2018/02/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアインドアさんが現れました。
■アインドア > 「この冬風。なんと老骨に堪える寒さだろう。」
独白めいた呟きが其の風に溶けて流されて行った。成る程吐く息は白く、両手を覆う薄手袋では何とも頼りない。
とはいえ――独り言ちた其の言葉は嘘っぱち。魔族であるが故、人間界の寒さ如きこれっぽっちも。
齢を喰ったといえ業火から凍土まで耐え得る肉体である。それにしたって長年、色々な人間を見てきた物だから、冷たい風に煽られてみれば彼等の真似の一つもしてみたくなる所存。
「さて。斯様な日に閑人の相手となってくれる者が居れば良いのだが。」
期待半分、諦めは残り半分。なに、よしんば見つからなかったとして家路は直ぐなのだ。もう少々ぶらついて罰は当たるまい。気にの杖を石畳に鳴らしつつ、脚はなんとなし赴く侭へ。
■アインドア > 「して見るに人の世は変わらないね。」
と謂う感想を抱くのも変わらない。
路傍の貧民を見るに、大通りを往く富民を見るに。かねてより人間社会の仕組みについては色々と思索を巡らせては居たのだが――複雑に見えて、あらゆる事象は縮図にて推し量れる物と悟った。
とはいえそれで興味が失せるかと言うと其様な事も無く。
自らの手足で触れて回る。この日ももう暫く……
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からアインドアさんが去りました。