2016/10/26 のログ
■ライオネル > 「くるしうない。言うてみるがええ」
獅子は貧民街の片隅で、猫たちの悩みを訊いていた。猫たちは縄張りのことで揉めている。
さすがに二十匹以上の猫が集まっていれば、壮観である。
「そゆときは月の満ち欠けを観て、どの家のゴミを漁るのか決めればいいのな」
見事な御裁きを見せていた時、靴音が聞こえてきた。
猫たちは慌てて逃げ去ろうとするが、獅子はそれを止めた。
「たしかに街は人間がいっぱい住んどる。でも猫も住んどる。怯えることはないのな」
猫たちは闇でも目が見える。獅子は二十匹以上の猫たちとやってきる人影を待った。
■シンシア > 集まるのが人の気配なら気づくモノ・・・
先に猫が集まる場所があるとは、気づかず
少し早足になる足音でその場を通り過ぎようとした、けど
ふいに足が止まって周囲を見回すと
なにやら視線を感じたのは猫たちのものよりも
大きな人影で、この場所でなんとなく危ない人かと
構えてしまうけど、その周りにいたのは野良猫たち
悪い人のそばに動物が寄り付くとは思えず
猫が男性に寄るように
自分な野良猫に寄せられるように気が止まり
「…この猫たちは、おにーさんの友達?」
黙る空気から、切り出した言葉は警戒しつつも探るように
■ライオネル > 猫たちは近づいてきたヒトをしっかり見据えていた。
その瞳には少しの恐怖と緊張が窺える。
そしてヒトが敵意がないことがわかると、ホッとしたように自分たちの王の側に歩み寄る。
「獅子は猫の友であり、王なのな。あなたは猫が好きな?」
ヒトに訊かれたので獅子は大きく頷いた。その仕草にはどこか威厳が感じられる。
その威厳に満ちた眼差しが、ヒトの胸をじぃっと凝視した。
「もう一つ聞いてええな? あなたは雌……じゃなく女な?」
実はまだヒトの雄と雌の区別が付かない。一番わかりやすいのは乳房があるかないかだ。
■シンシア > かってくる人の声の返事
口調はどことなく癖があるけど…
猫たちがその人に近寄るのに、猫との信頼関係がある人なんだと把握し
「猫?好きよ」
動物は全般好きで、猫も同じく
視線が顔よりも少し下にあるのは夜でもあり、気づかないで
「…うん、性別でいうと女、あってるよ」
近づくことはないけど、その場にしゃがみこんで
猫の様子を眺めながら
「この時期は猫たち寒くない?こんなとこで…大丈夫?」
■ライオネル > 「雌で間違いなかったのな」
隣で侍る猫にひそひそと囁く。たまに乳房のサイズが判断がつかない相手もいるので判別が難しい。
猫が好きなヒトということで獅子も安心する。
「毛皮は寒くはないと思うのな……でも、もし寒い民がいたら獅子に腹をみせんしゃい」
獅子が猫たちに訊ねる。五匹の年寄り猫が寝そべってもふもふのお腹を見せた。
猫科の動物は獅子にとってすべて民なのだ。
「老いた民はやっぱり寒いみたいなのな……どうしたらええな?」
ヒトの智恵を借りようとする獅子。こくん、と小首を傾げる。体格に似合わない可愛さだった。
■シンシア > 「うーん…どこか建物の中とか暖かい毛布とか…」
寒い猫はいるとわかれば、周囲を見回して
「少しまってて」
立ち上がれば、いくつかの建物の間を抜けて路面に置かれたガラクタから
なにかないかと探りだす
暗いし見えにくい…ガタガタとモノを退けたりしてたけど
何度か崩れてきたものに腕をぶつけたりしながら
引っぱりだしたのは古い布キレや破けてる毛布
通りに時々置かれてるガラクタ置き場からのものだから
問題はないだろうと猫のもとへと戻ると
埃っぽいけど暖かさはとれるだろう、毛布をさし出して
「これならココで使っても大丈夫と思うから、どうぞ」
手渡すくらいに距離を詰めて近づいて
■ライオネル > ヒトが何かをやろうとしている。
獅子もついていこうと思ったけど、不安げな民を置いていくことはできない。
「くるしうない。あの雌に任せるのな」
老いた民の腹をそっと撫でる。
ヒトが毛布を手に戻ってきた。暖かそうな毛布だった。
毛布を敷き、老いた五匹の民を寝かせる。にゃあ、と返事が返ってきた。
「ありがとう、と言うとるのな」
ヒトの智恵により、民の悩みが解決した。
「獅子からも礼を言います……くるしうない」
感謝の気持ちとして、ヒトの雌の腹をそっと撫でた。いつも民にするのとまったく同じ感覚だった。
■シンシア > 「よかった…これから寒くなるものね」
毛布の上で猫が鳴く、その様子に表情も綻んでニコッと笑が浮かぶ
猫を見つめてた視線から、男性へとむけられて
「おにーさんは?大丈夫…ん、ぁ…」
毛布を渡してたから、手がお腹を撫でたことに驚いて
小さく声が出る、思わず後ずさることに
■ライオネル > 「この街には老いた民がいっぱい居るのな。毛布の支給を獅子は考えます」
猫たちの社会福祉について獅子は考えることにした。
ヒトの腹を撫でたら、途端に警戒するように後ずさった。
獅子の頭にいくつものクエスチョンマークが浮かぶ。
すると毛布に寝そべっていた民がまた、にゃあと鳴いた。
「ヒトは感謝の気持ちに腹を撫でる習慣はないと、民が言うとるのな」
風習が違うのなら、仕方が無い。獅子は後ずさった少女の前に立ち
「くる…ごめんなさい」
ちょっと不格好な形で頭を下げた。獣の王だったので頭を下げるという習慣がないのだ。
■シンシア > 「老猫?そうなの…おにーさんは猫とお話できるのね」
驚いて離れてしまうけど、手が届かない位の距離、またその場にしゃがんで
猫たちを見つめながら時々、男性も見たりして
「あ、大丈夫…ここにはいろんな種族の人がいるものね」
頭を下げる様子に手を振って、止めようと
猫の言葉で説明されたようで
悪気があったり、痴漢的な意図でなかったことはわかったから
■ライオネル > しゃがんだヒトの側に民が数匹近寄り、にゃあにゃあと鳴く。
「…………そこまで褒めなくてええのな」
赤くなった顔を恥ずかしそうに両手で覆う獅子。民たちが獅子褒めをしたらしい。
「いろんな種族がいる方が獅子も助かります」
頭を下げる獅子をヒトが押しとどめる。許してくれたようだ。
せっかくだからヒトの風習について聞いておくことにしよう。
「まあ、こちらにきんしゃい。獅子と少しお話するとええのな」
建物と建物の間にある裏路地へ誘う。風がなくて寒くないからだ。
猫たちも連れて行こうと、ヒトの足下にじゃれている。
「そいえば、まだ名前を聞いてなかったのな」
■シンシア > 近寄ってくる猫たち、可愛くてニコニコと笑顔を浮かべたまま
手を伸ばす…許してくれるならば撫でたくて
「夜も遅いから…少しだけね、私は…シンシアよ、おにーさんは?」
猫に促されるように裏路地へと誘われ脚をむけて
ただ場所的に警戒すべき場所にあることはかわりなく
■ライオネル > 王が認めるなら喜んで撫でられよう。誇り高い民は毅然とした態度で撫でられている。
「獅子は……ライオネル・レオパルドンなのな。ライ様でもレオ様でも好きに呼んでええのな」
えへん、と胸を張る獅子。基本的に王様と呼ばれているのでヒトに何と呼ばれても気にしない。
「シンシアな。シンシア。実は獅子はずっと獣たちと暮らしてきたのでヒトの習慣をまだよくわからんのな」
特に難しいのが買い物だ。ヒトは通貨制度を採用している。どうやって通過を獲得すればいいかわからない。
「この国の民(猫)全員にミルクと魚を与えたいけど、おかいものを獅子はしたことがないのな。だから不安なのな?」
と、初対面のシンシアに相談する。
■シンシア > 「好きに呼んでいいのなら……じゃあ、ライオネル、ね?」
敬称をつけるのは、なぜだろう?貴族か?貴族が貧民区にいるのもなぞ
自分が尽くすべき主がいるわけでもなく、従属する気もないから
誰であろうと対等、見上げるわけでも見下げるでもない
「人の習慣…じゃあなにか仕事を探すといいかも、自分にできることで」
通貨の獲得、考えるもすぐに答えはでなくて
自分もギルドやら騎士団に属してるわけでもない、アドバイスにはならないかもと
前置きをおきながら
「なにかした手助けには対価をもらう…とかね戦えるのなら、ギルドとかに入るのもいいかもよ」
■ライオネル > 「獅子にできる仕事……」
自分ができることを、むーんと唸って考える。獅子の仕草はどれも少し子どもっぽい。
「よく眠って、よく食べて、民の話を聞くことが得意なのな」
食べ物は民が運んできてくれる。よいこの獅子は好き嫌いがないので、どんなものでも食べるのだ。
「民の話を聞いた時に、余裕のある民は獅子に貢ぎ物を持ってくるのな」
民は落ちているものをなんでも拾ってくる。食べ物でもゴミでも。
「ギルドっちゅうのは、どんな仕事をするのな。くるしうない所な?」
くるしうなければ、入ってあげてもいい。
■シンシア > 「うーん………」
相手が言う、できることに、思わず唸ってしまう
ギルドは自分も属してないから、仕組みはわからないけど
兄と慕う人が言うには
「どうかな…依頼された仕事をこなせば、報酬がもらえるとこ、よ」
治安がいいとも限らないとこもあるし
郊外では魔物もでるとこもある…
見た目には大きそうだけど、戦闘となれば
使えるのかわからない…
「戦うとかは…苦手?」
商店ができる様子もなく、誰にでもできるものとなれば
力と実力で動ける結果を出せるモノになるが、下手すれば大怪我とか
命を落とす可能性もでてくる
■ライオネル > 「戦うことは苦手やないけど、できるなら戦いはしたくないのな」
膝に乗った民を撫でながら、獅子は溜息をつく。
戦えば負ける気はしない。しかし無駄な争いはしたくない。
「できれば獅子は疲れずに楽に外貨を獲得できる方法を知りたいのな」
実に図々しいことをおっとりとした口調でいう獅子。
獅子にとって人間世界の金銭は外貨となる。
「シンシアはどうやって魚とミルクを買っているのな?」
シンシアはどうやって金を稼いでいるのかと訊ねている。
■シンシア > 「楽に……お金は稼げないでしょ」
なんだか価値観がずれてるきがする
種族が違うのだろう猫と話せるくらいだから
人の生活と獣の生活では違うこともあり
頭を抱えそうになる
「私は、フリーでお手伝い屋さん、ギルドが受けてくれないような小さいものと
ギルドでは受けられないような危ないことをするの」
腰につけた剣に片手をかけながら
普通の何の特技も能力もない人間にできることは
自らの力と知恵
「でも、そこらの人らのような能力もないから、怪我ばかりだけどね
さっきもガラクタからだしてくるだけ、物があたっただけで…ほらね」
先ほどのぶつけた、片腕軽く捲ると赤く腫れてる
人の身体は脆くあることを伝える
■ライオネル > 「獅子の住んでいた国は、物と物を交換しとったのな。何か獅子に交換できるものがあればええけど」
周囲を見回す獅子。しかし民が持ってくる腐りかけの魚やゴミがヒトにとってどれほどの価値があろうか。
あとは獅子のポッケから出てくる光る石くらいしかない。
「お手伝い屋をするシンシアを獅子がお手伝いするというアイデアはどうな?」
ギルドというわけのわからない組織に属するよりは、シンシアの手伝いをした方が楽だと考える獅子。
「民のために傷を負ってくれたのな……くるしうない」
すりむいた少女の腕を、掲げるように持つ獅子。そして肉厚の舌で擦り傷をぺろりと舐めた。
民は怪我をした時は舐めて治す。だからシンシアも舐めて治せばいい。特別に獅子が舐めてあげるのだ。
■シンシア > 「ライオネルのでは…交換してもらえないかも…でもその光る石ならいいんじゃないかな?」
取り出したものは、人の世界ではゴミにされてるようなものばかり
その中で光るものが目について…
「私のお手伝いで?ダメよー、私やとってあげるだけ報酬もらってるわけじゃないし
それに、戦うことできる相手じゃないと組まないの」
楽しょうとしてるのか
先ほどの話で眉を寄せて楽に稼げる方法はないと、再度さとし
「ん、ちょっと…私は平気、舐めなくても治るから」
腕を持ち上げられる、身長差から腕を引いて抜けようとも抜けれなくて
■ライオネル > 「こんなもの獅子の国では魚の骨よりも価値が無いのな」
獅子がポケットに手を突っ込む度にコインサイズの光る石が出てくる。
どうして自分がこんな石を出せるかを獅子は知らない。
「たしかに獅子は戦うのは好きやない。でも、民のために怪我をしてくれたシンシアのためなら獅子は戦えるのな」
それが恩返しというものだ。報酬はいくらでも構わない。今はシンシアからヒトの世界を在り方を学ぼうと獅子は考えた。
「気にしなくてええ。獅子は舐めて治すがごっつう得意なのな」
少女の腕の傷を丁寧に舐める。ふと見れば、少女の頬に土埃がついていた。
「シンシアは雌やから、身だしなみはちゃんとしないといかんのな」
くい、とシンシアの腕を引けば舌で頬の土埃を落としてあげる獅子。
「これでええのな。ぴかぴかの美人なのな」
ほくほく顔の獅子。
■シンシア > 「じゃあその光るのを街で交換してもらうといいよ
もう今は遅いけどね、明日とか」
ポケットから出てくるもの
光る高価なものにみえたから
相手のいう楽に稼げるものかもと話て
「ん…もぉ…だめだってば」
腕を引かれて近づくことに、頬にも舐められて
びくっと震えるけど悪気はないといえ…
両手をつかい距離を離すようにして
「人の世界では、そーゆうのしちゃだめなのー
ほらもう遅いから、私はかえるね??」
気づけば月が出てるけど、その角度はかなり傾いてた
夜も遅くなってることに気づいて
街で交換してもらうことをアドバイスだけ残せば
走って夜の中に姿を消して
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からシンシアさんが去りました。
■ライオネル > 「どこで交換するのな?」
どこで誰と光る石を交換すればいいのか獅子はわからない。
今度シンシアに連れて行ってもらおう。獅子は徹底的に雌に甘えるのだ。
もし民にミルクと魚を配給できたら、余った分でシンシアを雇ってお手伝いをさせてもらえばいい。
「くるしうない。またきんしゃい」
シンシアが去ってから、獅子は民と一緒に寝た。
魔族スキルで空気の膜を張り、周囲の気温を一定に保つ。
これで朝まで快適に過ごせるのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からライオネルさんが去りました。