2016/01/19 のログ
ご案内:「貧民地区 汚水の川にかかる橋」にカースドさんが現れました。
■カースド > 元は上等な衣服だったボロ布の上に拾い集めたボロ布を重ね、もこもこに着膨れした少女が石橋の欄干に背中を預けて座っていた。
優しい人に買ってもらって、ご飯をお腹いっぱい食べることが出来た。お金ももらったが、それを抱えて買い物に行けばまた奪われるだけだろう。
たっぷり食べたから、きっと何日か食べなくても平気なはずだ、そう考えて今日は何もせずに夜をやり過ごすつもりだった。
いくら厚着をしていても、屋外で寝たらもう二度と目が覚めることはないだろう。凍死という言葉は知らないが、本能的にそう感じていた。
「………。」頑張って布を集めたおかげでそれなりに暖かい。何事も無ければ夜明けまで待っていられるだろう。
■カースド > 動かないでじっとしていると、眠気がやってくる。いつの間にか船を漕いでいるのに気付き、ぶるぶると顔を振る。
半分眠りそうな目で眠気を紛らわせようと、口を開き「……~~♪~~~~♪」か細い声で歌い出した。
記憶の何処かに残っていたメロディに合わせて、適当な声を出しているだけの、拙い歌だ。
不鮮明な記憶から掘り出すために、何度も中断しながら、どこか物悲しいメロディを歌っている。
■カースド > 不意に歌を止める。もう続きが思い出せなくなった。
「……さ、寂しい、な…。」
少し前まで、何日も口を開かず誰とも会話せずとも平気だった。
でも、友達とおしゃべりする楽しさを知ってしまった今、もうあの頃の我慢強さはなくなってしまっていた。
「か、か、カースド…弱く、なっちゃったのかな……。」暖かいベッドを知って、冷たく硬い石畳で寝るのが嫌になって、暖かくて美味しい料理を知って、しなびたりんごやネズミの丸焼きは食べたくなくなって……。
「……こ、ここで、いき、生き、て、いけるのかな……。」
■カースド > 「か、カレ、リア……ラウ、ラ…会いたい、な……。」掠れた声で、ぽつりと呟いた。
夜はまだ長い。
ご案内:「貧民地区 汚水の川にかかる橋」からカースドさんが去りました。