2023/06/22 のログ
サウロ > (何故だろう、パニック状態ではあるものの語彙がしっかりしているので大丈夫な気がしている。
 イケメンという単語が発せられれば苦笑しつつも、頭を抱えてしまった彼女に、
 とりあえず背中をマント越しに撫でて宥め続けて。
 見たかという問いには首を振って「誓って見てはいない、から」とは言うものの、
 うつ伏せだったので丸みのあるお尻ぐらいは不可抗力で見てしまった。
 それはセーフなのかアウトなのかちょっと判断がつけづらく視線を背けて言い淀み。)

「流石にそれは駄目だ。危険だから、どうか分かってくれ」

(掴まれた連中は街の衛兵に突き出すことにはなるだろう。
 しかしこの国ではそこまで重い罪になることはなく、数日もすれば出てくるはずだ。
 その時にまた恨みを晴らす為に彼女が狙われることになってはいけない。
 今日は無事でも、次も無事でいられる保証はないのだからと真摯に伝えただろう。)

「大丈夫なら良かった。僕の方は大丈夫、下にまだ着ているからね。
 と、まだ名乗っていなかったな。僕はサウロ、宜しく」

(名を告げた後、少し待っていてくれ、と立ち上がり、一旦盾を降ろしてから鎧のベルトに手をかける。
 手慣れた様子で鎧を外せば、ジャケットのベルトを外してから脱ぎ落し。
 下は長袖の黒のインナーなので、此方が上裸になると言うこともなく。
 軽く畳んでから彼女へと差し出しつつ、手を差し伸べて立ち上がるのを手伝おう。)

「着替えたら君の下宿先まで護衛しよう。
 もしくは騎士団の本部の方がいいだろうか? 泊まる場所はあるし女性もいるから、
 もし不安なら一晩安全な場所で休んでいって貰っても大丈夫だ」

(襲われた事実が後から恐怖心を呼んで、眠れなくなったり悪夢を見たり、情緒不安定になるケースも少なくはない。
 サウロ自身は男であるが、そう言った被害者の気持ちが分からなくもない経験もある。
 彼女が立ち上がったなら、着替える間見ないように背を向けてこの後のことを告げて。
 鎧を再び付け直しつつ、彼女が良いという間では周囲を警戒するように見回して。)

ティアフェル >  一応冒険者の端くれなので、一般女子に比べて図太く。
 襲われて剥かれて泣きじゃくって尼僧を目指して神殿に入る……ような繊細さは云うまでもなく欠如しているけど。
 恥ずかしいことは恥ずかしい。見たかった訳でもない紳士的過ぎる騎士殿の目に入れたのもなんだか逆に申し訳ない。心がぐちゃぐちゃではあったが。
 背中をさすって宥めてもらうと、これ以上醜態は晒すまいと深呼吸で精神の均衡を図り。

「……じゃあせめてわたしの代わりに騎士様どついといてくれない…? こう、手が滑った態を装って……でも迷惑がかかるね……駄目ね……超悔しい……っ」

 報復代行などを頼んだら迷惑がかかるだけということくらいは理解できるし、そもそも清廉そうな空気がにじみ出ているのでそんな話には乗ってくれまいと察し。
 真摯な様子に、溜息をついて。分かったよ…と不承不承肯きはするが、納得しきれなくて世の中理不尽ばっかだわ、とぼやき。

「インナーだけだと鎧が当たって肌が傷まないかなー……ほんとにごめんね。ありがとう。
 サウロさんね。こちらこそよろしくです。
 ぁー……なんか、酷い目に遭った後だとご親切が身に沁みる……」

 わざわざ鎧を脱いでジャケットを貸してくれる様子に後光が差して見える、と眩し気に目を細める所作。そして、ありがとうとジャケットを受け取って手をお借りして立ち上がり。

「おぉぉ……騎士様の護衛……なんと贅沢な……ふふっ、ちょっとお姫様気分だー。嬉しい。
 あ、騎士団の中入れてもらえるの? 親切にしてもらえるのありがたいな。下宿返ってひとりでいるともやもやして眠れないし、お邪魔してもいいなら」

 非常にきちんとした近年稀にみる騎士の鏡のような方だ、今後とも騎士様とお呼びしたい、としみじみと感じて。
 騎士団本部で休ませてくれるらしい、剛胆な性質のヒーラーではあるが騎士様のご親切を受けるのが女子としてこれは嬉しい。ショックで泣き濡れる…という訳でもないが、こういう夜は一人で今日のことを思い出していらいらもやもやしたくない。
 ほくほくと嬉しそうに肯いてお言葉に甘えることにし。
 お借りしたジャケットを着こんでしっかりと前を留めて肌を隠すと、ふぃーと息を大きく吐き出して。

「もういいよー。ありがとう。ふふ、ぶかぶかー」

 長く余った袖を揺らしながら、やっと自然な笑みが零れ。羽織っていたマントは半折りにしてお返ししようと差し出し。

サウロ > 「ふふ、してあげたいけれど、衛兵に突き出す時に足を蹴るぐらいだね。
 それに、抵抗してきたから軽くお仕置きもしてある」

(それが彼女にとって慰撫になるかは分からないが、すでに軽く懲らしめてあると伝えて。
 彼女にとっては悔しい思いではあるだろうが、女性である以上今日より悲惨な目に合うことも少なくはない。
 こちらの肌の心配までしてくれる彼女に笑いながら、鍛えてあるから大丈夫だと返しつつ、鎧を付け直し。
 立ち上がる彼女が着替えを済ませる間、会話を交わしていく。
 元々明るく、おしゃべりな気質なのだろう。彼女が言葉を紡げば、
 サウロは穏やかに応じるように頷き、時に小さく微笑んで、軽い応酬をしていたか。)

「勿論。残念だが、あまりおいしくない食事もついてくるよ。
 もし美味しいレシピを知っているなら、是非教えてくれると嬉しい」

(本部は平民地区だが、ここからそう遠くない場所にある。
 もういいよと告げられれば振り向き、余った袖を振る可愛らしい仕草には、ふっと双眸を細めて微笑んだ。
 差し出されたマントを受け取れば、背面に羽織り直して鎧のベルトと留め具の部分にカチリと付け直す。
 改めて見れば、ジャケット一枚だけを羽織った妙齢の女性というのは妙に色気があり、
 疚しい気持ちはないのだが、自然と足元に視線が行ってしまう。
 細い生足。しかも今彼女は下着を着けていないという事実が、妙に全裸よりもいかがわしく感じてしまう。
 実直な騎士然としていても、サウロもまだまだ若い男なので。)

「ん゛ッ、んん……それじゃあ、行こうか、ティアフェルさん」

(咳払いで誤魔化しつつ、踵を返して彼女を招きながら、歩き出す。
 仲間に通信魔導具で状況を報告しつつ、路地の合間を通って、人のいない路を選ぶ。
 時間も時間だ、出歩く者もそう多くはないので、貧民地区を抜けるのはそう難しくないだろう。)

「そう言えば、君は回復魔法が使えるんだったね。
 誰かに師事したのかい?」

ティアフェル >  一応仕置きはしてくれたという科白に軽く肩を揺らして笑い。

「そっか……じゃあ、いいわ。――だけど、ねえ。騎士様。どうしてかな。わたしもあいつらに同じことしてやりたいのに……それは許されない。それがすごく……悔しい」

 一発腹に決めて全裸に剥いて道に転がす、同じことをしても良ければきっと留飲は下がるのだが。
 生来ガサツな性分は目の前の冷静沈着で穏当な騎士殿とは対照的で相いれなさそうだが、逆に彼の落ち着きのお陰でそれ以上逆上することはなく。
 ただいろいろな気遣いがありがたく単純に嬉しかったので表情は自然穏やかに綻んで。
 
「お食事も? あー。云われたらお腹空いてきた。だから今なら絶対おいしいわ。
 えーと……そうね……レシピか……騎士様たちの口に合うかどうか判んないけど、簡単で大量に作れるレシピなら任しといて」

 田舎で食べ盛りの弟たちの胃袋に詰め込むために簡単大量作成できるレシピならと笑って肯き。
 素肌に大き目のジャケットがちょっと照れくさいが、少なくとも全裸よりも大分かなり精神的に落ち着く。
 オーバーサイズのせいで身体のラインが隠せているんだか逆に一部強調されているのだがだが。
 とにかく気恥ずかしくはあり、下着もないのでリアルにスースーする…と自然両手を前に回して風で捲れないように注意しながらなので歩調はどうしても遅い。

「うんん~? 何その咳ぃ~、ひょっとしてこれってちょっとセクシー? なんてーあはは」

 ティアでいーよ、と告げながら咳き込む様子を敢えて揶揄っては、能天気な笑声を洩らして。ブーツまではさすがに脱がされていなかったので、彼の誘導に従って並んで本部へ向かいながら。

「あ、いや、下が弟ばかりでね。しょっちゅう怪我してくるものだから必要に駆られて……我流っちゃ我流かな。
 騎士様は、この王国の騎士様にしてはちょっと雰囲気違う? お生まれはどこなの?」

サウロ > 「……ああいう手合いは、逆恨みをしやすい。
 気持ちはわかるが、同じ土俵まで落ちて相手をしてやる必要もない」

(やられたらやり返す、という流儀で言うなら彼女の言い分もわからなくはないが。
 それが出来るのであればきっと、彼女は全裸に剥かれて転がされて等いなかっただろうとも思う。
 つまり、複数の男を相手に悲惨な目にこそあってはいないが、連中に対して同じことをしてやれるだけの力量が備わっているとも言い難く、
 流石にそのことまでは言わないものの、やはりサウロとしては、連中のことなど忘れて穏やかな日々に戻って欲しいとも思うのだ。
 話題を変えるように、大量作成のレシピがあると聞けば笑みを浮かべて頷いて。)

「簡単なものしかないけれど。
 ああ、それはいいな、うちにも大喰らいがいるから助かるよ」

(そんな会話をしながら、裾を抑えながら歩く彼女の歩調に合わせてゆっくりと進んで行く。
 咳払いを揶揄われると、少しだけ目線を反らしてから「……早く服を着た方がいい」とだけ伝えた。
 まあ、彼女の言う通り、ということである。意識してしまうと考えてしまうので、軽く首を横に振って。)

「なるほど……下に男兄弟が多いのなら、そのしたたかさは納得だな。
 うん? そうかな? 僕もこの国の生まれ、だと思うよ。
 物心ついた時には教会付きの孤児院にいたから、出生は分からないんだが」

(我流であることよりも、彼女の女性ながらのしたたかさに納得いった様子である。
 雰囲気が違うというのは、どういうことだろうかと不思議そうに首を傾けて。
 金髪碧眼は確かに貴族の特徴として多いが、珍しいことでもないだろうと思う。
 自らは孤児であることについて引け目を感じてはいない様子で語りつつ、
 貧民地区を抜けて、平民地区に入る頃にはようやく安堵できるだろう。
 「もう少しだから」と告げて、しばらく進んだ先には、ギルドの建物かと思うような大きな建物が見えてくる。
 自由騎士団の印章と同じ印が刻まれた旗がかけられ、出入口には見張りが数名いた。
 彼らに声をかけた後、彼女を中へと招く。
 一階で待っていたのは黒髪の女性で、似たようなジャケットを着ていた。)

「それじゃあ、ええと……ティア。後は彼女が部屋に案内してくれる。
 何かあったら彼女に相談してくれ。……ゆっくりと、良く休んでくれ」

(引き継ぐように伝えれば、ここまでくればもう大丈夫だと彼女に微笑みかけて。
 他になければ、後は黒髪の女性騎士が一晩の部屋へ案内し、衣類や新しい下着なども用意して、
 簡単な食事を持ってきてくれるだろう。
 サウロも、彼女たちを見送る体勢で、軽く手を上げて。)

ティアフェル > 「………。そうだね。でも、だけど、わたし、負けたけど負けてないし挫ける気もないな」
 
 顔ではさっぱりと笑い。まるでなんでもないことのようにあっさりと口ずさみながらも。
 心のどこかではやはり得心がいかず、もやもやとした暗雲が蹲っているようだ。
 それに彼の考えていることだって凡そ察しはつく。だから敢えて負けたと口にして微苦笑気味に肩を竦めて見せた。
 それから食べ物の話に映るとやはり気遣いを感じこの人の前ではこれ以上話題にすまいと。

「いやいや、お世話になりっぱで、ごちそう出ても困っちゃうしいただけるだけで無上ね。
 あー、体力勝負だもんね、じゃ、スタミナレシピを伝授しようじゃないの……味は知らないけどお腹はいっぱいになるよ」

 がっつり系メニューならば心得がと軽く腕まくりをしつつ。
 冗談めかして戯けたことを口にしてみたが、やはり対応は紳士で真面目。
 そして、からかい甲斐がありそうではあると余計な認知。
 外見は19歳女子だが中身はゴリラでしかないが。騎士様に意識されたらさすがにテレる。

「弟というよりサルなんだけどねー。騎士様は兄弟は……って、そっかぁ、ごめん無神経だったかな。
 教会で育ったのね……なるほど納得。倫理観強いと思った。きっといい修道士さんたちがいたのね」

 紳士的過ぎてなかなか見ないタイプ、と思っていたがなるほど出自を伺って合点が行った。
 しかし自身の身の上に関して充分に受容している様子にきっと教会の環境は良い物だったのだろうと感じた。
 やがて案内について夜道を往くと徐々に街並みの雰囲気が変じてくる。街灯も少なくうらぶれた貧民地区からいくらも秩序を感じる、整備された平民地区の街並み。
 目的地は間近ということでかれの声にこくりと首肯しては、辿り着いた立派な建造に感心したように思わず一度その前で立ち止まり。

「わあ……立派ねー。ここ初めて来るわ。え…と……こんばんは、お邪魔します。
 ――ぁ。どうも、ありがとう! サウロさん。もしもあなたが怪我をしたらこのご恩を返しチャンスなので飛んでくるね」

 とは云えちゃんと専属の回復術士などがきちんとすぐに対応しそうではあるが。気持ち的にはそれ。
 建物の中へ入れてもらってこれまた素敵な女性騎士が色々と面倒を見てくれると、両手を組み合わせていきなり『お姉さま…っ』などと口走り始めるのだから意味不明。
 本当にありがとう!と見送ってくれる彼に大きく手を振り。
 物語に描かれているように清廉で、金髪碧眼なんて乙女の夢の権化のような騎士殿にぴし、と敬礼するのであった――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からサウロさんが去りました。