2016/05/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 廃教会」にヴェルトさんが現れました。
■ヴェルト > 何もかもを失ったものは神に祈るしかないという。
だが、祈るべき神にすら見捨てられたと思われる者たちが集まるのが貧民街だ。
あるいは神に祈る余裕があるのなら靴の一つでも磨いて小銭を手に入れたほうが得だ、と考えるものかもしれない。
ともあれそんなわけで、かつてはこぎれいにされていただろう教会も今や人の気配はない。
「――っても、屋根があるだけ俺にとっちゃあいい宿だ」
いや、一つだけあった。
長椅子の一つを陣取り、横になっている黒ローブの青年の姿。背もたれのおかげで入り口からは姿は見えまい。
わざわざ金をかけずとも寝床を得られる、それはとても楽なことだ。
■ヴェルト > 埃臭い、あちこちきしむ。隙間風も入ってくるし、寝床としての質は最低ランク。
だがそれでも特に気にした様子はなく、寝転がったまま男は軽く足を組む。
視線の先にあるのはぼろぼろになった屋根だ。
そこはまだ落ちずに残っているため、雨はしのげる。さしあたって求めているのはそれだけである。
■ヴェルト > さて、ではもうひと眠り――。
怠惰な男はしつこくもさらに怠惰に過ごす心算らしかった
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 廃教会」からヴェルトさんが去りました。