2017/03/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にティエンファさんが現れました。
ティエンファ > 「こりゃあ…マズったな」

貧民窟のとある路地裏、積み上げられた木箱に隠れた少年が一人愚痴る。
頬のよぎり傷からは鮮血が垂れ、片手で押さえた腹部のさらしも赤い。
肩で息をしながら耳を澄ませる。 遠くで男たちの怒声や駆け回る音。

「一先ずは撒いたけど、持っちに来るかな、来るなよォ…?」

ずる、と壁に背を預けて座り込む。
…追われて逃げている、異邦の少年。

ティエンファ > 思い出すのは、いつも通りに受けた依頼の内容。 貧民窟の倉庫の用心棒。
なにかの受け渡しだとは聞いていたが、あまり深くは聞いていなかった。
奴隷や表市に流せない物の販売など、日常茶飯事だ。

「でも、おかしいとは思ったんだよな…普通は用心棒は3人は最低雇うもんだけど…一人だったし
 それなのに行ってみりゃあ、10人のスジ者が揃ってやがったんだから…」

そして、そのまま倉庫に通された瞬間、矢を射かけられた。
逃げようとしても扉は閉められ、押さえられていて開かない。
襲い掛かる矢と、ならず者達。 人違いなどではなく、少年を標的として行われた襲撃だった。

ティエンファ > 「へ、有能で目立っちまうってのは損だね、ひがみを買っちまう…」

強がってそんな事を言うが、笑おうとすると腹筋がひきつった。
刺し傷である。 きつく巻いているサラシのお蔭で即致死ではないが、浅くはない。
小さく呻き、荒く呼吸を漏らす。

「一対一なら負けやしねえけど…くそ、あの人数にはまだかなわんか、修行が足りんぜェ…俺…」

痛みに顔を歪める。 嫌な汗が額に滲む。
怒声が少し近くなっている気がする。 痛みで乱れた集中では、路地裏に反響する音の距離が掴みにくい。

ティエンファ > 物陰に隠れての時間稼ぎ、その間に何とか体勢を立て直す。
鼻から吸い込む濁った空気。 身体を巡らせてゆっくり吐き出し、落ち着け、と自分に言い聞かせた。
体内の気を練り上げ、痛みを少しだけ緩和させる。 …今の状況では気休めにしかならないが。

「用心棒や護衛は信用商売だからな…まあ、依頼指名が偏ることも仕方ねぇが…
 ひひ、やっかまれて襲われるってのも、中々貴重な経験…ぐ…っ」

左肩の矢傷が疼く。 よくもまあ、あの矢の嵐でこれしか喰らわなかったなと自分で感心する。

ティエンファ > 「矢傷1、刀傷3、…毒は無し、か へへ、手落ちだぜ、アイツら
 殺し切るつもりなら、矢に糞でも塗って置けっての…は、まあ、それやられたら俺死ぬんだけど」

肩に刺さったままの矢を、抜かずに傷の近くで折る。
短弓の矢は細く、あっさりと折れた。 傷に響くが、邪魔になるよりはましだ。
また耳を澄ませる。 …ああ、糞、と小さく吐き捨てる声。

「近づいて来てる…土地勘は奴らの方が上か 異邦人の辛い所だ…
 …まだやれるか? …いや、やらないと死ぬんだけどさ、畜生」

悪態をつくが、すぐには脚に力が籠らない。 何度か崩れ落ちかけながら、時間をかけて立ち上がる。
壁に背を預けながら、ゆっくりと深呼吸をする。
一度休んでしまったせいで、痛みが意識に残ってしまう。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にノアさんが現れました。
ノア > 何やら物々しい雰囲気の路地裏に、 男達の足音とはまた別の足音が混ざる。カツカツ、 と.. 細いヒールが石畳を打つ、 女の足音。

( .........迷っ、 た.. )

安くて品揃えも良く ── 勿論、 正規のルートは通っていない品々が並ぶ店だけれど.. 確かこの辺りの筈。似たような通りをふらふらと、 さまよい歩いていると..

「 .....っ、 きゃっ !? 」

石畳の隙間に細いピンヒールが挟まり、 ぐらりと視界が揺れ.. 盛大にバランス崩した身体は、 すぐ横の外壁に立て掛けてあった材木にぶつかった。

「 ゃ.. ちょっ、 危ない !! 」

ドミノみたいに材木が倒れる先に人影が見え、 声を上げるも時既に遅し.. 不運にも巻き込まれた十人程の男達が、 下敷きに。

─── そんな事故現場が、 物陰に身を潜める貴方にも見えただろうか。

ティエンファ > 覚悟を決め、耳を澄ませながら呼吸を整える。 数人ならまだ行けるだろう、と。
しかし、その耳に紛れた女の足音。 思わず目を丸くして路地裏を歩き出す。
さっきまでなかった足音だ、誰かが巻き込まれるかもしれないと思えば、

「…知らん奴に、迷惑は、かけらんねえよな…」

呟き、脚音が聞こえる路地に踏み込んだ。
そして…

「…OH…」

思わずそれっぽい声をあげる。
濛々と立ち込める木くずの中、呻く男たちの無残な姿。
そして、その向こうでその事故の原因になった女の姿が見えた。
女にも、怪我を負った男…いや、ノアよりも随分と年下だろう少年の姿が見えただろう。

…少し気の抜けた沈黙の後、呻きを漏らし立ち上がろうとしたならず者の顔を蹴り飛ばし昏倒させ。

「…行こう!」

よろめきながら駆け出し、ノアの手を掴む。
説明は後、と短く声をかけ、そのまま走り出す。

ノア > 「 ぃ.. 生きてる、 よね..... ね ? 」

自分じゃ退かす事も出来ないくらい重い材木の下、 纏めて下敷きになった男達に青い顔して歩み寄り.. その中の一人に恐々声を掛けた、 その時 ──

「 .........なっ.. ?! 」

近付いてきた何者かが、 思いっきり顔を蹴り上げた。只でさえ重症な被害者は、 更なるダメージを受け完全に制止。突然の事態に状況も理解出来ぬまま、 手を掴まれて..

「 行くって.. アンタ誰っ ?! てゆーか今、 蹴ったよね ?! あの人の顔蹴っ飛ばしたよね ?! ちょっ.. 聞いてんの ?! 」

半ば強引に走らされながらも、 ぺちゃくちゃとよく喋る。未だ貴方の怪我には気付かず それどころか、 貴方の方が "悪いヤツ" だと思っていて。

ティエンファ > 走りながらも後ろで騒ぐ女の声。 まあ、そりゃあ混乱するよなあ、とか思いつつも、握る手は離さず。

「蹴った、気絶させた、逃げてる! でも、足を止めるとやばいんだって!!
 良いから走…っ」

風切り音。 二人が走る前に突き立つ矢。 まだ数人、追跡者が居る!
そう思えば、女を振り回すように曲がり、狭い路地裏に駆け込む。
腹の傷が開き、ズボンまでを赤く染める。 呼吸が乱れる。
少し走ってまた、身を隠す。 今度は足音が聞こえない。 少し息を吐く。
顔をしかめながら壁に寄りかかって息を整え、握る手を緩めた。

「すまんお姉さん、巻き込んだっぽい…顔、隠すものある?」

異国の少年は、気遣うように問いかける。 申し訳なさそうに眉を下げ、首を傾げた。

ノア > 「 あぁ" もうっ.. 何なのよ ! 楽しい楽しいお買い物に来ただけなのにっ... ! 」

とにかく説明している時間はない、 という事だけは理解した。そして何やら巻き込まれ始めている事も..

「 面倒事なんて御免だからねっ..... 」

と言い終えたと同時、 寸でのところに矢が突き立つ。もう巻き込まれたらしいと諦めて、 貴方の導くまま共に駆け出した。逃げ隠れだけは お手の物。

しかしながら、 戦闘力においては何の役にも立たない。申し訳なさそうに首を傾げた貴方に、今は頼るしかなさそうで

「 アンタ強いんでしょーね。あっさり負けて殺されでもしたら殺すっ 」

フードを深々と被りながら、 二度も物騒な言葉を口にした。これでも.. 応援しているつもり。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にノアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にノアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にノアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にノアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にノアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にノアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にノアさんが現れました。
ティエンファ > 「楽しいお買い物ねえ…お姉さん、アンタ堅気じゃあないね?
 もうすでに面倒事だよ …と言うかさ、あんな事故起こしてる時点で…いや、俺は助かったけども」

こんなところに買い物か、と驚きつつも、さっきの角材事故の事を思い出して、小さく笑う。
そして、物騒な声を向けられながら長衣を脱いで、血に濡れたさらしの上からきつく腹部を締め付ける。
露になった上半身、鍛え上げた身体に刻まれた、牡丹と龍の刺青は鮮やかで。

「キャンキャン言うない、努力するよ
 …って、なんかお姉さんと同じような気配が多いんだけど、お姉さん連れでもいるの?」

憎まれ口を叩いてから、歯を見せて笑う。 頬を伝う脂汗で、無理しているのが分かるかもしれないけれど。
行こう、と声をかけて路地裏を出れば、襲い掛かる矢。 それを払う右手。

「お姉さん、ナイフかなんかある?」

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にノアさんが現れました。
ノア > 「 今自己紹介なんてしてる時 ? 連れ って.. アンタのお友達でしょ、 早くどーにか... 」

堅気じゃない、 なんて軽く見破られるもスルー。深々と被ったフードの中から琥珀色の瞳で周囲を見渡し、 視線を貴方に向けた。すると.....

「 って、その 血......... 」

目に移ったのは、 意外に鍛え上げられている逞しい身体と 鮮やかな刺青。そして何より.. 多量の、 出血。危険も省みず顔を強張らせて一歩、 歩み寄った。

「 "堅気の女" がナイフなんて持ってる訳ないでしょ、 こんなモノ.. しか。」

毒針を忍ばせた内腿を、 捲ったローブの隙間から ちらりと見せた。正直、 敵意剥き出しの相手に通用する武器.. ではない。

ティエンファ > 「こっちは仲良くしたいんだけど、ほら、イケメンは妬まれるもんだからさ」

軽口を叩いて返す。 少年の刺青の入った左肩にも、矢が刺さったままだ。
しかし、巻き込んだこの女性を護るように、壁際に背で庇う様子は、少なくとも、ノアに危害を加える気はないと分かる。
そして、近づいたノアに振り返り、少年は首を傾げて笑って見せる。

「俺『は』堅気じゃあないんでね、怪我は慣れっこさ …でも、巻き込むのは本意じゃない
 助けてもらったんだ、お姉さん、アンタは無事に返すよ」

こんな場所でこんな状況になっている割に、そう言ってノアを見る少年の目は真っ直ぐで。
しかし、白い内腿を見れば、ひゅう、と小さく口笛を漏らし、

「綺麗な脚だ、尚更傷はつけられないな …って、堅気がこんなの持ち歩くかいっての」

言いながら、するりとノアの内腿を撫でる。
気付けば、その手の中に毒針一筋。

「見た感じ、あと一人二人だ。 …それに、あっちは俺が武器を持ってないと思ってる。
 針一本で十分だ …お姉さん、顔、出しちゃだめだぜ。」

言いながら、すぐ近くの木箱の影を指さす。 隠れていてくれ、と。

ノア > 「 っ.. こんな時に、 何言って..... 」

その出血具合を目の当たりにし、 酷く心配そうに歩み寄るも.. 軽口叩く貴方に、 これ以上不安げな言葉を口にしてはいけない気がして。きゅっ と、 唇を引き結んだ。

冗談めかして内腿を撫でる手に、 気付けば一本の針を抜き取られていて。 これ以上心配する言葉は口にせず、 代わりに軽口叩き返しながら物陰に身を隠した。

「 アンタも、イケメンなら顔に傷なんて作んないよーにね。」

無力な自分に今出来る事は、 邪魔にならぬよう言う通り身を潜める事、 そして.. 貴方を信じる事。

ティエンファ > 「ありがと」

言葉を飲み込んだノアに微笑む表情は柔らかく、少し幼さが残っていた。
くるりと手の中で張りを回し、深呼吸を一つ。 足音が路地裏の向こうから聞こえてくる。
そちらに顔を向けた少年をノアが影から見上げると、さっきまであった子供っぽさは欠片もなく、
チンピラとも違う、武芸者としての表情であった。

「頬っぺたの傷なら、まだ勇み傷って事で許されるかね」

すぐに戻るから、と顔を向けずに駆け出す。
ノアの目の前に、少年が零した血の跡。 寄りかかっていた壁にも、赤く汚れが残っていた。
…そして、少しの後、短い男の悲鳴が生まれ、消える。
ノアが物陰から覗けば、路地裏の向こう、ナイフで少年に切りかかる男の姿。
すんでで避け、よろけながら踏ん張った少年が、綺麗な軌道の蹴りで男の顔を蹴り飛ばし、壁に叩き付ける。

動かなくなった男を見下ろし、肩で息をしていた少年が、ノアの方を向き、右手を上げる。
…そして、そのままぶっ倒れた。

ノア > ( .....お願 い、 お願い.. っ )

頭から足首まで真っ黒なローブにすっぽり覆い隠した身体は、 僅かに震えていた。自らの身は勿論、 まだ何処か幼さを残す貴方の身を案じて。しかし ──

「 ............... 」

そこからはもう、 一瞬の出来事で。物陰から覗いた景色に、 ふわりと柔らかな笑みを浮かべたり軽口を叩いたりしていた少年の姿はなく.. とても傷を負っているとは思えぬ動きを見せる "男" の姿に、 呼吸も忘れて見とれていた。あっという間にゴロツキ達を打ち負かした貴方が、 此方に振り返り右手を上げると..

「 ......すご、 ぃ..

─── って、 ちょっ と.. !! 」

安堵に肩の力が抜けたのも束の間、 がくんと倒れ込む貴方に慌てて駆け寄った。

「 やだ、 っ..... 何ぶっ倒れて.. ねぇ、 聞いてんの !? 返事くらいしなさいよっ... 」

意識があるのかないのか、 出血も限界か、 安堵からただ気が抜けただけなのか.. 確認もせず、 顔面蒼白、 泣き出しそうな顔して貴方の頬を べしべしひっ叩いた。

ティエンファ > ノアが駆け寄ったそこには、眉間を毒針で貫かれて動かなくなっている弓手と、壁に叩き付けられて昏倒してるごろつきの姿。
そして、頬を張られた少年が顔をしかめ、少し目を開ける。

「…おかしい、ほっぺたから切り傷じゃない痛みがする…めっちゃいたい…」

情けない声で、ちょっと涙目になりつつ意識を取り戻す。
そして、ふらふらになりながら体を起こせば、失血で青白くなった顔で、それでも笑って。

「お姉さん、良かった、無事だったな 終わった終わった、あとは、無事に逃げ帰るだけ…だから
 …ごめんな、毒針汚した 助かったぜ、いやマジで」

立ち上がろうとするが、膝に力が入らない。 荒い呼吸を漏らしながら、情けない顔で笑う。
ここで時間を使い過ぎたら、角材に潰された中で無事だった奴がおってくるかもしれない。
そう思えば、何よりも先に、この、見ず知らずの男を助けた、心優しい女を逃がさなければいけないと思った。

「今の内なら無事に逃げられるはずだからさ、お姉さん、一人で逃げっちまって良いぜ
 俺、少し休んでから行くから…」

ノア > 「 ぁ..... ごめ ん.. ってゆーか、 生きてるなら早く返事しなさいよ馬鹿 ! この出血、 早くどうにかしないと.. 」

( だからって、 まともな診療所なんて連れて行けない.. 今すぐ止血しないと..... )

互いに目立つ訳にはいかない身。傷だらけの貴方を連れて街を歩けば、 いつ巡回中の兵士に見付かってもおかしくはないし、 追っ手が何人いるのかだって知らない。当然、 ここまで関わってしまった貴方を置いていくなんて選択肢はない。

「 何言ってんの、 このままじゃ休んでる間に出血多量で永遠に休む事になるわよ。」

可愛げのない台詞吐きながら、 黒いローブを脱ぎ 半ば無理矢理にでも貴方に着せた。傷だらけの姿を、 すっぽりと覆い隠すように。まだベアトップドレスで街を歩くには季節外れだけれど、 少々の肌寒さなど問題じゃない。

「 お姉さんお姉さんって、 ババァ扱いされてるみたいで嫌..... あたしはノア。掴まれば立てる ? 」

もしも立てるなら、 ぐでんぐでんに酔っ払った黒いローブ姿の男を連れ込む娼婦役くらいは演じようという魂胆。証拠となりそうな毒針を回収したり、 貴方の脱ぎ捨てた長衣を拾いに行きながら問い掛けた。

ティエンファ > 「一瞬トんでたわ、気が緩んだかね …あー、だな、どうにか…」

クラクラと揺れる頭で頷きつつも、しかし考えが纏まらないのは、血が足りないからか。
そこに、頭から被せられるローブ。 女の匂いに包まれ、こんな時なのにちょっと戦闘高揚とは違う意味で気分が昂る。
フードをかぶり、もそりと目元だけ除けば、

「ティエンファ なんか、何から何までごめんな …えー、ババァ扱いって…
 んー、俺は、ティエンファ … ありがと、ノアちゃん」

年下から明らかに年下扱いみたいな呼び方されるノアだ。
毒針と上着を拾って戻ったノアに肩を貸して貰えば、何とか立ち上がることができる。
鍛え上げた身体がノアには重いが、いくらか意識を取り戻したか、離しているうちに足に力が戻る。

「行く場所、ないなら…平民街に、俺の宿が…」

しかし、ノアが危惧したように、目立つことになるだろう。
今この時、どこに向かうかはノアの選択に掛かっている。

ノア > 躊躇なく眉間から引き抜いた針はゴロツキの服で拭ってから内腿のバンドへ戻し、 ざっと畳んだ血濡れの長衣は貴方にローブの中で持って貰おうか。

「 ちゃん付けね、 うん.. 悪くない。じゃ、 行こ.. ティエンファ。」

何とか立てそうな貴方の身体を懸命に支える。傷を触らぬよう気を遣う必要があるから、 不安定にふらつくその身体は余計に重く感じた。 それでも辺りを警戒し神経研ぎ澄ませながら、今はいち早く身体を休める安全な場所へ..

「 平民街なら、 もっと近くに休める場所がある。大通りを歩いて中心部の宿を目指すより、 早くて安全な筈..

もう少しだから.. 根性見せて。」

貴方の意識が再び飛んでしまわぬよう、 声を掛け続けた。向かうは今居る貧民地区寄りの位置にある、 自身の住処。

ティエンファ > 血の糸を引いて抜けた毒針。 少年が投擲したのだろうが、その狙いは的確で。
細い肩を頼りにして何とか歩く少年は、名前しか知らない相手に、しかし全幅の信頼を置いていた。
抗った所で野垂れ死にするのが目に見えているというのもあるが、不思議と、ノアの声に無条件の安心を覚えていた。

「大、丈夫…まだ、なんとか…」

声に言葉を返す。 歩きながら状況を問われ、襲われていた理由を離す。
用心棒や護衛を多く受けている冒険者だが、依頼を成功させ過ぎて、同業者ににらまれたのだとか。
もしかすると、裏社会の噂で、腕の良い用心棒が最近噂になっているかもしれない。

そして、ノアの住処に着くころには、応える声も小さく途切れ途切れになっていた。
しかし、まだ、生きている。 

ノア > ふらふらと足下の覚束ない真っ黒なローブ姿の男と、 傍らにくっ付いて歩く女.. 傍目にはよくある光景に見えるだろう。

そのまま密やかに、 二人の男女が貧民地区から姿をくらませた ──

ティエンファ > 酔っ払いと娼婦に見せかけて、男女の影はその場から消えたのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」からノアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」からティエンファさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にシャニスさんが現れました。
シャニス > 月明りの綺麗な夜の貧民地区。
そこの大きめの通り、怪しげな店の立ち並ぶ一角をドレスの裾を揺らして歩く。
客引きや酔っ払い、住民などに声をかけられるも困った顔で断り、時には無視をするようにして歩く。

そして時々には足を止めて店や露店を覗き込み何かを買うものを吟味するようにしてゆっくりと商品を眺めて。

「ここは変ったものがありますわね。こういうのはあちらにはありませんわね」

露店の商品を一つ手に取ってじっくりと眺め、買うか買わないかと吟味をして。

シャニス > 手に取った商品が何なのかはわかりはしないが購入すると決めれば代金を支払い
それを手に次の店へと足をフラフラを向けて歩き。

そのまま何軒かの店を眺めては夜の闇にと消えていく。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からシャニスさんが去りました。