2017/03/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にラフェルさんが現れました。
ラフェル > 自分は決してすべての者達の救いにはならない。
救えるのは本当に一握りの者達だけ。
それでも、自分に出来る限りの事をする事が、自分に課せられた役割だと思っている。
誰かを救えた喜びと共に、救えぬ者達の居る悲しみは常に付き纏う。
仕方の無い事なのだと、諦めるしかない…それは、本当に、本当に辛い事だ。

救いを求める声、それをまた一つ救った後。
自分の手が届くもので良かったと胸を撫で下ろしながら、人の目の届かぬ建物の屋根に佇んでいた。

ラフェル > 「………ご自分達でさえ、明日の食事にも不安を抱えていますでしょうに…」

手元にある小さな包みに視線を落とし、ぽつりと呟く。
中身はパンや干し肉等の食料。
今回、救いの手を差し伸べたのは、病に伏した貧民地区の子供だった。
大した事もない病であろうと、ここでは医師に掛かるのは難しい為に軽視は出来ない。
貧しくとも、とても親子思い遣っている家族だったのだろう。
小さな奇跡は、親の強い思いによって病を完治するに至る程となった。
そのお礼にと、この包みは貰ったものなのだ。
…もちろん、最初は返そうと思っていた。
だけど、結局は押し切られて受け取ってしまった。

「もう少し、ちゃんと自分の意見を通せるようになりませんと…いけませんね…」

苦笑交じりに言葉を零せば、視線を夜空へと向ける。
月や星の輝く綺麗な夜空、晴れた日には誰しもが平等に見る事の出来るものだろう。
だから、自分はこの光景を眺めるのをとても好んでいる。

ラフェル > 一度、二度と深呼吸。
街並みをゆっくりと見回してから、ばさりと白い翼を大きく広げる。
次の瞬間、その身は夜空へと舞い上がり、そのままどこかへと飛び去っていって。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からラフェルさんが去りました。