2016/04/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にタマモさんが現れました。
■タマモ > しとしとと雨の降る中、唐傘を差しながらのんびりと歩いている少女が1人。
さすがにこんな天気では、余り人通りも多くはないか。
裏路地から抜けた先、小さな店が立ち並ぶ通りだった。
…とはいえ、やはりどの店もそこまで客が入っているようには見えない、気がする。
■タマモ > 「むむむ…やはり、日を改めて来るべきじゃったか…?」
くるりくるりと唐傘を回し、水滴が散っていくのをちらりと見遣る。
なんというか、雨の日というのは色々と面倒だ。
足元を注意しないといけないし、周りにも注意を払わないといけない。
まぁ、汚れてもすぐに綺麗になるから良いのだが、そうなる事自体が気に入らないのだ。
やれやれ、といった感じに適当に雨宿りの出来る場所を探す。
■タマモ > 雨宿りの出来そうな…まぁ、ざっと見れば適当な場所は見付かるだろう。
橋の下ならば気楽に行けるだろうし、何かを探すなら店を探すのも良いだろう。
酒場とかならついでに食事とかも出来るか。
そんな事を考えながら、濡れた地面に気を付けるようにして歩いていた。
うん、やはり人が少ないのが一番のネックだ。
晴れてれば、誰かしら遊び相手でも見付けれたかもしれない。
…いや、まぁ、こんな雨だろうと歩いてる者くらいはいるかもしれないだろうか?
遊べる相手かどうかは別として。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にカースドさんが現れました。
■カースド > ベチャベチャと、濡れた布を地面に押し付ける音が雨音に混じる。
その音の正体は、コートを着て目深にフードを被った人影が履いている、布を縫い合わせて作った靴が立てる音だ。
壁に手をつきながら、タマモが歩く正面からやってくる。時折ふらつく足取りと背格好は、覚えのあるものだろう。
コートの人物もタマモに気づいて、足早に近づいてくる。フードの下で猫の耳がピンと立った。
「た、タマ、モ、だ…。えへへ。ちょ、っと、ひさし、ぶり。元気、してた?カースド、はね。げん、き、だよ。」
フードを取った顔に、大きな火傷痕。カースドと名乗る少女が、満面の笑顔でそこに居た。
■タマモ > ぴくん、と耳が揺れる。
足音を立てるその相手に気付くも、かくん?と首を傾げる。
傘みたいな雨避けも持たず、濡れながら歩いている感じだったからだ。
そう強い雨でもないが、何も無しに歩けば結構濡れてしまうと思う。
雨自体は結構前から降っていたのだから、そういった類を忘れたという訳でも無い気がする。
そんな風に思いを巡らせながら、その音の主を求めて視線は前に向けられた。
そこに見えるのは、見覚えのある姿。
…うん、相手も自分に気付いたようで、足音が早まった。すぐ側まで近付いてくる。
「………おやおや、ちょっとぶりじゃな、カースド?
うむ、妾はいつも通りじゃな、カースドも元気であるならばなによりじゃ」
なるほど、フードという手段があるのか。
どうしても雨の時は傘、という考えだったのだが、合羽とかいうものを忘れていた。
フードを取れば顔が見える、笑顔を浮かべる目の前の少女へと手を伸ばすと、その頭を優しく撫でた。
■カースド > 頭を撫でられると、いつものように嬉しそうに目を細める。本当の猫ならゴロゴロと喉を鳴らしていることだろう。
少女は傘の空間の一歩手前で止まっているため、撫でる手には雨がかかることだろう。当然少女の髪や顔に水滴が着くが、それを気にした風はない。
「いつも、どおり?な、なら、良かった。あの、ね。え、とね……。カースド、ね、今、あ、歩く、練習、してた、よ。
あれ、から、ね、ま、毎日、してる、よ。え、偉い?」
褒めてもらいたいのだろう。上目遣いに、期待するような眼差しを向けている。少女の足元は、歩いている内に跳ねた泥で汚れている。
■タマモ > 撫でる手が雨に浸され濡れるだろうが、まぁ、大して気にするような事でもない。
目の前の少女もフードを取っている為に、同じように濡れてしまっているのが分かる、そして、やはり気にしてない事も。
うん、それはそれで少し心配ではある。
「ほほぅ…しかし、雨の日くらいは休んでおいても良かったんじゃぞ?
こんなに濡れてしもうて、風邪をひいてしまっては事なのじゃ。
…とはいえ、頑張っておるのは良い事じゃろう。
うむ、偉いぞ?まぁ、気を付けるのは次からじゃな?」
そういえば、歩く練習はした方が良いと言ったが、雨の日まで無理してやるな、とは言い忘れてた。
むぅ、と小さく唸りながらも、褒めるのを期待しているだろう少女の腰に手を伸ばし、抱き寄せ、ぎゅーっと抱き締めてやる。
抱き締めながら、こう、満足するまで頭を撫で回してやるだろう。
自分も濡れるって?そんな事は些細な問題である。
…汚れる?うん、少し気になるが、気にしたら負けだと思う事にしよう。
■カースド > 「雨、の日、は、や、休ん、で、よ、良かった、のかぁ。風邪、はね、た、多分、大丈夫。この、服、あ、あった、かい、から、雨、でも、平気…。」
自慢気に手を広げてコートを見せる。薄汚れてしまっているが、良く見れば上等な作りであることがわかるだろう。
抱きしめられれば、少女も手を回して抱き返しながら、胸元に頬をこすりつける。コートのお尻の部分が盛り上がって、中で尻尾が楽しげに揺れているのがわかるだろう。
抱きついたまま顔をあげて、口を開いた。
「あ、そうだ。あのね、火の、つ、点け方、ね。わかっ、た、よ。必要な、もの、も、そ、揃えた、の。」
■タマモ > 「うむ、風邪だけではない、地面が滑っておるから転び易いしのぅ?
どうしても、という用事があるならば仕方ないが、歩く練習ならば雨の日は避けるようにじゃぞ?」
雨の日は思う以上に危険が潜んでいるものだ、無理はないにせよ、避けるのが無難だろう。
身を寄せてくる少女を撫で続けながら、コートの膨らみが見えればくすっと笑う。
と、顔を上げる少女から言葉がかかる。
「おぉ、分かったのか?そうかそうか、それは助かるのぅ。
準備万端とは、カースドもやるものじゃ。
…しかし、あれじゃ…雨じゃのぅ…?」
さすがに、雨が降っている屋外では、して貰うにしても難しいか。
さて、どうしたものだろう?
この付近では、多分、この少女の方が詳しい。
問うように、じっと少女の顔を見詰める。
■カースド > 「そっ、か、カースド、ね。まだ、歩く、の、下手、だから、あぶ、危ない、ね。次、は、は、晴れ、の日、に、する、ね。」
こくこくと素直に頷く。くすり、と相手が笑えば、何故笑ったのかはわからないが、合わせてふにゃりと緩んだ笑みを浮かべる。
「雨、だね……。え、とね……。き、汚い、けど、カー、スド、がね、いつも、居るとこ、雨、来ないよ。ど、道具、もね、そこ。」
少女が暮らしているのは橋の下で、それは川を流れるゴミが溜まる場所でもある。
「く、来る…?ホント、に、ね、き、汚い、けど…。」
自分は慣れているが、人を招くのは初めてのことで、少し不安そうに問いかける。
■タマモ > 「慣れておらぬ事を、すぐに慣れよとは言わぬぞ?
それでも、ずっと歩いてたのならば、少しは早くなっておるのではないか?」
まぁ、今は雨の中だ、ここで見せろとはさすがに言わない。
自分に合わせて笑みを浮かべる少女の頭を、改めてぽんぽんと撫でた。
空を流れる雨雲をちらりと見ると、再び少女から声がかかる。
それは、少女のお誘いの言葉だった。
視線を少女へと戻すと、ふむ、と頷く。
「別に雨風を凌げるならば、どんな場所でも良いのじゃ。
………行っても大丈夫なんじゃろう?ならば、向かうとしようかのぅ?」
なんだか不安そうな物言いに、首を傾げた。
まぁ、大方、汚いと強調しているだけに、それを気にしているのではないかと考える。
それでも、この少女が居る場所なのだから大丈夫だろう。
案内を頼む、といった感じに抱き締めていた手から少女を解放する。
伸ばす手は、少女の手を取って。
■カースド > 「え、とね…。うん、は、早くなった、かも。あと、ね、あん、まり、転ばなく、なった、よ。えへー、れ、練習、って、楽しい、ね。」
相手に合わせて、一緒に空を見上げる。鉛色の雲は空をすっかり覆い尽くしていて、切れ間はどこにも見えない。
「だい、じょうぶ?じゃ、あ、ね、こっち。最初、に、会った、石の、はし、だよ。」
腕から解放されれば、代わりに握られた手を引いて先導する。空いた手でフードを戻した。
少女の歩みはいくらかしっかりしたものになっており、練習の成果が現れているのがわかるだろう。転びそうになる回数も減っている。
そしてしばらく歩くと、少女とタマモが出会った石橋へと着く。
橋の側面にかけられたハシゴを降りれば、川に沿って続く通路を通って橋の下の空間へ入ることが出来る。
少女の言葉通り、流木やゴミで小さな山ができていてお世辞にも綺麗とはいえない空間だ。
「え、とね……。座る、のがね……ある、よ。」
と少女は躊躇なくゴミの山に手を突っ込んで中を探り、ボロボロになったクッションを取り出して、雨に濡れていないところに置いた。この山の中に色々と隠しているようだ。
「今、火の、道具、出すね。」
と言うやいなや、上半身をまるごと突っ込んで、中から節の空いた木の板と、皮を剥いだまっすぐな木の棒、そしてボロ布の弦を張った弓のような道具、そして石ころを2つ取り出した。
「これ、がね。道具、後で、あげるね。カースド、火、自分で作れる、から。」