2016/01/14 のログ
ご案内:「貧民地区 汚水の川にかかる橋」にカースドさんが現れました。
カースド > 夜の貧民街、寒風吹きすさぶ橋の上を、人々は足早に過ぎ去っていく。
そこに居座っているのは、家に帰れない事情があるものか、そもそも家など存在しないものぐらいであろう。

貧民地区ではあまりみない、平民が買う時でも少し背伸びする必要がある上等な服に身を包んで、りんごを齧る少女、カースドは後者だった。
先日体を売って得たお金は、これまで見たことがないほどの額だった。数字を数えられないカースドには、いくらあるかすらわからない。
だから大体の重さでいつも払っているぐらいの額を店主に渡して、いつものようにりんごを買った。
店主が渡された金貨を驚いて見ていたからいつもより多かったかもしれない。りんごもいつもより上等な気がした。

カースド > りんごを齧りながら、目は落ち着きなく周囲を見渡し、フードに隠された耳もピクピクと動いて注意を払っている。
自分が貧民地区で目立つ存在になっているのは自覚している。
いつもは何も持っていないから見逃されているが、今の自分はそうでないことも。

周囲の気配に警戒しながら、りんごを齧るペースを上げた。どうにも、嫌な感じだ。

カースド > 足音がした、気がして口を止めてそちらを向く。
夜の闇に包まれた通りの向こうは何も見えない。

のろのろとスカートの上に手持ちのりんごを置く。
素早い動きで刺激するのは危ないように思えた。スカートの裾を持ってりんごをまとめて持ち、立ち上がる。

「…………。」そのままゆっくりと後ずさる。足音を立てないように、何かに躓かないように。

ある程度、距離をおいてから振り向いて、足早に去っていった。

ご案内:「貧民地区 汚水の川にかかる橋」からカースドさんが去りました。