2017/08/07 のログ
セイン=ディバン > いきなり声をかけたことにより、相手が持っていた商品を棚に戻す。
あぁ、少し失敗したかな。と少女は思い、苦笑しながら相手に向かい手を振り、店員では無いとアピールする。

「ゴメンなさい、驚かせたわね……。
 ふふ、大丈夫よ。この店、冒険者なら多少商品を触っても怒られないから」

相手の慌てる様子に謝罪し、優雅に頭を下げる少女。
自己紹介を返してくれる相手には笑顔を向け。

「シズクちゃんね。可愛らしい名前だわ。
 ……フフフ。値切り、ね。いいわよ。そういうことなら協力してあげる。
 ただ、無料で、っていうのは、ねぇ?」

満面の笑顔で声をかけてくる相手に対して、口元を隠しながら笑う少女。
確かに少女には、値切り交渉などを行う程度のことは造作も無い。
なにせ本来の年齢は30を超え、それなりに名も売れている冒険者なのだ。
呪われたとはいえ、店主に値切りを行うことくらいは容易い。
だが……少女はその交換条件、とばかりににこり、と笑い。少し冷たく笑う。

シズク > 「だ、大丈夫、ちょっとびっくりしただけ。…だって、あのおじさん、ちょっと怖いでしょ、顔」

咎められると思って盛大に驚いてしまったが、目の前に居るのは可憐な少女なわけで、安堵したのも手伝って、
ついつい正直な店主への感想をぼそっと呟き、棚からこそーっと店番している店主を覗き見。
顔、怖いよねえ?と思わず相手に同意を求めてみたり。

「ほわあ、すごいねえ、じょーれんさん、てやつなの、セインさん?うーん、セインちゃん、て感じだけど」

年のころは己より下と思えて、口調も初対面とは思えぬ砕けたもの。
少し屈むようにしては、すごいねえ!と少女というべき年頃の相手が、このテの店の常連だと思われたコトに関心して。

「わおっ!マジでっ?!セインちゃん、やさすぃー!!あのね、あのね、このペンダントがねっ!
………って、ナニ、無料じゃないの?!値引きのために手数料払うの?!」

心優しい少女の申し出に、きらっ、と瞳が輝くと、先ほど見ていた魔力の封じられたペンダントを手に矢継ぎ早に言葉を紡ぐ。
が。
タダじゃない、という言葉に、思わず不満げに声を零し。
とはいえ、相手は目の前の少女である。

「まー…いいか。セインちゃん、お菓子ぐらいなら買ってあげる、うん。安いもんだ」

とすっかりお子様扱いにて、ちょっとおねーさん気取りで交換条件を、さして深くも考えずあっさり承諾。
相手の微笑みの奥にある冷たい笑みなど、まーったく気付かない鈍感ぶりというか、馬鹿正直というか、まかせろーい、とばかりに頷き落とす。

セイン=ディバン > 「……クフフ。そうね。でも、怖い顔じゃなきゃ、冒険者相手の商売なんて出来ないわよ」

相手の言葉に声上げて笑いつつ、怖い顔の店主を揶揄するように言う少女。
まぁ、実際強面だとは思うのだが。冒険者稼業をしていれば悪人面の人間にはなれるものだ。
だって、冒険者も悪人面が多いのだから。そして、少女の本来の顔も、けっして善人面ではない。

「まぁ、ね。……セインちゃん、って。……あぁ、まぁ仕方ないのだけれども」

常連、というか。冷やかし目的の客の代表格なのだが。
そこは隠しておきつつ、相手の自分への呼び方を不満に思うが。
見た目が見た目である。仕方は無い。

「どれどれ? ……へぇ。結構良いもの仕入れてるじゃない。
 ……あのねぇシズクちゃん? 私も冒険者だもの。タダで働くわけないでしょ?」

相手の差し出すペンダントを見て、少女は目を細める。少女の持つ鑑定眼が、そのペンダントの質を認めたのだ。
そうして、不満そうに言う少女に対しては、窘めるような言葉を投げかける。

「……う~ん。このままだと騙すようで気が引けるわねぇ。
 あのね、シズクちゃん。私、本当は男で、いい歳なのよ。
 呪いでこんな身体なんだけど、ね。
 ま、貴女もこんな店にいるってことは冒険者か、冒険者見習いでしょ?
 自分で交換条件を認めたんだもの。いまさらやっぱり無し、なんて通らないわよ?」

自信満々。お姉さんぶる相手に対し、少し罪悪感が芽生えたか。
少女は正直に自身の呪いについて語ったかと思うと、相手の手からペンダントを奪い、店主のほうへと向かう。
どうやら本気で値切り交渉を行うつもりのようだ。
つまり、このままでは少女の悪巧みてき交換条件が確定してしまう訳だが。

シズク > 「んぁー…そうかぁ。私とかセインちゃんみたいな女の人ばっかりじゃないもんねえ」

言われてみれば確かに、ここはギルド御用達の店であるし、荒くれ者も多かろうことは想像に難くない。

「ねーっ!これこれこれこれ!セインちゃんの目みたいに、赤いでしょ。綺麗だよねえ。…定価じゃ買えませんが」

触っても大丈夫、という相手からの情報に乗っかって、ペンダントを相手の方へと差し出す。
よもや、セインちゃんという呼び名に不満があろうなどと微塵も思わず、人懐っこい笑みを浮かべ、その呼び名は継続。
やや身を屈める恰好のまま、ありゃ?と窘めるような言葉に首を傾けては、

「ええー?私も冒険者だけど、困ってたらタダで助けるよー?だって、それこそっ、正義の味方の冒険者だしねっ!」

ドヤァっ!とばかりの表情と何の迷いもないキレッキレな断言。
決まったぜ、とばかりに満面の笑みを浮かべたが、漸く気付いたこの温度差。
こほん、と咳を一つしてから、ええと?と現実世界へ戻ってきたものの。

「へ?…男?………またまたぁ~」

現実世界に戻ってきたはずなのに、目の前の可憐な少女が男だとのたまうのだから、けらりと笑って手をひらひら。
丸っきり信じてない様子で、いい年ってまたぁ~、とどこをどう見ても年下に見える相手に、

「もっちろーん、冒険者で正義の味方に二言はないぜ~、だよっ!
なになに、セインちゃん、お菓子にプラスでアイスも欲しい?いいよ~、ご馳走しちゃうっ!
…て、おおっ?!ホントに?!ほんとに値切っちゃうの、セインちゃん?!」

手を離れたペンダント、おおっ!と目を輝かせて、店主へと向かう背を見て。
その姿はどう見ても少女に間違いなく。
嘘が下手なんだから~、などといまだ信じてないようで、その後に付いていく。

セイン=ディバン > 「ま、そういうこと。とはいえ、あの店主は少~し愛想が無さ過ぎるけどね」

にょきり、と二人で覗き見た店主へとこっそり陰口。
愛想は無いよりは多少あったほうがいいだろうなぁ、と思う。

「ん。そうね。色も綺麗だけれども。何よりも、随分綺麗な魔力を感じるわ。
 混じりっ気が無いというか。……あぁ、そうね。これなら確かに定価じゃあちょっと高くなるわよねぇ」

見つめたペンダントは、確かに少女の瞳と似た赤色。そこから感じる魔力は、中々に力強く。その分お値段も結構な物。

「ん。それはダメよ。それは良くないわ。いえ、全部が全部、とは言わないけど。
 シズクちゃんが善行を積むのはいい。でも、それに人々が甘えれば、人々はタダで助けてもらうのを当然と思うようになる」

幼い顔付きとは裏腹に。少女が、真剣な声で語る。目の前の女の子が、ドヤ顔をしているものの、その言葉に嘘偽りが無いことを察知したからだ。
そのまま少女は、相手の目を真っ直ぐに見つめ。

「だからね。助けるべき相手、助けるべき時をちゃんと考えなさい。
 過ぎたる善心は、アナタの身を滅ぼすわ。……まぁ、気持ち的に言えば。
 アナタの正義の味方、という生き方はとても羨ましいのだけれども」

真剣に。少女は相手を案じ、アドバイスをしたかと思えば。
自身の言葉を信じない相手にくるり、と背を向け。ペンダントを指でくるくる回しながら店主へと声をかけ。

「あのねぇ。言ってるでしょ。呪いをかけられてこんな姿にさせられたの。
 二言は無い、っていうなら。ちゃんと報酬は払って……。
 あぁ、そうね。じゃあ賭けをしましょう? 私がもしも、見た目通りの『フツウノオンナノコ』じゃなかったら。
 シズクちゃん。貴女、私に抱かれなさいな」

どう言ったら信じるのか。そう悩みつつ相手に苦言を呈するモードだったのだが。
少女はそこで、ハッキリとトンデモナイ事を言った。
次の瞬間、少女は店主と交渉に入る。ペンダントの値段はグングン落ちていく。
一割引、二割引、三割引、終いにはなんと、八割引にまで値下げを強行する。

シズク > そのとーり!とばかりに大きく頷いてしまうのは、店に入った途端、冷やかしは帰れ、と釘を刺されたことを思い出してのこと。
とはいえ、こそこそ陰口叩いたことが知れないように、愛想笑いを浮かべて店主の前に出るのは言わずもがな。

「わお!これで私もまほーつかい?!やってしまいますな、無敵に磨きがかかるぜぃ」

己のレベルアップににんまりしてしまいながら、相手の言葉に、やったねー、と無邪気に喜ぶ。
きゃっきゃしていたものの、年下(と思っている)少女からのごもっともなお言葉に、おおっ?!と思わず目を瞬かせ。
しかも、まっすぐにこちらを見つめてくるから、少しばかり大人しく口を噤み、耳を傾けるものの、

「セインちゃん、なんだか…すごい、オトナみたい。
うーん…うん、解った。助けるべき人を助ける!…ていうか、その見極めが難しいから、困ってる人を片っ端から助けちゃうんだけど。
でもでも、うんっ、ありがとー!」

解ったような、解ってないような。
それでも、その忠告は響いたようで、こくん、と真面目に頷いたあと、忠告してくれたことへの感謝を口にし。

その後ろを付いて歩きながら、

「あ、解ってる解ってる、ほんとはオトコノコなんだよねー、呪いに掛かって。
いや、どう見ても、フツウのオンナノコだって。ぷくく、解ってる解ってる、そうじゃなかったら抱かれる抱かれる…へ?!」

こちらのほうは、全然わかっていないが、相手の言葉に反論せず、笑いを堪えながら解ったふり。
ぷくく、とついつい肩を震わせ笑いながら、口先ばかりの解ってる、の言葉に乗せていたものの。
思わぬ言葉を、無意識に復唱したあとで、思わず固まる。
そして、不躾に相手の姿を爪先から頭の先まで、舐めるように視線が動く。

「………またまたぁ~。セインちゃんが女の子じゃなかったら、煮るなり焼くなり抱くなり、どーぞお好きに!」

値切り交渉そっちのけで、こちらは相手の姿を見ては、けらりと笑って本気にしていない様子。
どう見ても女の子、いや、言葉を付け加えれば、値切りの才能のある女の子である。

「せ、セインちゃん、あの、あの、あの…。店主さん、顔が…怖い」

まさかの8割引きまで持っていくことになれば、店主の無愛想な顔はますます険しくなるから、思わず声を顰め、こそこそと耳打ち。
大丈夫かなぁ、と自分の身と財布の心配よりも、店主を心配してしまうほど。

セイン=ディバン > 正直、少女としてももうすこし愛想があれば、客も増えるだろうに、とは思っていた。
まぁ、少女にとっては、この店が流行ろうが廃れようが関係は無いのだが。

「ん~。その定義は間違い、ね。魔法使いになるなら魔法を習得しなきゃ。
 マジックアイテム頼りなら、正確には『魔道具使い』だろうし。
 無敵って、随分自信満々なのね」

喜びはしゃぐ相手には、ついつい小さくつっこんでしまう。
無敵。少女も、少し前まで自分の実力に自信を持っていた。
しかし、世界は広く。上には上がいたのだ。

「だから、大人なの。っていっても、この見た目じゃ、信憑性ないわよねぇ。
 うん。今はそれでいいんじゃあない? いずれ、人を見る目も養われるでしょうし。
 それに、シズクちゃんは結局、困っている人がいたら身体が勝手に動いちゃうでしょ?」

真剣に話を聞き、そして返事をした相手に、少女は困ったように笑いながらも、そう言った。
簡単に想像できる。この前向きな少女が、困った人を助けるためなら、どんな窮地へも身を躍らせる姿が。

「……そりゃまぁ。この見た目じゃその反応も仕方ない。そうは言ったけどね。
 相手の言葉が真か偽か。見極められないようじゃまだまだよ?
 相手によっては、不快感を抱かれるんだからね」

含み笑いし、まったく信じない相手に溜息一つ。こりゃいずれ痛い目見るな、と思うが。
そこまで助けたり心配したりする間柄ではない、とドライに考える少女。

「聞いたわよ? 二言は無いんでしょ? じゃあ、覚悟しておいてもらうとして……」

しっかり言質はいただいた、と。少女はニッコリと似合いの笑顔を浮かべ。
本気で交渉に入ったのだった。その結果。

「大丈夫大丈夫。……で? どうするの?」

少女の交渉は、それはまぁ酷い物だった。過去の恩義。店主の隠し事。将来格安で仕事を引き受けるという約束。脅迫に頼み込む。
手を変え品を変え、交渉をすれば、見事、店主は半泣きのような表情になり、八割引での会計に応じたのであった。

「さて、と。じゃあ、シズクちゃん。ちょっとそこの路地裏行きましょ。
 私の体について、証明してあげるから」

少女はペンダントの代金をさりげなく支払うと、ペンダントを相手に投げ。店を出てすぐの路地裏へと歩いていく。
その振る舞いは、見た目に似合わぬ、堂々としたものだ。

シズク > 「えっ?!魔法使いって、魔法の道具使えばなれるんじゃないの?!
いや、気分だけは無敵っていう感じ。ほら、1位を目指さないと2位にもなれないっていうアレ」

魔力を含んだ道具を持てば、即魔法使いに!と安易に考えていた出鼻をくじかれる感が否めない現実。
マジか~とがっくりしながら、無敵を念じるそのココロを告げる。

「人を見る目、かぁ…。この人助ける、この人助けない、とかは好きじゃないけど、セインちゃんの言うことも正しいと思うし」

難しいっす、と己のオツムでは、深く考えるに限界が近く。
ふはっ、と息を吐いて、困ったみたいに笑っては、セインちゃんは大人だねぇ、と思考については何ら疑いもなく。

「だって見たままは女の子だよ、セインちゃん。ちゃんと、そのぅ…まぁ、あるし」

胸が、というのも失礼な気がして、視線でアピール、の心算で、相手の胸元へ視線を落とす。
それだけが判断材料といえば、それまでの安直な思考。

「二言はないけど、あの、あの、…お、おじさん、大丈夫ですか?」

何だろう、値切りのネタが何か、詳細は解らないが、半泣きな店主を見て心が痛むのか、思わず心配そうに声をかける。
だが、それはそれ、念願の魔法使いになれちゃうアイテム…否、魔道具使いになれちゃうアイテムが目の前に、しかもお手頃価格!

「かっ、か、かかか買いますっ!!」

食いつかんばかりに身を乗り出して、頷いて。財布を覗けばその分はどうにか払えるかどうか、ぎりぎりのライン。
分割できるかなぁ、とか考えていると、ひょい、と投げてよこされたペンダント。
ふえっ?!と思わず目を瞬かせると、お代は頂きました、とばかりに涙目の店主が視線を送るから、

「うわああ、セインちゃん、男前っ!!ほんとにほんとにありがとーーーっ!
これでまた強くなりますな、私っ!
って、いや、あれだよ、セインちゃん、そんな説明とか言って、むやみに脱いだりしちゃだめだよ、女の子なんだから」

わーい、と無邪気な様子で破顔して、さっそくペンダントを首から下げ。
強くなった気がする!と本当に“気がする”だけだが、嬉しそうにペンダントの宝石を握り。
ステップ踏みそうな軽い足取りで、セインちゃん、男前すぎるよ~!と声をかけながら、相手に続いて店を出て。

セイン=ディバン > 「いや、詳しい定義は魔術協会と冒険者組合の兼ね合いもあるし。
 まぁ……マジックアイテムを隠しながら使えば、魔法使い名乗ってもいいんじゃない?
 あぁ、なるほどね……。でも、自信を持って行動するのはいいわよね」

実際、そこまで細かく定義する必要も無いのかな、などと考えつつも。
相手の理屈に、納得したように頷く少女。目標を掲げるのは大事である。

「あまり難しく考えなくてもいいけどね。ただ、いつか貴女も、選ばなきゃいけない場面に遭遇する。
 その時、後悔しないようにね」

恐らくは、考えるより先に身体の動くタイプの相手。悪い子ではない、どころか。根っからの善人なのだろう。
少女としては、羨ましくも思いながら。やはり心配なのか、アドバイスを付け足す。

「まあ、そりゃそうよね。自分でもこの身体は女そのものだとおもうし」

視線を胸に感じる。最近急に膨らみ始めたバスト。理由は……なんとなく分かっている。
何度も何度も、この身体になってから、男に抱かれたせいだろう。
少女も男だったときは胸は好きだったが。自分の胸が大きくなっても嬉しくは無い。

「交渉を頼んでおいて同情なんてしないの。値切る時は徹底的に、よ。
 はい、お買い上げね~。そんな顔しないの、店長。後で詫びはするから」

半泣きの店主に更に追い討ちをかけるように言えば、相手が見事に食いつき。購入決定。相手が財布を開いたのを見て、ぎりぎりの額しか無いのに気付く。
ここでこれを買ったら、食費とかどうする気なのか。少女は溜息を吐くと、何も言わず代金を払うのであった。

「はいはい、はしゃがないの。夜なんだから。
 強くなるのはいい事だけど、使用方法とかはちゃんと確認するのよ」

路地裏に向かいつつ、テンション上がる相手を諌める。相手を見ずに、店主から貰った保証書と説明書を相手に渡し。

「あら、良く判ったわね。

 ……ホラ。これでも、私は『フツウノオンナノコ』かしら?」

路地裏に滑り込み、相手の言葉に、くつくつと笑う。くるり、と振り向き。
ドレスの裾を捲り上げれば……。
そこには、下着などなく。相手に向かい見せ付けられたのは、屹立し、びくびくと震える、凶悪なペニスであった。
これを見せて相手が逃げるなら、まぁ、それはそれで。逃げないなら交渉の代金をいただくのみ。少女にとっては、戯れのような行為であった。

シズク > 「難しいね、魔法使いって。だから、ガッコの魔法の先生たちってえらそーなのか」

いろいろと柵のある話らしい。理解を示すように頷いたあと、思い切り偏見まみれな台詞がぼそりと落ちる。
目標は限りなく高く、ということのようだが、高すぎて現実的ではないが、そこはあまり気にしていない様子。
相手の言葉に、うん、と笑顔で頷いてから、

「セインちゃん、優しいねえ!ありがとう!!いざって時、どっちも助けられるように頑張るよっ!」

アドバイスが効いているのかどうか、兎も角、ぐ、と拳を握って気合を入れた返事をし、きちんとそれを胸に刻むみたいに、こくんと頷く。

「ぁぅ…わ、解った。てってーてきに、です。…ご、ごめんね、おじさん。でもでも、ちゃんと大事に使いますし!」

相手が言うように、同情しないように、と自分に言い聞かせたものの、涙目プラス遠い目をする店主に居たたまれず。
努めて明るい笑顔と口調で、最大限のフォローを。

「はいっ、セインちゃん、ちゃんと読みますっ!…うへぇ、字ばっか。難しい用語も書いてあるよぅ…」

ありがたく保証書と説明書を受け取って、それに視線を落とすと早速泣き言。
泣きたいのはこっちだー、という店主の声が聞こえたような気がしたが、そこはスルーして、
相手に付いていきながら、大切そうにそれらを仕舞い込んで。

共に裏路地へと足を向けたものの、冗談めかして告げた言葉に対する言葉に、へ?と目が点になる。
図らずも、振り返った相手のドレスの裾が捲れあがり、ばっちり見ちゃったその立派なモノに、目が釘付け。

「………おっきぃ…」

ほわん、と呆気に取られたみたいな表情で素直な感想が、さらっと口から零れ。
が、すぐに。

「わぁぁぁあああっ、ちょ、ちょ、ちょ、違う、おっきいとかじゃなくてっ!
な、な、ななななんでっ?!な、なんでっ、お、おちんちんがっ?!
セインちゃんっ、おとっ、オトコノコ、なの?!」

ぶわっと耳まで真っ赤になると、慌てたように視線をそらす…つもりが、ついつい見ちゃうのは好奇心から。
少女という容姿からは到底想像できない立派なモノ。そのギャップも相まって、ふわああああ、と感嘆めいた吐息を零してしまうほどにチラ見からガン見に移行するのもすぐ。

セイン=ディバン > 「ん……それはどうかしらね。学校の先生、っていうのはね。
 偉ぶらないといけない、っていうのもあるのよ」

偉そうと偉いのは違う。教師には教師の、偉そうにしなくてはいけない理由などもあるのだろう。舐められていては教育は成り立たないのだ。

「そうきた……。はぁ、でもまぁ、シズクちゃんはそれでいいんじゃない?」

まさかの両方助ける発言に、力抜けたように言う少女。どこまでも前向きで明るい女の子である。

「まぁ、値切りすぎは怨まれるからほどほどにしないとだけどね~」

八割引などというレベルまで値引きした人間の言うことではないが。
少女は、カラカラと無責任に笑っていた。

「保証書と説明書なんて、字ばっかりなのがあたりまえでしょ。
 シズクちゃんの身を守るためのものなんだから。しっかり読んでおくのよ」

マジックアイテムには、保証書や説明書が無いものもある。なにせ不可思議な道具だ。
保証書、説明書、手引き、解説書。それらが付随しているのなら、目を通すのは絶対に必要な行為だった。

そうして。暗く狭い路地裏で己をさらけ出した少女は、相手のリアクションに笑いながら、舌をチロリ、と。唇から覗かせた。

「あら、もっと恥ずかしがったり、逃げ出すかと思ったけど。
 見た目より『オトナ』なのかしら……?
 言ったでしょ。もともとオッサンだったのが、呪いでこんな身体になった、って。
 さぁ、約束は約束よ? こっちに来て? 優しくしてあげるから……」

まだ若いだろうに。いや、若いからか。好奇心に満ちた目で、勃起したペニスを見られ、クスクスと笑う少女。
チラチラ、ではなく。いつしかまじまじと見られることになれば。
興味があるなら、味あわせてやろう、と思い。誘うように言う。
細まる眼、甘い声、震えるペニス、そして、よく見れば分かるだろう。
ペニスの根元には、女性器があり。そこから、蜜が溢れているということまで。

シズク > 「ふぅん。…でも、単位くれないし。えらそーだし。私が魔法使えないのは、その所為に違いないしっ」

見た目は少女でも語る言葉はさすがにオトナ。世の中よくわかっている、とはオツムの空っぽなこちらは解っていない。
魔法を使えない理由を責任転嫁しながら、魔法以外を頑張っている己には、やや諦め気味の相手の言葉に、

「セインちゃんも困ったときは、正義の味方を呼びたまえ。あ、私のことね。あ、でも、値引きはセインちゃんに任せます」

適材適所、という言葉を思い出したかのように、値引きの才能が己にはないことは、先ほどの件で痛感した模様。
ついでに、使用方法までしっかり念を押されると、はぁい、と気の抜けたような返事をして、あの字を読むのか…と想像しただけで気が重い。
そもそも文字を読むことが得意なら、きっと魔法もできたはずだが…。

ここにきて、そう、裏路地で、相手の身体を見て、漸く。

「セインちゃんっ、あ、あ、あの…ほんとにオトコノコ?え、え、呪いってホント?
で、お、おと、オトナなの?身体は子ども、中身はっていう…?」

最早混乱の極み。あたふたと言葉を紡ぎ、漸く相手が言う言葉が嘘でも戯言でもなかったことに気付く。
目を瞬かせ、ふわわ、と変な声を上げては、暫し固まったように動けずとも、ばっちりそこは見ちゃうのはご愛嬌。

「ほんとに…ほんとに、女の子じゃ、ないんだ?ええと…セインくんって、こと?」

何となく疑問符が付く言葉。ふらり、とよろめくように、相手へと距離を削ぎ。
こく、と喉を鳴らして、思わずじーっと見つめる先にある相手の下肢。
立派な逸物は男だと示していたが、その太腿が艶やかに濡れる様を見れば、それは女の己故に経験があるモノと思えて、どっちなのか判断付きかねている様子。

セイン=ディバン > 「……いや、それは違うんじゃ……。
 というか、正義の味方が簡単に人のせいにしないの」

どこか的の外れた反論に、呆れたように言いつつ、まだまだ子供なのだな、と思う少女。
少なくとも、自分のように見た目と実年齢がかけ離れているわけでは無いようで。

「はいはい、もしも私の専門分野じゃないことで困ったら、精々頼らせてもらうわ」

クスリ、と笑いつつ。その言葉が、親切心から出たものだと気付く。
そう。この相手は、本気で自分を助けるつもりなのだと。
その様子は、ほほえましく、羨ましく。

「う~ん。年齢は30ちょい。性別は男。呪いで、フタナリで発情するようになっちゃった。
 冒険者ギルドに登録情報あるから、後で確認すればウソ言ってないのは確認できるわよ?」

混乱している相手に、淡々と説明しなおす少女。
その間にも、少女の凶悪なペニスはどんどん膨らんでいく。
おおよそ、少女の下腹部、ヘソをも超える位置にまでそそり立つそれは、少女の体格と併せ、非現実的な光景であろう。

「あぁ、その呼び方はいいわねぇ。フフフ。興味津々、って感じ?
 シズクちゃんは経験はあるのかしら。それとも処女?
 どっちにしろ、優しく蕩けさせて、ア・ゲ・ル♪」

くん付けなど久しいな、と思いつつ。少女は更に淫らに誘うように。
ふらふらと近づいてくる相手。その距離が触れ合えるほどに近づいた時。
少女は、ドレスを摘んでいた手を離し、相手の身体をとふっ、といきなり、しかし優しく抱きしめた。
そのまま相手の唇を奪い、熱烈なキスを。普段するような荒々しいものでは無い。
恋する乙女が、愛する男性にするような。信愛と情欲に溢れたキスだった。

シズク > 「うぐっ…い、痛いところを突くなぁ、セインちゃんてば」

責任転嫁したことを指摘されると、苦笑いを浮かべ、でも半分ホントだからー、と魔法に対する才能のなさを誰かの所為にしたいらしい。

「まかせとけー。大丈夫だよ、ちゃんとタダだから!たーだーーー!」

きらっと笑顔が弾け…そうな勢いで、確りと頷いて、もしも困ったことがあるならば、何の迷いもなく手を差し伸べる気であったし、
事実そうなれば、そうするであろう。
ただ、求められるだけの能力があるかは別なのが、冒険者として中級に満たない実力ゆえの悲しい現実だが。

「さ、さ、ささささんじゅうう?!」

思わず復唱。しかも、かなりの声量を伴っての驚きを隠せぬその口ぶり。
この容姿で30ちょい、そして男なんて…といまだその現実を受け入れられないようで、ふるふると首を振り。
客観的事実を確認する術として冒険者ギルドまで出されると、嘘だとも言えず。

「セインちゃんからのセインくん。からの、セインさん?
いや、もう……っていうかっ!しょ、しょ、しょ…とかっ、聞かないっ!!」

最早呼び名などどれが正しいのかわからぬまま。混乱に拍車をかけるように、処女かと聞かれ、ぶわわっと耳まで真っ赤。
羞恥にぶんぶんと首を振って、ぱくぱくと金魚か鯉みたいに声にならない声を上げてから、

「だっ、だいじょ、ぶっ!理解するんだっ、いや、感じろっ、私っ!…―――ふわっ?!」

混乱を極めた挙句の言葉だったが、それを遮るように柔らかく優しい感触が身体を包み、びくんと驚きに身体が竦む。
だが、触れてくる唇は、その驚きを越えるほどに穏やかで、慈しむような優しさがあり、
気付けば、ゆると手を伸ばして、相手の背に腕を回してぎゅっとハグ。
緊張と驚きで少し顎を引き気味だったが、それもいつの間にか、自ら押し付けるみたいに、甘く啄み返し。
少しずつ混乱した思考も落ち着いてくる代わりに、ぞくりと甘く刺激的な、甘美な劣情が擡げてくる。
手は無意識に、その身体を確かめるように背を撫で、腰まで落ちて行く。

セイン=ディバン > 「その辺は歳の功……。それにまだシズクちゃんは若いんだから。
 魔法だっていつか使えるようになるかもよ?」

少なくとも、少女も冒険者として活動し、数年間は魔法を身につけていなかった。
才能の有る無しも多少はあるのかもしれないが。何よりも大事なのは熱意と努力なのだ。

「冒険者としては、仕事には報酬があるべきだと思うけれどもね。
 タダで仕事をすれば、そこから責任感が失われるらしいわよ?」

報酬があるからこそ、責任ある仕事が行われる。とは、少女の聞きかじった話だが。
冒険者として危険な仕事をする以上、報酬は当然、あって当たり前なのである。

「そんなに驚かなくても……。こう見えても、冒険者稼業15年近いベテランよ?
 ま、実力はそこそこ。経験年数分信用はある、っていう中途半端なポジションだけどね」

大げさに驚く相手に、苦笑いの少女。そのまま、自分の冒険者としてのキャリアを説明する。
実際、ギルドでの評価としては上の下、あるいは中の上という所。
それなりに大きな仕事は任せられるが、大きすぎる仕事の候補からは完全に外される様な、まさしく中堅どころの冒険者だ。

「さん、はむず痒いからやめて欲しいかしらね。
 あらカワイイ反応。でも、興味は、あるんでしょ?」

耳まで赤くなる相手に、思わず満面の笑顔になってしまう。
ここまで分かりやすい反応だと、実にからかい甲斐がある。

「魔法を使いたいなら、理解するのも、感じるのも大切よね。
 フフ、まぁ? 今からたっぷり『感じさせて』あげちゃうんだけど。
 ……ん……っ」

もはや落ち着くなど不可能、という状況の相手に、そんな冗談を言いつつ。
優しく抱擁を、そしてキスをすれば、受け入れられるかのようにハグを返され。
そのまま、口付けの熱さが高まるように、相手も、行為へと身を寄せていけば。
少女の身体は発情の呪いもあり、一気に息を甘くしていく。
背を撫でられ、腰に触れられれば、ぶるり、と身を震わせるが。
一度唇を離せば。

「……ふふ、どんな風にして欲しい?
 恋人同士がするみたいに、甘く?
 それとも、ケダモノのセックスみたく、激しく?」

そんな、意地の悪い尋ね方をしながら。少女は大胆にもドレスを脱ぎ捨て、一糸まとわぬ姿となった。

シズク > 魔法に対する耐性も才能も今のところ習得できそうにないことは、薄々感づいているが、
優しいフォローの言葉に、ありがとーっ、と感謝の言葉を述べて、がんばるっ、と前向きな返事をして。

「ええっ?!そうなの?!………うーん、報酬がある故の責任感というのも解らないではないなぁ…」

理想と現実のはざまでぐらぐら。
いまだ、碌な依頼をこなしていないが故の理想を追い求めていることを自覚しておらず、相手の言葉に、そうだよねえ、と、
理解を示しつつも、実感がないようで。

「じゅーごねーん………セインくん、最早驚きません、私。だから、お店のおじさん、値引きしてくれたんだ」

言われて合点がいく。キャリア15年のベテランだと言われれば、年齢も察しがいくというもの。
散々年下のオンナノコだとばかり思っていた今までの自分を笑うしかない。

「カインくん。…カインさん、カインちゃん。…カインたん、もありだが。
ええい、くんにしよう!うん、だってオトコノコだもん!」

考えることは諦めて、ハイ、決定、とばかりに君付けに変更、漸く男性だと認識したということでもあり。

「きょーみはっ!………ぐっ、無きにしも非ずっ、だ、だって、だってだって!
そ、そんな…っ、おっきぃの、…見たら、そりゃ…」

それ以上は言えない程度に羞恥心はある模様。
理性だとか、倫理観だとか、そんなものをしっかりコントロールできる年頃でもないし、そのテへの興味は尽きないわけで。

「そっ、そ、そういう聞き方、ズルイっ!」

どちらがイイか、などと問われると、思わず食って掛かってしまうが、なんだかんだでハグはそのまま、ちゅ、と甘い音を立てて唇を啄み返すと、

「その、甘いの、好きデス…」

一旦腕を解き、負けた…とばかりに素直に欲しい方、を口にする。
相手がするりとドレスを脱ぎ去ると、ほわわ、とまた観察の時間になってしまう。
物珍しさもあるし、興味もある。
そう言った素直な感情を隠すことなく、視線が相手の身体を這う。
少女らしい円やかさと、それとは不釣り合いの逸物。そのギャップが興奮を掻き立て、じくり、と下腹部を甘く痺れさせてくるのは、思わぬ反応でもあり、

「ふぁあ…セインくんてば…やっぱり、すごく…っ、おっきぃ、すごいよぅ…」

感嘆の声は賛辞を含み、キスとハグのお蔭ですっかりスイッチ入ったみたいに、まじまじと下肢を見つめて、物欲しげに喉がなる。

セイン=ディバン > 魔術の才能に関しては、少女もほぼほぼ無いようなものだ。
なにせ、軽度の魔法しか習得できないくらいなのだから。故に、相手の気持ちも理解が出来た。

「……。うん。やっぱり、シズクちゃんは素直で理解が早いわね。
 自分の考え方と違う意見に当たった時、今みたいに、その意見を理解しようとするのはとても大切よ」

もっと反論してくるかと思えば、意外にも素直に言葉を飲み込む相手。
それを受けて、少女は目の前の女の子への評価を改めた。
この相手は、物事をしっかり考えることが出来る、優れた人間なのだ、と。

「そういうこと。まぁ、シズクちゃんも経験を積めば、自然とそういうサービスは受けれるわよ」

冒険者としてのキャリアは、イコール、長ければ長いほどいい、という部分もある。
なにせ、それだけ生き延びてきている、ということだから。

「……まぁ、好きに呼んで頂戴。この身体だからね。
 どう呼ばれるか、なんてとうに気にしなくなったわ」

実際、身体はフタナリ見た目は少女中身は男で話し言葉が女性である。
今更なんと呼ばれようが、誤差であろう。

「フフフ、素直でよろしい。そういうところも可愛いわ。
 ……そうよね。実際異性の身体を見ちゃえば、ねぇ」

いかにもな、分かりやすい反応を示してくれる相手。
その仕草を好意的に思いつつ、抱きしめた形の腕を下ろしていき、柔らかな尻肉をもみもみ。

「オトナの男はズルいのよ。あぁ、いや。女性も、かしらね?
 んふっ……。はぁ……。えぇ、分かったわ。
 じゃあ、たっぷりと『愛して』あげる」

まるで噛み付くような勢いで言われるものの、続けて素直に言われれば、軽く啄ばまれたキスの感触と併せ、うっとりとしたように少女が言う。

裸身を晒せば、少女の身体が薄く色づき、興奮していることはバレてしまうだろう。
だが、少女は恥ずかしがることはなく。むしろ、相手の物欲しそうな仕草を目ざとく見つけ。

「……とはいえ、路地裏じゃ寝転がれないしねぇ。
 ……シズク。下、脱いで? ちょっと変則的だけど……。
 抱きしめながらシてあげるから」

言葉こそ優しいものの。それは命令に他ならなかった。
両腕を広げたまま、ゆっくりと近づいていく少女。
その間にもペニスは跳ね、先走りはドロドロと溢れ始めていた。
相手同様。少女もまた、早く繋がりたいと思っているのだ。

シズク > 「はぁい、セインせんせー…なんつって」

正義の味方を目指す己としては、曲げられない信念みたいなものはあれど、それよりも相手の言葉は現実を知る故の至極真っ当なモノ。
それ故に、反論も思いつかないし、何より年長者のありがたい金言であるから、素直に頷けたと言える。

「いやぁ、でも、セインくんほどの値切りのテクをゲットするには、あと50年ぐらいかかりそー…」

目の前で見た値引きの姿を思い出せば、50年では足りないかも、と苦笑い。
せめて、1割を目指そう、と8割引きの長い道のりを目指す前に、コツコツ進む方向で。

「でも、あのぅ…男の子に戻ったりはできないの?」

ふとした疑問を、それこそ何の悪気も、何の意図もなくさらっと問う。
気にしないというから、くんにします、と呼び名だけでも、相手が男性であることを自分が理解する手立てにしようと。

「い、いや、だって…そのぅ…だってだって、どうみてもソレは男の人だし…んっ、ふぁ…」

相手の言葉はごもっとも。見てしまえば興味も沸く程度に健全な思考を持ち合わせているし、
勿論、すでにその快感を身体が知るとなれば、欲しくもなるわけで。
その上、お尻に伸びてきた手の刺激に身悶えては、もっと欲しくなるというもの。

「うぅ…セインくんが、ズルイのは良く、解ったかも…」

否定もしない。その余裕たるや、やはり大人だと理解するに至る。
勝てる気しなーい…と思考のどこかが敗北宣言をして、言われるまま、こくん、と頷いてホットパンツに手を掛ける。
とはいえ、反射的に周りをきょろきょろ。
一応確認の上、一度気合を入れるみたいに、目を閉じ。ふ、と息を吐くとともに目を開けて、前を寛げさせると、さすがに下ろすまで逡巡の間。
だが、それも、目の前の逞しくそそり立つモノを前にすれば、僅かな逡巡であり、羞恥に頬を染めつつもホットパンツと下着とを下ろす。
外気に晒される不安感と羞恥に、助けを求めるみたいに両腕を伸ばし、己より小柄なその身体に縋りつくように抱きついて。

「セインくん、あのっ…ちゃんと、ぎゅって、してから…その、シたい、です…」

最後はなぜだか堅苦しい言葉になってしまったものの、ささやかなオネダリひとつ。
顔を見るのは恥ずかしいのか、やや相手に覆いかぶさるみたいにしがみ付いたまま、その肩口に顔を埋め、
その不安定な体勢ながらも、相手を受け入れるべく、おずおずと足を拡げ、その瞬間を待つ。

セイン=ディバン > 「素直に言葉を聞くのはいいけど……。そうやって、照れ隠しにおふざけしたりはあんまりしないの。
 私はシズクちゃんのそういうところは好きだけど。人によっては怒られるわよ?」

素直な返事をする相手に、口うるさくも言葉を付け足す少女。
しかし、言葉とは裏腹に、表情は朗らかな笑顔であった。

「フフ、難しいものではないわよ。自身の利益と相手の利益。
 その妥協点を探る、っていうのがコツかしらね」

苦笑いする相手に、少しだけアドバイスを。実際。値切りとはテクも大事だが、相手の妥協できる点を見極めるのが大事だ。
今回の少女は、珍しくゴリ押しでの交渉をしていたが。

「うん? そうねぇ……あと月が四回巡るころには、治ってるかもね」

問いかけに対し、少女は正直に答える。現状呪いを解く手段は持ち合わせておらず。
時間制限を迎え、自然と解けるのを待つのが最適な答えである、と。

「ンフ。かわいい声……。そうね。
 意図して異性を見れば。どうしてもこうなるのよね、人間は」

ごもごも、と言う相手に少女は大人びた視線でもって余裕を見せる。
自身の若い頃も、似たように性に興味があったからこそ。相手の気持ちは良く分かった。

「勉強になったでしょ? ズルい大人相手にお願い事をすると……。
 こういう風に、安くない報酬を要求される、ってね」

ズルいと言われても、どこ吹く風。むしろ自慢げに笑う素振りすら見せる。
そのまま、相手が命令に従い、しかし躊躇しながらもその秘部を晒すのを見届ける少女。
路地裏で、知り合ったばかりの女の子に脱衣を強要する。
その背徳感が、少女の背筋に快感をゾクゾクと与えた。

「えぇ、もちろん。いいわよ。さっき抱き合った時にも思ったけど。
 シズクの胸はおっきくて素敵よね。こんな場所じゃなかったら、むしゃぶりつくか、胸の間に挟んでもらってたかも」

相手が両手を広げ、要求したことに優しく答える少女。続けて口から出たのは、少し下品な褒め言葉。
肩口に相手の顔が触れる感触。視界の端、相手が足をおずおずと広げたのが見えた。
内心の高揚と興奮がばれぬように。少女は、その秘所の入り口に、いきり立つ肉槍の先端をあてがった。

「じゃあ、入れるわね? 力抜いておいて……。
 んっ……くっ……!!」

本来であれば、相手へと愛撫をし。十分に濡らしてから挿入をするのだが。
もはや昂ぶった肉欲は止められず。少女は、自身の先走りを潤滑剤として、一気に相手の胎内へとその肉の杭を侵入させた。
少女よりは発育しているが。それでも小柄であると言っていい相手の身体を、化け物じみたペニスが犯していく。
その間、少女は相手の身体を強く抱きしめ……。いわゆる、立位の姿勢でもって。相手を支える。

シズク > 「セインくん…な、なんでもオミトオシだなぁ。ごめんなさい、だって、なんだかくすぐったいんだもん。
でも、怒られないように気を付ける」

茶化したことを指摘されると、ありゃ、とばかりにバツの悪そうな表情になり。
正直に照れ隠ししたことを認めると、言葉の割に穏やかな表情を浮かべているから、最後は素直に頷き返し、ぎゅう、とハグ。

利益というものと縁が遠い己の生活。うぬ、とその言葉だけでハードルが高いようで、何とも複雑な表情。
出来る気しないっす、とコツを聞いても、そんな高度な駆け引きが出来るはずもなく。やはり先は長かった…。

「あと、月が4回?…わお、そうなんだ!この複雑な状況もあとちょっとだね!」

相手にとって複雑かは別にしても、こちらにとっては複雑極まりない状況。
それが解消する日が遠くないとしれれば、他人事ではあれども、わーい、と喜んで。

「高い勉強代になった…けど。…セインくんでよかったデス…」

正しく安くない報酬を支払うメにはなったものの。
勉強になったといえばそうだったが、何よりこうやってハグして温もりを分かち合うのは、相手だからよかったと思える部分もあり。
しかも、今から快感も貰えるのである。
そう思えば、学んだ、とは言ったものの、彼?だか彼女?相手なら、悪くない報酬とも思えた。

「うん、ぎゅっていうの、好き。…ていうかっ、…胸とか、セインくん、その見た目でエロすぎ!」

そう、見た目は可憐な少女でも、中身は男の人だーっ、と理解すること多々。
しっかりハグしているから、お互いの胸は感じることができるが、それもまた、中身は男性なのに、感触は女性という不思議な感覚。
それでも、身体が欲している雄を受け入れるべく、ぎゅう、とハグして密着を強める。

「んっ、…ど、ど、どーぞ…。だいじょうぶ、だから、多分…。その、セインくんを…ください…」

何の根拠があるかは別にして、身体が欲するそれを求めて、やや腰を落とす態。
傍から見れば、恥ずかしげもなく膝を割り、雄を迎え入れようという恥ずかしい恰好ではあるが、
それに構わず、くい、と腰を密着させ、挿入を促す。

「ふわぁ…ぁっ、熱っ…」

膣口に触れただけで思わず歓声めいた声が零れる。
じくり、と下腹部が蕩けるように膣から甘い蜜が伝い落ち、先走りと共に潤滑油としては十分な役割を果たす。
くちゅりと水音が響くと同時に、経験があるとはいえ、年相応の固さを残す膣口を割り拡げて侵入してくる怒張の圧迫感に、
白い喉を反らして、快感に打ち震え、充分潤ったとはいえ、見た目以上の質量に思わず相手にしがみ付いてその挿入感に悶える。

「んくっ、ぁぁああああああああっ!おっきぃっ、おっきぃのがっ、セインくんのっ、おっきぃのが、お、くぅっ、奥までクるよぅっ!!」

僅かに苦しげに眉を寄せたのも一瞬のこと。上げた声は嬉々としたモノ。
そして、侵入を許した膣襞も、受け入れた雄から白濁を搾り取ろうと蠕動して。

セイン=ディバン > 「そりゃあ中身はオッサンだもの。若い子の考えや行動なんて、自分の過去に照らし合わせれば、ね?」

自身の言葉を受け、表情を変える相手の頭を撫でる少女。
素直に認め、ハグしてくるのを受ければ、よしよし、とそのままナデナデナデナデ。

自身の交渉手腕について語れば、目の前の相手は頭から黒い煙が出そうな感じ。
あまり深く考えないほうが良いわよ? とだけは言っておく少女なのであった。

「まぁ……本当に戻れるかは不明だけどね。
 フフ、戻ったら、シズクちゃんに本当の姿、見せてあげるからね」

喜んでくれる相手。その様子を嬉しく思いながらも。本当に戻れるかの不安もあり。
だが、少女は戻った際には、男の姿で会おう、と言う。

「そうね。私よりもっと下種なヤツラとかもいるだろうし。
 気をつけるに越したことは無いわね」

弱みに付け込み、脅し、揺する。貧民地区では日常茶飯事のことだ。
相手のことを抱きしめながら、今後は気をつけるように~、などとあまり深刻になり過ぎないように言う。
何よりも、本人が一番理解をしているだろうから。

「うん。私もハグは好きよ。ドキドキするし、触れ合うとあたたかいしね。
 まぁ、中身は男だから。勘弁して頂戴? 男はおっぱい好きなのよね」

抱擁。セックスに比べれば軽い行為なのかもしれない。しかし、そこにはまた違った趣がある。
そのまま怒られれば、微妙に表情だけシュン、と落ち込んだフリ。
密着を強められれば、くすぐったそうに目を細めた。

「んふ、緊張してる? 大丈夫。すぐ良くしてあげるからね~」

どもるように言う相手。額に口付けを落とし、少しでも緊張を和らげようと。
そして、相手の腰を落とす動きに合わせ。ゆっくりと、しかし、確かに結びつく。

「あ、はっぁぁ……やっぱり、イイ……!!
 若い子の、生マンコに生挿入……サイッ、コー……!!」

侵入を果たし、熱を感じる。肉槍に蜜が絡む感触。肉を掻き分ける感触。
それらが快楽と、支配欲を。しがみつく相手に負担をかけないようにしつつ。時間をかけて挿入すれば、苦しめる時間が長くなるかと。
中ごろまで侵入をしたところで、少女は一気に腰を突き上げた。

「あ、ぁっ!! イイっ……イイわぁ……!!
 シズクの中、熱くて、あ、はぁっ!!」

甲高い喜びの声に導かれるように、少女は一気に奥までを満たし。
うねる肉壁の動きに感極まったか。そのまま少女は、激しく腰を叩きつけるように動き始める。
狭い路地裏に反響するように、肉打つ音と水音を奏でれば。
挿入を、犯すのを待ちわびていたからだろう。肉茎は早くもぶるぶると震え、傘が開き始めていた。
うら若き少女の胎内に凶暴な槍を串刺しにするだけではなく。
その小柄な腹を、欲にまみれた白濁で汚しつくす。その汚らわしい欲望が、少女の中を支配し、更に腰使いを激しくしていた。

シズク > 見た目と裏腹に、中身は立派な大人。しかも、“ちゃんとした”中身の大人なのだから、見た目とのギャップが恐ろしい。
やっぱり勝てる気しない相手の言葉とその手に、すっかり敗北して、くたぁ、と相手に体重をかけるように身体を預けてしまう。
とはいえ、小柄な相手を気遣う程度には加減をして。

「わお、ほんと?!セインちゃんがセインくんになったら見たい見たい~!…今は全く想像できないけどっ!」

ハグしている少女が男性に、…暫し想像しようにも、その切欠の一つもないから、どうにもこうにも、想像できない。
故に、見てみたい!とその話題に食いつくのは当然のこと。
愉しみにしてまーすっ、と声を弾ませるのは、相手の不安など察する事が出来ないため。

「うん。セインくんでよかった~…今後はちゃんと人見ます。…でも、セインくん、女の子だもん、そこはやっぱりズルいよねえ」

女性相手となれば、警戒などそもそもしないわけで。
今後は気を付ける、と一応理解を示してはいるが、果たしてどうなることやら。

「ハグ、好き。ぎゅっていうの、安心する。…だから、そのぅ…ぎゅってしてて。じゃないと、あの…キンチョーするし」

額に唇が触れると、緊張ゆえの身体の強張りは取れ、ほわん、とテレたように笑みを覗かせる。
恥ずかしくも、自ら求めるように腰を落とした体勢で、それに合わせるように奥へと割り拡げられていく。
逞しい怒張に蜜で濡れる襞を擦られるたび、押し寄せる快感に立ったままでは、
相手を支えに抱きしめていないと、膝が崩れてしまいそうになる。
ぐ、と脚に力を入れようとすると、その分下腹部にも力が入って、自ら膣圧を強めてしまうし、
そうすればその質量ゆえの圧迫感に苦しくなるしで、
ふにゃ、と眉を下げて、快感と圧迫感を綯交ぜにした表情を浮かべてしまう。
が、そのそのまま挿入が続くかと思いきや…。

「ひぅんっ!!んぁあぅっ!ゃっ、ぁぁあああああぁっ!!」

熱い肉襞を割り拡げ、その最奥を突き上げられ、悲鳴にも似た嬌声と共に、押し出されたかのように刹那、淫潮を噴きだしてしまう。
強すぎる快感にふるふると首を振れば、それに合わせてポニテが左右に揺れ。
腰が抜けたみたいに、相手の身体にしがみ付いてしまうと、より密着が強くなる。
立っているがために、下からの突き上げをダイレクトに感じられ、やや腰を落とした下品な姿のまま、
抽送されるたび、鰓に掻き出された愛液が足元に溢れ出し。

「うくぅっ、んっ!んぁぅっ、きもち、い…っ!きもち、い、よぅっ!
セインくんっ、セインくんのおちんちん…っ、ひっ、ぐっ!まだっ、おっきく、なって…くぅっ!!」

胎内で感じる質量。挿入の時ですら、一瞬苦しささえあったのに、それが更に質量を増したような感覚に、驚きを隠せず。
幸いにして充分に潤ったそこは逸物を熱く、きつく締め付けるように包み込みながら、その白濁を搾り取らんと蠢き。
無意識に更に腰を落とし、より深く、子宮へとその白濁を導こうとする貪欲さを見せ。

「はぁっ、あんっ、ぁぅ、…くっ!…セインくんっ、セインくんっ、ね、ねっ、出してっ?
セインくんのセーエキぃっ、んふぁああああっ、セーエキ感じながらぁっ、イキたいよぅっ!!」

それが何を意味するか、よりも、ただそれを感じたいが故のオネダリ。
ぎゅう、と痛いくらい相手を抱きしめると同時に、膣径が窄まり、その瞬間を待ち侘びて。

セイン=ディバン > 無意識に女性の頭を撫でるクセのある少女。ついついナデナデに夢中になっていれば、身体を預けられ、おや、と思うが。
その預けられる、という状態にまた少し癒されてしまい。そのままにするのであった。

「……いやぁ、あんまり期待されても、ね?
 その、うん。まぁほどほどに期待しておいて?」

テンションの上がる相手に、少女は逆にテンションが落ちる。
まさか見たがられるとは思っていなかったので。
しかして、約束した以上は、元に戻ったならばしっかりと会わねばなるまい、と心に誓う。

「うんうん。そうしなさいな。
 あら、それを言われるとちょっと弱いわね。
 正直、シズクちゃんを一目見たときからかわいいとおもって声をかけた部分あるし」

どこまでも素直にアドバイスを受け止める相手を愛しく思う。
そのまま、見た目について指摘されれば、少女は正直に、最初からナンパという目的も少しあった、と暴露し。

「うん。安心するわよね……。
 ふふ、ハイハイ。抱きしめててあげるから、身を委ねて、ね?」

照れたような笑みに、思わずくらり、と頭が揺れた。
その仕草のあまりの可愛らしさ。凶悪に可愛かった。
そのまま宣言どおりしっかりと抱擁したまま、相手の動きと同調するように侵入を。
安心する、といっていた抱擁と、相反する結合という行為。
目の前で相手が表情を蕩けさせるのと、少女の一突きが行われるのは、同時であった。

「あ、っ……シズク、声、カワイイ。
 鳴いてる声、すっごく、カワイイ……ッ」

一際大きく響いた声。それが、また少女の支配欲を刺激した。
溢れる潮を下腹部に感じながらも、少女もまた、女性器から蜜を溢れさせている。
視界の端でポニーテールが揺れ、一気にしがみ付かれるが、少女は口内で身体能力強化の呪文を唱え、相手の身体を支えきる。
そのまま、打ち付けるような腰の動きを繰り返し。

「あ、ハハッ……。シズク、感じてくれてるのね?
 んふっ、嬉しい……!! イイ、でしょ? こういう場所でのセックスも……クフッ……!!」

率直に、感じている事を伝えてくれる相手。少女もまた、それに嬉しくなり、更に腰を突き上げる。
やさしくする、などと言っていたのに。実際は、相手を壊すかのような激しさだ。
更に相手が腰を落とせば、少女は舌なめずりし、冷たい笑顔を強めた。

「……あぁ、もう。イケナイ子。そんなおねだりだなんて。
 そう言われたら……男は弱いのよ? じゃあ……。
 たっぷり、子宮まで注ぐから、ね? イって? 中出しでイってみせて……!!
 ッッッ! あ、ハッ、ヒッ……!!」

少女自身。そのおねだりに赤面するも、強がり、また命令を下す。
瞬間、きゅうっ、と強く締め付けられ。相手同様、限界を迎えるため、抱擁を一際強くする。
ごちゅっ、と。最奥へとペニスを打ち込んだと同時に、少女は、溜め込んだ白い汚液を、初対面の相手へと無慈悲に注ぎ込む。
ペニスサイズに比例し、同様に人間離れした量の精は、どくどくと体内へと注がれ……。

「……あぁ。シズク、貴女イイわ……気に入っちゃった。
 今度は、ベッドでゆっくり、ね?」

意識が遠のくのを気合で防ぎ。少女は耳元でそう囁くと、相手へと睡眠作用のある香を嗅がせ、眠りへと誘導した。
そのまま路地裏の人に見つからない場所へと相手を隠し。その場を去る。
恐らくはこれで、相手の身の安全は確保できたであろう。
そうして、少女はふらり、と路地裏から姿を消した。
次に会うときは……逆に攻めてもらうのも、などと。冗談を口にしながら。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からセイン=ディバンさんが去りました。
シズク > 「じゃあ、戻るの、ちょー…ではなかった、程よく期待ということでっ!」

に、と満面の笑みを浮かべ、期待大な表情ではあるが、言葉だけは、控えめ方向にしておいて。

「か、カワイイ…っ、ぅく、そーいうの、言うのは、やっぱり…ズルイっ!!!」

面と向かって言われるとやはり弱い。
なので、悶えるのを我慢するため、顔を埋めたその先、少女と言えるその肩口をかぷっ、と痕が残らない程度に噛む悪戯をひとつ。
あむあむと甘噛みしておくと、更に嬌声まで我慢できる!と発見したのか、暫しそうしていたものの、
その程度で我慢できる快感の波ではなくなってくる。

「んひぅ、くっ!!!」

突き上げられた瞬間、まるで身体が二つに割れたみたいな、そんな衝撃。
勿論痛みだとか、苦しさとかより、目の前が一気に白んで火花が散るような、大きすぎる快感に、腰が弾み、目を見開き。
きゅ、と硬直するように身体が慄いて、

「ゃっ、ぁんっ!あんっ、見られちゃうよぅう!イクとこっ…お外でっ、見られちゃう、のにぃっ!!」

こういう場所、という指摘され、裏路地とはいえ往来。貧民地区では珍しくはないだろうが、その日常的な光景を己がするとなれば別である。
羞恥に素肌は赤く染まり、ふるふると首を振って、“イイ”かと聞かれた言葉に精一杯の否定。
だが、見られるかもしれないというぎりぎりのスリルが興奮を高めるのも事実。

「ゃあっ、らっ、めぇえっ、イクのっ、イクとこっ、見られちゃうぅっ!
セーエキぃっ、セーエキ出されてイクとこっ、んふぁぁっ、…だ、めぇっ、らめらめぇっ!
イクぅっ、イッちゃうイッちゃうイッちゃうぅうっ!」

オネダリしたのはこちらの方だが、いざ目の前に絶頂への高みが見えると、その強すぎる絶頂に恐怖さえ覚え。
だが、拒絶めいた言葉とは裏腹に、身体の奥底で射精の予兆を感じれば、刹那、ぎゅっと相手に強くしがみ付く。
どういうわけか、それが魔法だなんて思いもよらず、小柄な相手ながら、確り支えてくれている安心感の中、
ふるり、と首を振り、きゅん、と下腹部が疼いた瞬間、快感が弾けて、目の前が白む。
同時に子宮を白く染め上げて行く白濁の迸りに、身体が跳ねて。

「…ふ、ぁ、あ、あ…あぁ…出てるぅ…セインくんの…んく、せーえきぃ…いっぱい、…ふわぁ…」

溺れそうなほどの精が雪崩れ込んできた子宮が焼けてしまうような錯覚。
それと同時に、発した言葉はどこか呂律が怪しかった。
身体の奥底が甘く痺れ、思考も靄が掛かる感覚。
己の意識と反して深く、穏やかな眠りへと誘うその感覚に抗うことはできず、くた、と脱力する身体と共に意識を手放して。

身の安全が確保されたことは、目覚めた時、高価な緋色の宝石のペンダントが奪われず、まだ首から下げていたことで理解したんだとか………。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からシズクさんが去りました。