2018/04/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 墓地」にシスター・マルレーンさんが現れました。
シスター・マルレーン > 冒険者の仕事について、回復に充てるために明日に延期をします、と申し出たのは2時間も前であろうか。
そうですか、冒険者のお仕事は本日は無いのですか。と微笑みながら鍬を渡されたのは、1時間も前であろうか。

共同墓地が手狭になったために拡張をお願いしたい、と、まるでそれが当然のようなお願いに閉口をする。
いや、やりますけど。やりますよ。ええ、やってやりますよ。

「よーいっしょ、ぉっ…!」

ざっく、ざっく。空地をまるで農地にでもするかのように地面を掘り起こしては、ぽたぽたと汗を垂らす。

シスター・マルレーン > この地区で非戦闘員が作業をすること自体、割と忌避される事象。
揉め事を回避するためには、大勢でやってくるか、護衛を頼むか。
どちらにしろ、人的資源か、金銭か、大きな負担となるのはわかるのだ。
一人でどちらもこなせる彼女の前にお鉢が回ってくるどころか、積みあがるのも当然なわけで。

「ふー……、ふー…っ」
修道服の女は、んー、っと腰を伸ばしながら髪をかき上げる。
金色の髪は少し汗をかいたせいか、ぺたりと張り付いて。
フードは今日も取ってしまった。金髪は目立つから取るなと言われているが、だって暑いのだもの。

シスター・マルレーン > 身寄りのない人が入る共同墓地である。
注文は単純。大きく広い穴を掘っておいてくれ、というもの。
片端から遺体を入れ土をかぶせていく、原始的な共同墓地。

そのままにはしていけない使命感で、土を掘り起こし、それを積み上げ。
空地を墓地に変えていく。

「………あー………っつ、かれました。」

ぷはぁー、っとそのままばたりと土の上に倒れて、ぜーはーと汗だくで吐息をつくシスター。
空地をしっかり掘り返して、きっちり大きな墓地予定地を作り上げる。

シスター・マルレーン > 「……腕、上がんないですね……。」

あはは、と笑いながら腕を持ち上げるも、自分の腕じゃないようだ。
農作業に従事したこともあるし、冒険にしろ何にしろ、腕の力もスタミナもある方なのだが、すっかり疲れてしまった。
全身が鉛のよう、とはよく言ったものだ。

土塗れになってしまった上体を起こして、ふー、っと吐息。
髪の毛についた土をぱんぱん、と軽く払い落として。

シスター・マルレーン > 「……さて、もうそろそろ行きますか。」

よっこいしょー、と立ち上がれば、よろよろと少しだけよろめく。
あー、これは帰ったら水浴びをしてそのままバッタリ就寝のパターンですねこれ………

ふわぁ、と欠伸をしながらとぼとぼ帰り道。鍬を引きずる土塗れの修道女。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 墓地」からシスター・マルレーンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にネコアシさんが現れました。
ネコアシ > 貧民地区、ある意味自然地帯と比べ物にならない程危険な場所……かもしれない。

狡猾なモンスターと悪意と妬みの塊である人間、どちらが怖いかと言えばどちらも怖く、どちらが危険かといえば人間の方が危険かもしれない、と思う。

何時も大通り、貧民地区ならではの喧騒に包まれている通りを今宵は薬草を売り払ったお陰で少しだけ温かな懐を守りながら、ご馳走を捜し歩く。

何も知らぬ迷い込んでしまっただけの者、何度か行き来している油断か襲ってくださいと言わんばかりの者、後は明らかに貧民地区より浮いて見える者を探しさ迷い歩き、温かな懐を更に温めてもらおう。

「しっかし、これ如何するかなー?しまう所なんて無いし、使っちまうには心許ないし……。」

両肩を竦めて自嘲気味な笑みを口元に浮べられるほど、少しだけ心に余裕はある。
何時もなら濁って澱んで病み掛けの瞳も輝きがほんの僅か宿るくらいなのだが、これもきっと見られたら弱者として貶められ曇る事は間違いなく、両手でぎゅと被っているフードを押さえて、顔を確りと周囲から隔絶しながら、自慢のネコアシで足音もなく、風も揺らさず、獲物を求めて夜の貧民地区の歓楽街を歩き彷徨う……。

ネコアシ > そう簡単に獲物など見つかるモノではないと理解していたけども、結局今宵も空振りのようで、温まった懐は熱くなる事もなくて、仕方ないなけなしの小遣いでパンでも買って帰ろうと、足は貧民地区でも安くて有名なパン屋の方に向けて歩いていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からネコアシさんが去りました。