2016/01/09 のログ
ご案内:「貧民地区 汚水の川にかかる橋」からカースドさんが去りました。
ご案内:「貧民地区 汚水の川にかかる橋」にカースドさんが現れました。
カースド > 夜の貧民街、寒風吹きすさぶ橋の上を、人々は足早に過ぎ去っていく。
そこに居座っているのは、家に帰れない事情があるものか、そもそも家など存在しないものぐらいであろう。

そして、穴だらけのボロ布に身を包み、ガタガタと震えながら薄汚れたりんごをかじっている少女は、後者だった。
体を売って得た僅かな金で買ったりんごだ。コインを何枚受け取ったのかは、数えられなかった。
持っているコイン全てを渡して受け取ったりんご3個が、適正な価格なのかもわからない。だが、他に買い物をする方法も彼女は知らなかった。

ご案内:「貧民地区 汚水の川にかかる橋」にカレリアさんが現れました。
カレリア > 「今日は風が少し強いですわね…」

マフラーを口元にまで上げ、文句を漏らし通りを歩く
寒さもそこそこにこの川の臭いも中々に堪えがたい、さっさと帰ってしまいたいがどうしても前方の橋を渡らなければならない
小さくため息を零し速足で渡ってしまおうと歩を進める

「…流石は貧民地区ですわね……?」

橋を渡る間にもちらほらと端に移る人、倒れている者や物乞いが殆どで生気も無い
いつもと変わらない光景、そう割り切るがふとリンゴを齧る少女に目が止まり足が止まる

「……貴女、もしかしてミレー族ですの?」

カースド > しなびたりんごを、飲み込むように食べている。ネズミと違って、りんごを食べているところを見つかれば奪われるかもしれない。

声をかけられ、怯えたように身をすくめてから、それが罵声でも怒鳴り声でも無いことに気付き、ゆっくりと顔をあげる。濁った右目と絶望と倦怠を宿した光のない左目が、相手を視た。

質問には、こくこくと首を縦に振って答える。
「か、買うなら……にじ、にじゅうゴルド…日が…昇るまで……す、す、好きにして、いいよ……。」自分を買いたい客と判断して、値段を告げる。その声は掠れて、濁っていた。

カレリア > 「買う……」

質問への頷きと彼女の言葉、そして悪い意味でも目を引く彼女の容姿で理解する
白濁した瞳に焼けた肌…よく見れば手足の指の数も足りていない
一瞬だけその瞳に悲しみや悔しさ…そして同情の色を浮かべ…

「では、買わせていただきます……場所を変えましょう?」

身をかがめ手を差し出す
数瞬だけ瞼を閉じ少女の表情を見つめる

カースド > 「わ、わか…わかった……。」どもりながら、橋の欄干に手をかけて立ち上がる。
差し伸べられた手の意味は、わからなかった。自分の手を握ろうとするような人間が居るとは、思いもよらない。

「ど、どこに…い、行けば、いい…?」立ち上がっても、橋の欄干からは手を離さない。支えてなければすぐに転んでしまうのだ。

カレリア > 「宿に行きます、それから…これを着けてくださいませ?」

ふらつく彼女の手を握り、自分のマフラーを外し差し出す
黒一色のマフラーで素材もいいものを使っているおかげか中々暖かい

「こんなに寒い日にそんな恰好を見ていたらこちらが寒くなってしまいます…無いよりはマシなはずですわ。」

カースド > 「う……。」手を握られて、残った左目が驚きに開かれる。相手が握った手は指が欠けているせいもあってとても小さく、冷えきっていた。
「て、手…き、きた…き、汚い、よ。マフ、ラー、も…汚れ、ちゃう……。」差し出されたマフラーにも困ったように、申し訳なさそうに辞退しようとした。

どうしてこんな親切を受けるのか、手を引かれて、ふらつくように歩きながら、一つの可能性に思い当たった。
「こ、ここ…殺さ、ないで……ね。なぐ、ったり…首、しめたり、は、良いけど……。」それはつまり、懐かせておいてから傷めつけて、絶望する顔を楽しもうとする客だ。何度か経験があった。
「し、しに、死にたく…ない、から。」

カレリア > 「では差し上げます、貴方が受け取ってくれないと私…悲しいですわ?」

少し潤んだ瞳で小首をかしげ見つめる
貰ってくれなければ涙を流しそうな表情に

「…そんな事はしません、絶対に……」

キュッと手を握る力が強くなる
ゆっくりと歩きだし平民が居の方へ向かう…途中まだ明りの付いたパン屋を見つけ…

「そういえば、さっきはリンゴを食べていましたが夕食はあれだけですの?」

カースド > 「あう…わか、った……。」仕方なく受け取って、慣れない様子で首に巻きつけた。
「あったかい……。あり、が、と…。」口元にも巻いたために、声がこもってしまっているが、小さくお礼を言った。

「じゃ、じゃあ…何を、するの……?す、好きにしていい、けど……。」平民街に向かっていることに気付き、衛兵に引き渡すつもりなのだろうか、と考える。
それは嫌だが、もう買われてしまったのだから、と抵抗はしない。手を握る力が強くなったのも、逃がさないためなのだと解釈した。

「ゆうしょく……えと…きょ、今日の、ごはん…あ、あれだけ…。あ、朝に…かか、買ってもらって…それで、買った。」
漂ってくるパンの匂いに刺激されたか、腹の虫がぐうぐう鳴り始めた。「あ、り…りんご、置いてきちゃった…。」橋の方を振り返り、名残惜しそうに。

カレリア > 「どういたしまして♪」

ありがとうと言われ嬉しそうに微笑む
ゆっくりと歩幅を合わせながらのんびりと進んでいく

「貧民地区の宿よりも平民地区の方が色々と快適ですの。
富裕地区は…鬱陶しい輩も居ますので」

すっと目を細める、富裕地区の中でも嫌いなのが貴族
彼女を連れていればどうせカス共が文句をつける
自分にとってもそんなのは不快でしかない

「では、何か買っていきましょう。私もお腹が空いていますの♪」

手を引きそのままパン屋へ、焼いたパンの香りが鼻をくすぐり食欲が刺激される
店員の奇異の視線はカレリアの殺気を含んだ睨みで黙らせパンを選び始める

「夕食の邪魔をしてしまったお詫びです、好きなものを選んでくださいませ?」

カースド > ゆっくりと歩いていても、少女は時折左右にふらつき、転びそうになる。

「ひ、ひんみんちく…で、出るの……ひさ、ひさし、ぶり……か、カースドが、あるくと…お、おこ、おこられ、る、から……。」周囲の人間の視線に、体を縮こませる。知らずに、カレリアの手にもう片手を添えた。両手とも震えている。

「パン……あ、う…えと……。」キョロキョロと、不安げに店内を見回す。
「あ、あれ……。」遠慮がちに、切れ端を集めて袋に詰められたものを指差した。
「い、いつも…たべ…てた…。ほ、他はよく、わからない……。」

カレリア > 「そうでしたの…カースド?」

その単語に首を傾げ…同時にこちらを見る者達を威圧する
平民地区の名のとおり平凡な人々は睨み返すだけで視線を外していく

「あれ…ですの……」

示されたのはまさに切れ端の集合体
格安の代わりに味はそこそこ腹持ちはまぁまぁの一品

「いつもあれでしたら、たまには完成品を食べてみるのもいいですわよ♪」

ふらりと眺めクリームの入ったパンを二つ購入
身体を見るに惣菜系だと体が受け付けないかもしれないがこれなら大丈夫だろうと会計を済ませ一つ差し出し店を後に
そのまま平民地区の宿へと向かう

カースド > 「か、カースド…なま、名前……。ここ、書いて、ある。」
ボロ布を持ち上げて、下腹部を晒すと、そこには傷口に墨を塗りこんだのであろう、刺青とも呼べぬほど乱暴な手法で、This is Cursedと刻まれていた。
「こ、これはカースドって書いて、ある、だから……カースド…。」呪われてあれ、その文を自分の名前だと、少女は考えていた。

「ご、ごめんなさい…よ、よく、わからなく、て……。」この店に並ぶ種々様々な食べ物全てがパンであるとは知らず、何か間違いを犯したように思えて、小さく謝った。

「お、お金…今…も、持ってない…けど、に、にじゅうゴルド、足りる…?た、足りるなら、そこから、払って……。」自分の分であろうパンを、相手が支払ったのを見て、借金と考えたのか、自分を買った代金で払うように提案した。

カレリア > 「…それは、あまり良い名ではありませんわね……」

そっとカースドの服を下ろさせ前方に向き直る
表情を見られないようしながら手を再び握る

「マフラーを同じく、差し上げます。それに…もともと一晩20は安すぎですわ?」

そう告げればそれ以上何も言わない
交渉の余地なし、一方的に渡して終わりにした…
宿に入ればさっさと料金を払い部屋へ向かっていく

カースド > 「ごめんなさい…。」良くない、ということは悪いことだ。それはきっと自分のせいなのだろう。うつむいて、もう一度謝罪した。

「あり、あ、ありがとう…。」押し付けるようにパンを渡されて、何も言われなくなった。もしかしたら怒っているのかもしれない、何か自分が失敗を犯したから。機嫌を損ねてしまったのだろう。

「…………。」自責の念と罪悪感に、暗澹とした表情で、何も言わずに宿の部屋へと手を引かれるままについていった。

カレリア > 「謝る事はありません、貴方は悪くないんです…」

絶対に…
誰にも聞こえないほど小さく、奥歯を噛みしめ呟く

「…さて、折角宿にも着きましたし…お風呂に行きましょう?」

部屋に備え付けられた浴室…貧民地区の宿ではこんなもの滅多にない
浴室のある宿…これは王都で宿泊するときは最低限の条件なわけで

「ふふ、拒否権はありませんわよ?
さぁさぁ…服を脱いできてくださいませ♪」

上機嫌に浴室へ向かう

カースド > 「わから、わからなくて……カースド、馬鹿だから……。だから、ごめんなさい…。」悪くない、と言われても、何かがあったのはわかった。それが好ましいことではないということも。

「お、風呂…?あ、えと…ま、まだ、し…シない、の?」貧民地区で自分を買うような人間は汚れなど気にせず、良くて濡れたボロ布で拭かせる程度だった。
だから風呂など、貧民地区で暮らしてから入ったことなどない。

「わか、わかった……。」マフラーとボロ布を床に落として、浴室へと足を踏み入れた。

裸になると、少女が受けてきた虐待の跡がありありと見ることが出来た。傷跡と薬品による火傷痕は全身に及んでいた。指は何度も骨を折られたのであろう、ゴツゴツと歪んでいる。
幸いなことに、性器は汚れては居るが破壊された形跡はなく、少女らしくぴっちりと閉じていた。乳房も、ほとんど脂肪がなく、乳頭が陥没している以外はごく普通だ。