2016/07/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/バラック通り」にエーヴさんが現れました。
エーヴ >  いつだって盗賊は大人気なのだ。
 義賊は言うに及ばず、衛兵から悪い人まで。
 バラック通り。一面の仮設というよりも、違法建築の結果全ての建物が一つに繋がったような街と化した地区。足がかりになる障害物が多く、いうならば盗賊のような逃げが基本の職業にはうってつけの地区。

 「へへへ! 僕に追いつけるかなぁっと!」

 小屋の上を駆ける。姿勢を低くして駆けていくと、小屋のへりに足をかけて跳躍する。着地と同時に前転し衝撃を受け流すと、後続の男達が跳躍しきれず小屋の壁に突っ込んでいく音を聞いてにやにやと笑った。
 服の裾を払って鼻を擦ってみせ、小屋の中で悶絶する男達を見て指を鳴らした。

 「遅いぞー。じゃあ僕これで行くからね っと。人気ものはつらいなぁ」

 さらなる増援の声。
 道を駆ける。大きい木造二階建てが見えてきたので、その壁面に滑り込み息を殺して道をうかがう。
 小屋の中には誰もいないだろう。お邪魔しよう。
 単純明快な思考だった。天井さえ老朽化して崩れた小屋に誰かがいるとも思えない。窓にかかった鍵をピックで破って入った。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/バラック通り」にシエルさんが現れました。
シエル > 「え。」

窓の破られる音。
それに振り向く少年の姿。

老朽化の進んだ小屋は、反対側が見事に崩れて大穴が覗いている。
その先に一人動きやすそうな格好をした少年がいた。
何かやっていたのか、動きやすそうな格好でほんの少しの荷物を持っている。

「…あ。」

さっきの騒ぎの原因か、と一つ納得したような顔で。
声をあげようと衛兵のいるであろう方角を向いた。
止めるなら今しかない。