2015/10/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にイアさんが現れました。
イア > (夕刻のスラム街。塵芥のように路地裏に投げ込まれた少年。
 その頬に真新しい打撲痕を見せながら、少年は自身を投げた体格がよく人相の悪い男を睨む。
 その男の手には財布と思しき小さな袋。ちゃり、と硬貨の音がする。
 「ガキの稼ぎじゃこんなもんか。まあ貰っといてやるよ」
 男はそう言って足早に立ち去って行く。)

……ちっきしょ。

(奪われた財布には、身を売って稼いだ僅かな財産が詰まっていた。
 悔しげに呟いて、少年はじんじんと痛む頬を手の甲で拭う。痛む。)

こんな顔でも商売道具だっつーの。……今日もまた飯抜きかな。

(大きくため息をついて地に尻をつけたまま、首を反らして上を見る。
 建物と建物の間、狭い空が橙色に染まっていく。)

イア > (治安の悪い貧民地区と言えど、人の営みはある。
 すぐそこにある通りの雑踏をどこか遠いことのように聞きながら。
 相変わらず上向いたまま、考えるのは今日と、明日を生きること。)

……この感じだと、結構痕残りそうだな。

(理不尽な暴力を受けることにも、幾らか慣れた身体の感覚から、見えないまでも見当つけて。
 ますますため息を深くする。
 こんなナリでも買ってくれる客は見つかるだろうか、と。
 ひ弱な子供が日銭を稼ぐのは、難しいのだ。)

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にアラミルさんが現れました。
アラミル > (貧民地区の細い路地。一人膝を抱えている少女がいる
くすんだ銀髪を羽織った布からはみ出させ薄蒼い目をあたりに巡らせてから…)

………

(ごはん…と小さく呟く…その声は路地に軽く反響し、夜闇と雑踏に飲み込まれていき
今日もごはんはなしだろうか。そう思いながら路地にたたずんで
そんな折、ため息をつく少年の姿を見つけると…気づかれないにしても、じぃ、と視線を送るだろうか)

イア > (ぼんやりと考えていたところで、金はないし腹は減る。
 ダメ元で客引きでもしようと思い、反らしていた首を一度ぐるりと回し。
 そうして気付いた。
 薄暗がりの更に暗闇の中、膝を抱える小さな人影に。
 はじめボロ布かと思ったが、中身は磨けば光るだろうかわいらしい少女で。
 その薄蒼い双眸が自身へ向けられていて、立ち上がろうとしたまましばし硬直した。)

…………。なんか用?

(見るからにひ弱そうな、庇護者を持たない子供の姿には共感を覚えて声をかけた。)

アラミル > ……!、え、と……

(びく、と声をかけられると肩を揺らして。話しかけられたこと自体が久しぶりだったからだろうか
…いつもは、話していることなどないから)

…こん、ばんは?

(ひとまず、そう返す…声は小さく、雑踏に紛れればもしかしたら聞こえないかもしれない
肩が揺れた拍子にぼろ布から覗いた顔は、少しくまがあるものの清潔にすればかわいい、という顔立ちに見えて)

イア > (声をかけると、小さな肩が震えたのが見えて。
 自分と歳はさして変わらなそうだが、なんとなし優しくしてやろうという気になる。)

あ? あ、あぁ……こんばんは。

(まともな挨拶などしたのは何時ぶりだったか。
 戸惑いながらも言葉を返し。
 地面から腰をあげ、土のついたハーフパンツを軽く叩くと一歩、少女の方へ踏み出して。
 勝手に、奴隷か娼婦か物乞いか、そのあたりの同業者だろうと思い。)

で、俺になにか用でもあった? 生憎、金がないから買ってやれないけど。

(と嘯いて。)