2016/05/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区奴隷市」にヴェルトさんが現れました。
ヴェルト > さて、労働にあたって必要なのは人手である。
ほんらいならば自分が働けば無駄な金遣いなく回していけるものなのだが――

「それは面倒なんだよな」

駄目男は、誰かに働かせてその収入を吸いとる、という紐思考であった。
そのための事前出費はやむなしだとか。……何かが間違っている気がする、とはかけらも思わないあたり、怠惰な性格もずいぶんと進んでいるようだ。

ヴェルト > そんなわけで労働力を買える場所に来たのはいいのだが――

「駄目だな、身体が貧相すぎる。いや俺は小さくても愛せるほうだが、これは流石にだ」

割と嫌な客になっていた。
何せ労働力のほかに性欲のはけ口としての購入も検討しているのだ、自然と諸々の要求が高くなるのは男としての性というもの。
そして、こういった場所での市では得てしてそんな上物の奴隷が並ぶはずもない。
ずらりと並んだ牢やらつながれただけの陳列奴隷を見て回っているのだが、そのたびにぼそりと感想を漏らすのだからたちが悪い。

ヴェルト > 元手というものは大切である。
具体的にいうなら、表の奴隷市に行けるだけの金銭があるのならば喜んでそちらに脚を運んだだろう。
しかしこの青年、そろそろ節約も考えておかねばならない懐事情に陥り始めたのだ。
このままでは何らかの手段で働かなければならなくなるくらいには。

「……面倒なんだよな」

結局のところはそこに集約されてしまうのだ。
錬金術を使うにしても場所と材料が必要となる。
――そこに罪の意識が介入しないあたり、筋金入りの小悪党ということか。

ヴェルト > 「……やはり働くしかないというのか」

結局、陳列されている通りを抜けきってから肩を落とし、無念とつぶやきながら別の方向へ歩いて行ったとか

ご案内:「王都マグメール 貧民地区奴隷市」からヴェルトさんが去りました。