2017/08/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にシズクさんが現れました。
シズク > 貧民地区にある小さな店。
雑多な品々が並んでおり、何屋なのかイマイチ解らないその店は、冒険者ギルド御用達の店でもあり、
狭いながらも、そこそこ繁盛しているのか、人の出入りは多い。
すでに外は夜の帳が下りており、いよいよもって店は非合法なアイテムの売買が始まる時間帯といってよい頃合い。

「うーん…どうしようかなぁ」

店の一角にて、小難しい顔をして品を眺める人物は、本日何度目かの言葉を零す。
店に入って来たときは、それこそ愛想のよかった店主も、冷やかしだと思っているのか、最早眼中にない様子で、
新たに店へとやってくる客の対応をするばかりであった。

故に、邪魔になっていない己としては、存分に商品を漁れるというもの。
様々ある品の中から、いくつか目ぼしいモノを見つけては、財布と相談中、というわけであり、うーむ、と腕を組んで思案中であった。

シズク > 触るな、とは言われていないから、とりあえず手に取ってみるのは、古ぼけた樫の杖。
所謂魔法の杖、というものらしく、かの大魔術師の…ナントカというのが使っていた、という振れ込みらしい。

「でもなー…杖持って戦うのって大変じゃない?右手にダガー、左手に杖?」

とりあえずそれっぽく左手に樫の杖を握って、右手に抜きはしないが、ダガーを持っている態で己の左右の手をチェック。
何とも似合わない姿に、だよねえ、と見るまでもなかったとばかりに苦く笑い、杖を元に戻す。

「となればこれかー…。魔力の入った宝石、だったっけ?…うわ、高っ!」

美しく磨き上げられた親指の先ほどの大きさの緋色に輝く宝石がはめ込まれたペンダント。
これも、かの大魔法使いのナントカがー…という話らしかったが、やはりお値段ははるようで。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 貧民地区とて、治安の悪い場所ばかりでもない。確かに風紀やらは乱れてはいるが。
歩くコツさえ掴めば、夜の貧民地区はなかなか美味しい情報やアイテムも入手できる穴場が多いのだ。

「……とはいえ、めぼしいものは無いわねぇ。
 これなら行きつけのお店のほうがいいかも」

しかして、少女の欲するものは無かったらしく。ふらふらと歩き、次のお店へと……。

「あら? どうも、可愛らしいお嬢さん。お買い物?
 貴女みたいな若い子がこんな夜に貧民地区にいると、色々と危ないわよぉ?」

入った店には先客。良く通る元気な声が聞こえたので近づき、声をかけてみる。
可愛らしい、若い女の子。大きな瞳、パーツパーツごとに、色気をかもし出している部分もある。

「……あぁ、いきなり声をかけてごめんなさい。私はセイン=ディバン。
 冒険者で、この辺には顔が利くんだけど。お買い物ならアドバイスできるかと思って」

本性を隠すようにクスクスと笑いながら自己紹介する少女。
自身の呪いなどについては、まだ隠したまま。しかして、視線は相手の身体に注がれている。

シズク > ペンダントのチェーンを無造作につかみ、高級品なれど、それはスルーして、ひょいと目線の高さまで。
店内の灯りに緋色の宝石が反射して、きらりと輝く様は魔力云々を差し置いても美しかった。

「ほわっ?!ち、ちがっ、これ、み、み、見てただけっ!!!」

触るなとは言われていないが、許可なく触ったことを咎められたと早合点して、慌てて声を返し、棚へと置く。
触ってません、をアピールするように両手を上げて、愛想笑い全開。

「って、あれ、お店の人じゃない?」

店主でないのは、視線の先にいるのは可愛らしい少女であり、イカツイおっちゃんの店主ではなかったから、安堵の表情。
とはいえ、反射的に上げた降参ポーズの手はそのまま。

「あぁ、セインさん、ですか。私、シズクっていうの。こんばんはっ!」

漸く手を下ろし、名を告げられたことで気を許したのか、ぱっと明るい表情を浮かべて名を告げて。
更に、相手のアドバイス、なる言葉に、わおっ!と歓声を上げると、

「ホント?!マージーかーーーっ、これは値切りもできるっていうラッキーチャンス?!」

顔が利く=値引きできる、と勝手に算盤をはじいては、きらっきらに瞳を輝かせては、ぜひ宜しくっ!と大きく頷いて。