数は100人以上――」
扉に背を向け、テーブルについている飲み仲間に自身の九死に一生を得た体験を語っていると――
先ほどまで自分に向いていた視線が、一斉にカウンターの方へと移動する。
不審に思い、釣られて自分もそちらを見れば――
「……おお、こりゃあ……――」
明らかに、このような店には相応しくない出で立ちに振る舞い。
掃き溜めに鶴とはまさにこのこと――そんなことを考えながら、ムフフ、と意味深に笑みを浮かべつつ席を立ち。
「よう、女騎士さん――オレのこと、憶えているかい」
確か、以前も同じような場末の酒場で遭遇した――そして今回も。
ひょっとして、下々の者どもの生活について、見聞を深めようとしているのだろうか――
■カイサー > 声をかけてきた男に目を向け、冷たいともいえる凛とした眼差しが瞠目し、目もとが一瞬にしてピンクに染まってしまって。目の前の男は忘れたくても忘れられないことを散々してくれたのだ。
内心の動揺を悟られまいと、咄嗟にツンとそっぽを向き
「〜〜っ し、知らんっ 貴様のことなどとうの昔に忘れたっ」
そい言うと可愛げなくツンツンしたままマスターに酒を注文。
何時ぞやかのような酒の失敗を避けるために、甘くてアルコールは然程強くないカクテルにして。
■エズラ > 「アッハハ、そうかい、そいつぁ残念――オレの方は、ずぅっと忘れられないってのによぅ――」
白い肌に朱が差す様が、何とも可愛らしい――
そっぽを向きながらこちらのことなど憶えていないと嘯いているが、その態度がそのまま、真逆の意味を示していた。
そして――どうやらしっかりと酒については学んでいるらしく、その注文内容にも変化が。
「おっ、待ってくれよ――再会を祝して、その一杯は奢らせてくれ――」
こちらも適当な酒をマスターに注文し、程なく、カクテルと蒸留酒――以前、彼女が一気にあおってえらいことになった酒――が呈される。
「さぁほら、乾杯しようぜ――」
自身のグラスを軽く掲げて、僅かばかり喉を湿らせる――
「……ぷはぁー……しかし、なんでワザワザこういう場所に来るんだ――?オレみたいのがウヨウヨしているってのによぅ」
■カイサー > 豪快に笑う男を睨みつけるが目元を染めたままでは迫力もなにもない。
「相変わらず調子の良い男だ。そうやって幾人もの女に手を出しているのだろう」
返す言葉が既にエズラを憶えていることを証明してしまっているが、既に後の祭り。何故だかこの男にはペースを崩されてしまうのだ。
奢ると言う男に、いらん、必要ないと断るがあれよあれよと男の流れになり奢られる流れに。男の手には酷く痛い目にあったあの蒸留酒。ジワジワと羞恥が込み上げてきてクイッとカクテルをあおる。度数は低くてももとより下戸な女にしてみればあまり変わりはないのだが。
悪びれない男の様子に小さく息を吐き
「男の生態を知るにはうってつけの場所だ、有益な情報をつかむ事もある。
確かに客層は誰かの様にどうしようもない輩が多いが、私みたいな女に声をかけてくる物好きは君くらいだ」
■エズラ > 「そんなことはねぇさ――こう見えて一途な男なんだぜ、オレは――」
また少し、酒を口に含んでから悪びれずにそう言う。
男の言葉を聞いたマスターが思わず苦笑してしまうくらいには、そのもの言いに説得力はなかった。
「なるほど、男の生態ね――そりゃ確かにうってつけだな――」
物好き――ある意味では、そうかもしれない。
声をかけるのも憚られる――彼女の姿は、そう評するに相応しい。
今も遠巻きにその姿をじろじろと眺める者や、仲間内で何ごとか小声で話し合う者達もいるが――
彼女に近づこうとする者はいなかった。
「……しかしよ、男の生態を知ろうっつーなら、もっとうってつけの場所を知ってるぜ――」
そろり、と彼女の耳元へ唇を近づけ、囁く。
案内してやろうか――と。
■カイサー > マスターの苦笑が答えだろう、やはりな、と何故だかムスッとした表情を浮かべてしまう。
「あぁ、おかげである意味仕事はやりやすく…何?」
耳元で囁かれる言葉に馬鹿素直に目を向けてしまい、それから少しの間。
「…妙な場所に連れて行ったら、腕の一本はへし折るぞ?」
今夜は然程酒も回っていないのだから、前みたいなことにはならないだろうと判断。
「興味深い、連れて行け」
■エズラ > 「おお、怖いこというなぁまったく……安心しろって、さ、そうと決まれば善は急げだ――」
くいっ、とグラスの中の酒を一気に乾かすと、カウンターに二人分の勘定を置く。
立ち上がり、店の入り口まで歩むと、扉を開けてどうぞお先に、と促して。
「ご案内しますよ、騎士様――」
演技がかった台詞と態度で恭しく頭を下げ、彼女を先導していくのであった――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からエズラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からカイサーさんが去りました。