2016/07/17 のログ
■アル > 「……帰ろう……」
暫く放心状態が続いていたが、いつまでも情けない気分に浸っている訳にもいかず、本を背負い袋に入れると帰る準備。
他に何か物色する気分にもなれずに、火事には注意と蝋燭の灯を消していくのは、根が善良だからか、小心者だからか……。
それでも音を立てないように帰っていくのは、最後に残った、ちっぽけな意地。
少年は姿を消し――そして残った家は、今も誰かが来るのを待っていることだろう。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からアルさんが去りました。