2017/12/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にイグナスさんが現れました。
■イグナス > 冒険者、依頼がなけりゃただのニート、とは誰の詠んだ歌であったか。
今日はどうも平和だったのか、あるいは同業者がいっぱいいたのか。
ギルドのほうに仕事はなかったし、ダンジョンに潜るにしたって準備をしてからは遅すぎる。
何より寒い。――そういうわけで今日は、あるいは今日もお休み。
そんな巨躯の男は暇そうに、お昼過ぎたこの時刻、実に暇そうにぷらぷらと貧民地区を歩いていた。
お世辞にもガラの良いと言えない空気はしかし、案外肌に合うらしい。
「ん、んー………。おー、なんだ、安いなあコレ。」
貧民街なりとして立ち並ぶ露天、雑貨屋の前で屈みこんで、ほうと喉を鳴らす。
雑貨屋兼魔道具商といったところか。場所が場所ゆえに胡散臭いが、その分安い。
立ち止まってホウホウと物色する。
「なあこれ、もう少し安くなんない?こっちもつけて。」
ついでに無茶に要求もしてみる。どっちかといえば会話を楽しむ心算だ。
尤も、店主の方は一回り以上でかくてやたら目立つ、しかも冒険者風の巨漢が持ってくる要求なんて、至極面倒そうにしていたが。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にフェゴールさんが現れました。
■フェゴール > (巨漢の脇に一人の小柄な影が入っていく。雑貨屋の商品を直立のまま眺めて手に取ったのは。珈琲プレス。両手で持ってしげしげと眺める)
『ペーパードリップが最適解だとは思うが、ふむ……。
試してみる価値はあるやもしれん。』
(メッキかもしれないが金色に縁どられたガラス製の珈琲プレスは見栄えも気品があってよい。何より手軽だ。)
『豆の味を引き出すというが、その分雑味も出やすい。』
(頭の中で自身のダンジョンのデータにアクセスし。知識を救い上げる。購入するかどうか迷っているようでブツクサと小声でつぶやいているのだった)
■イグナス > 店主とやり取りをしていたならば、傍らに影。
ヒトとしても小柄、この男からしたら本当にちっこく見えるサイズ。
へ、とちょっとだけ驚いたように視線をそっちに。――どうやら購入を迷っているらしい。
「へえ、なんだ、おっちゃん。イイモン置いてるンじゃあないか。
なあ、こっち買うから。このお嬢ちゃんの分も負けてやってくれよ、なあ。」
そして今度はそれも一緒に値切り始めた。ダシに使ってるともいう。
もう店主の方は、さっさとこの巨漢に離れてほしいのか、もうそれでもいいよって空気だ。
だいぶ性格悪く、くくく、とその様子に笑ったら。
「なあ、お前、そこのお嬢ちゃん。
オッチャンがそれも安くしてくれるってよう。
迷ってンなら買ってみたらどうだ、ヤスモンなりにきれいじゃあないか。」
傍らの小柄な姿に声かける。
その年柄の少女の軍服やら軍帽に違和感も覚えたが、気にしすぎてはこの稼業やってけない。
遠慮とか気おくれする様子なく。
■フェゴール > 『?……いや、現金は持ち合わせがないのでな……』
(すごい上の方から声がする。置物かと思っていたら人だったようで、思いのほか高い位置に頭があったので二段階に顔を上げることになって)
『これで足りるだろうか?釣りがあるならとっておいてくれ。』
(ひょいと懐から、正確には転送術式で手元に呼び寄せた。見事にカットされ磨き上げられたゴルフボール大のエメラルドだった。ヘタすりゃ家の数件買えそうな。)
『知らない人から物を貰ってはいけないと、児童向けの本にも書いてあるしな。』
(ふむと、店主にその宝石を手渡して満足そうに安物の珈琲プレスを見上げるのだった)
■イグナス > 「なんと。」
あいや、どうやら先走ったらしい。若干の気恥ずかしさもあって、ぽりぽりと頬をかく仕草。
ジト目で見てくる店主になんと言い訳するか考えていた矢先。
差し出される大きく、そして見事なエメラルド。ぱっと見でもわかるその品質にさすがに、びびる。
「お、いや、お――ちょ、…ちょっとまてィ…!?」
目を白黒させながらもここぞとばかりに受け取ろうとする店主から、ばっと宝石を奪い取り。
どうも、どうやら物の価値を知らないらしい少女へ、懐から札束を。
一部は店主に、大半は――そのエメラルドの適正価格…持ち合わせの問題で少々足りないかもしれないが。
それを渡して。
「これ、こんくらいは釣りがくるからな…!?
ってかお前、こんなもんポンと出したり、こんなとこうろついたり。
なんだ、どっかイイトコのお嬢ちゃんが迷い込みでもしたか…!?」
■フェゴール > 『……ふむ……』
(何やら繰り広げられるやり取りを視線で追っていると手渡された札束。一応両手で受け取って。どうしたものかと数秒考えるが)
『その石は魔力の伝導率がスムーズになるように寸分たがわず黄金比率でカットされている。魔導具の素材としての価値はこの札束の三倍くらいと思うんだがな……』
(一応は金銭の価値をわかってはいるようだが。その札束はシュンっと手品のように消えてしまい。手には珈琲プレスだけのこる)
『まぁいい、些細な問題だ。……しかしまぁ、このシンプル過ぎるほどの機能美……フフフ……♪』
(お金のやり取りにこちらは異存はないようだ。後は巨漢と店主のやり取りに任せる様子で。珈琲のプレス部分をシュコシュコと上下させ、嬉しそうに笑みを零す。どうも物品の価値は趣味的な問題でかなり上下するようだ。)