2023/05/01 のログ
■ガイル > 日付も変わり、あらかた客引きも終えた娼館通りを見て、パンパンと手を払う。
今日の仕事は終わりだ。
「さァて、今日はどこの蝶々と遊ぶかねェ」
楽し気に笑いながら顎鬚を撫でる大男は、鼻歌交じりにお気に入りの娼婦のいる館を目指して歩き出した。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からガイルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/冒険者ギルド」にアリエルさんが現れました。
■アリエル > 貧民地区の比較的浅い場所に存在する冒険者ギルド。
平民地区に比べればガラが良いとは言えない冒険者が多いが依頼はまだ比較的真っ当。
そんな依頼がいくつも提示される中、犯罪に関わっていなさそうなものを探す人影。
いくつかの依頼の前を行き来しては内容は確認し、そしてまた別の物の前にと移動を繰り返し。
「こっちは安全、これは微妙、これは……アウトにしか見えない。
安全と金額、取るなら安全だけど」
依頼を見ては独り言のように言葉を零しては依頼を確認。
そして移動をしては別の依頼を、その内容を確認するたびに決めきれないというように悩んでしまい。
そんな姿を酒を飲み仕事を探していない冒険者たちに面白そうに見られているとは思わず。
安全か金額か、その二つを論点にして依頼を選ぼうと悩んでいて。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/冒険者ギルド」にオウルさんが現れました。
■オウル > 結局『飴玉』配布が上手くいかず、次の仕事で必要となる経費以外の活動費を稼ぐ算段が立たずで、仕方なく所属しているギルドではなく冒険者として稼ぐ方法に手を出すべく、冒険者ギルドに久々に顔を出してみた。
お世辞にも治安が良いとは言い切れない、けれど比較的平民地区に近しい比較的全うな冒険者ギルドに少年は普段の外套をまとった姿で姿を見せる。
一応冒険者としてはスカウト・マッパー・ポーターなど、前衛よりも後衛や支援職業として登録している為に一人でクエストを選んで受けるというのが難しいという問題はあるが、何とか――…なるといいなと希望的観測でやってきた。
早速依頼の確認である。
金額と内容、出来れば高額で楽な仕事、若しくは……面白い仕事は無いものかと。
おっと、先客がいるようで、悩んでいる後姿をチラっと眺めた後に、ひょいと横合いからその依頼を悩んでいる人物を覗き込んでみる。
「……スカウトやマッパーやポーターはいかが?
遠距離から中距離での援護や支援に簡単な治療がセットで、かつ今なら格安なんですけども。」
にこーっと、左眼は眼帯をつけた貌であり、あんまり良い印象を持たれ難いので、此処はひとついつもの商売に使うつくり笑顔を浮かべる。
相手を値踏みする前に、まずは珍しく自分を売りに出してみるのだった。
■アリエル > 配達の依頼はシンプルに平民地区の店に荷物を運ぶだけなので問題はなさそう。
採取の依頼は一部が扱い方次第で危険ではあるがまだ真っ当。
最後に見た依頼は一晩の警備なのだが報酬額の高さに確実に犯罪がらみと見ては論外と結論付ける。
選ぶなら配達か採取、そのどちらかでありこの二つなら選ぶのは後者。
最低限集めれは後は出来高払い、ほかの採取も植物次第では高く買い取ってくれるならこれかと決め。
「スカウトは私がそうだから間に合ってるよ。
マッパーとポーターは……どれぐらい慣れてて持てる?
援護や支援、治癒がセットってサービスいいね」
依頼に手を伸ばしかけた時、のぞき込むようにして声をかけてきた相手、少年と言える年頃の男の子に視線を向け。
そしてマッパーやポーターとしての力量を問いかけるように眼帯をつけている顔を見つめるようにして。
その答え次第で雇ってもいいかと考えて。
■オウル > あらら、スカウトにスカウトがダブってしまったぞ。
と自分よりも少し背の高いエルフの女性の一言に少々判断ミスったかな?と思ったのだが、マッパーとポーターの部分で需要が有りそうだと判ると内心胸をほっと撫で下ろす。
基本的に犯罪絡みの運び屋で生計をたてているので、どうしても隠密行動やトラップ解除等の中後衛に特化した部分が鍛えられていて、その中で出来る職業が弓矢や投擲を駆使するスカウト、地形を把握し正確に地図に描く或いは案内をするマッパー、後は荷物を安全に運ぶポーターである。
そのマッパーとポーターがどれくらい慣れていて、持てるかと問われると、さて何を基準に言葉にすればいいかと軽く首を傾げて笑顔を崩し、眉間に皺を寄せて数秒思案の後に軽く肩を竦めて見せてから答える。
「無名遺跡で3日間ソロでサバイバル経験有り。
マッパーで言えばそれくらいソロで切り抜ける技術と地図作成と記憶力かな。
ポーターの部分は荷物は魔法の鞄持ちで二人なら3日分の荷物は余裕、サポートとして料理と先ほどあげた簡易治療が出来るよ。」
どれも事実。
ただ簡易治療の部分はダメージの程度によっては毒に近しい薬を使って応急処置を行うってのは隠しておく、基本は包帯と消毒液とその毒を扱う知識の分と同じだけの薬草の知識があり自信はある――あと敵から無差別になるがアイテムを盗めるスキル、相手によっては武器とかも盗める奴。
「……どう?今ならアンタが7でオレが3の分け前でいいよ?」
アンタ美人だし?は口にせず言葉にしない感想だけども。
基本裏方なので、高く分け前を得られると思っていないのでだいぶ譲歩した提案だけども、どう?と相手の反応を伺うように片や眼帯で片や裸眼の眼で相手の顔を症状見上げる角度でじーっと眺めて返答をまつ、指先はちょっとかゆい自分の鼻先をカリカリと掻きながら。
■アリエル > 組むならばあまり得意ではない前衛がベストではある。
しかし酒場に居るその手の冒険者はどう見ても信用ならないように思える面構え。
そして声をかけてきた少年も同じスカウトであるならば選択肢には普段は乗らない。
だが採取の依頼にしようとちょうど考えていたので状況次第では雇うのもありかと思っての問いかけ。
「経験はそれなりに積んでる感じね。
あそこで三日サバイバルできる腕前なら十分。
受ける依頼は採取だけど、色々と集めるつもりだしマッピングも頼めるのは助かるかも」
少年の返答に受ける依頼で連れていくには十分、遭遇するかもしれない妖魔や動物も問題なさそうな腕前と考え。
料理に関してはさほど気にせずに緊急時に簡易とはいえ治療をできるのも悪くはなく。
治療が行えるなら薬草の知識はあるだろうから採取も手際よく進むと考えるに至り。
「7:3?取り分がそんなに多くないけど、それでいいなら。
この依頼に付き合ってもらおうかな」
少年の取り分がどう見ても少なくはあるが本人から言ってきたのならそれでいいと。
見上げるように見つめてくる顔を見返しては雇うことを告げて。
■オウル > 前衛であればマジックユーザーであれば重複は有り、だが基本的に魔法の使えないスカウトのような中後支援職は重複を嫌がる傾向があるので、断られても文句は言えなかったから、正直胸を撫で下ろすどころか、良い返事がもらえてそこらのテーブルに突っ伏したい気分になった。
「うんうんマッピングは任せてよ。
良いポイントがあった地図を作成して共有するのも当然有り、それくらいサービスするし。
もちろん採取も問題なく遂行してみせるよ。」
自分の得意分野が売り時なら遠慮はしない。
もてる技術をアピールし、その上作成した地図は共有もしてもいいと、採取に良いポイントが記された地図はそれだけ価値があるのを理解した上で、サービスと言い切る。
――…こんな美人なエルフと知り合いになれるなら安いもんだ。
「………じゃあ契約は成立で。
オレの名前は……オウル、逃げ兎(にげうさぎ)のオウルって言えばそこそこ…いや微妙に……少しくらいは知られた冒険者のつもりだよ。」
利き手である左手を握手の為に自分から差し出す。
そして冒険者として登録している名前を二つ名付きで名乗ってから、エルフのアメジストみたいな瞳を見上げて、笑みを返した。
ただ視線が時々チラっとくだってしまうのはエルフにしては珍しく肉感的なプロポーションをしているために、視線が吸い寄せられてしまうから、身長的な差を考えると誤魔化せそうではあるけども。
■アリエル > 中遠距離がでの支援が得意と先に言って貰えているので前衛は自分が行えばいい。
行先にそれほど危険な魔物なども居ないと記憶しているのであまり得意ではないマッピングと荷物運び要因としては役に立つ。
そう考えては雇用を決めて。
「そこまでサービスしてくれるんだ、これは雇い得かな?
これは追加報酬も期待できそう」
地図の共有がサービス、そして採取もという言葉に満足そうに頷き。
もし同じ条件で他を雇うならそれだけで報酬の半分は消えてしまう。
ここまでサービスと言い切る少年にそこまで仕事に困っているのかと勘違いして。
「成立で。後で今回の依頼の同行で申請しておくよ。
逃げ兎のオウル君ね。私はアリエル、通り名は特にないよ。
この依頼は五日後までに決まった量を集めればいいから気楽にできるよ。
出発は明日からでもいいかな?」
二つ名を聞いてもピンと来ないのは恐らくはメインで使うギルドが違うからだと考え。
差し出された左手に利き腕はそっちなのかと左手で少年の手を握っては軽く握手を交わし。
貧民地区のギルドで出会った割には礼儀正しい少年だと笑みを返して。
ただ時折に視線が動く気がするのだが気のせいだろうと気にしないことにして。
依頼の内容を改めて説明をすれば出発日は明日でよいかと、自分だけなら今すぐに出発するのだが少年に準備も必要と考えて。
■オウル > 時と場合によっては得意ではないが最悪の事態を避けるために前衛の代わりは務めてもいいかもしれない、何て事を思うくらいには今夜の出会いと一時的であれパーティーを組めたエルフの異性に興味と下心はある。
前衛に立つ必要性がある程の危険な場所に向かう慎重さに欠けた人物ではないと思いたいが、その時はその時だ。
「アリエルか、改めて宜しくアリエルさん。
申請やら何やらはアリエルさんにお任せするよ。
こんな格好と背丈だとどうしても甘く見られちゃうからさ。」
うん、嘘はいってない。
貧民地区の冒険者ギルドで顔見知りはちらほらいるが、自分が前にでて手続きをするとどうしてもいらぬ詮索を受けてしまうので、此処はアリエルと名乗ったエルフの女性にお任せして、頭の中は既に身支度と5日分の諸々の準備を思考する。
重ねてつなぎ合わせた左手と左手は当然つなぎっぱなし、ニギニギと軽く本当に軽く相手の手を握って愉しみながら、返されてアリエルさんの笑みに少し鼻の下が伸びかけたのだった。
「これから最長5日間分の買い物に付き合って貰えるなら、今からでも構わないよ?
食料に水に薬草やら包帯やらは常に持ち合わせてるので、準備として大変なのはその辺りの買い物だし。」
勿論此処でお別れして、明日出発でも全然構わない。
が、折角だから買い物に誘ってみるのも面白いかなと、露骨なお誘いではなく相手に幾分か選択肢を与えるよな返答を返しながら、どうする?何て再び小首をかしげて、アメジスト色のアリエルさんの瞳を真っ直ぐに見つめて問う。
■アリエル > 少年を雇うと決めてまず考えたのは中後衛二人なので危険な場所は避けると言う事。
勿論危険な場所に行けば貴重な薬草などもあるだろうが、その分は安全な場所で数で補えばいいと。
見た感じ利益の為に無茶を言うようにも見えないのでそう決めておき。
「こちらこそね。
人間ってそういうのは変ね、腕に見た目は関係ないのに」
格好と背丈でという言葉に、年齢以上の実力を持つ者もいるのに見た目でという判断に首を傾げ。
だが甘く見られるのは冒険者としては嫌だろうと少年の頼みに頷き。
軽くのつもりの握手は中々に少年が話してくれずに少しの間することとなり。
最後は手を揺らすようにして離して。
「持ち合わせてるのは凄いね。準備万端は良いことだよ。
そうだね……善は急げと言うからそろえて出発しようか。
その時に基本的にどうするかも話しておくのもいいね」
見つめられての問いかけに少し考えるしぐさを見せ。
用意ができれば出発できるというのは実に魅力的であり、何より五日分の買い物を終えれば大丈夫と聞けばそうしようと決め。
その時に方針を決めながらにしようと告げては行きつけの店に行こうと考えるが。
少年のお勧めの店があればそこでもいいと考えて、そういう店がないかと問いかける。
■オウル > 何にせよ採取だろうが討伐だろうが危険はゼロではない。
無謀な作戦を取るように思えない、準備に少しでも時間を割く慎重さがあるのだからその点は問題ないだろう。
採取クエスト美人エルフ付きなんて滅多にない上質クエストに思わずニィと口の片隅を持ち上げた笑みを浮かべるが、慌ててその笑みをやんわりとした極普通の笑みで上書きする。
そのタイミングが手を揺らされて、折角の久々の異性のぬくもりが離れてしまうのは当然惜しいと思ったが、あまりなれなれしくしてもと思い、離れた、離したその手で軽く自分の後頭部をガシガシと引っ掻き諸々誤魔化そう。
「鞄は愛用品なので常に腰につけてるし。
中には治療用の道具からマップ用の筆記具一式あるし。
腐り物……ああ水や食料以外は常に万全にしてるからね。」
少々自慢な言葉を並べるときだけは後頭部をガシガシと掻いていた手を掌を自分の胸元にそえてお任せあれ見たいな態度で返答を返すと、出発するという言葉には続いて大きく肯定の為に頷くのだった。
「じゃあ、城門に向かう最中に幾つかお店があるから、そこで買って行こうか?
あとは現地で一度野営して、打ち合わせ、うん基本的にどういう方針で行くか決めるって感じでいいかい?」
アリエルさんの言葉に自分の言葉を混ぜてまとめると、彼女がクエストの受諾と自分の同行申請をするのを待つ事にした。
さて1日は移動に、その晩は打ち合わせ。
危険な依頼であれば王都の中で宿を借りて打ち合わせもいいが、採取なので其処まで必要ないかと現地で打ち合わせを提案し、買い物は打ち合わせの分だけ、その時だけ豪華にしようかなと考える。
■アリエル > 採取に問題がなければ最大日数前に戻ればその分危険も減る。
最悪は安全圏と呼ばれる近くまで引いて期限ぎりぎりまで採取も視野に入れておき。
年下の少年と二人という依頼ではあるが酒場で屯する冒険者たちよりは危険がないと思っては気も楽になり。
一瞬少年の笑みが変わった気がしたのでつい見つめるも普通の笑みで首をかしげて。
「貧民地区だと奪われないか心配にならない?
治療品一式だと喉から手が出るようなものだと思うしね。
本当に準備がいいんだね」
後頭部を掻いていた手を胸元に添えて返答をする少年、何事にも直ぐに対応できるという姿勢も印象をよく見て。
準備後出発というスケジュールに文句もなく頷く姿に笑みを見せ。
「そっちにも店があるんだね。だったらそうしよう。
今から買い物をして出発すると着くころには日も暮れてくるかな……それでいいよ」
少年の言葉にそうしようと同意をすれば受付に向かい依頼の受注に。
そこで少年を同行者とすることも登録してから戻り。
「受注してきたよ。行こうか」
きっちりと手続きを終えた依頼書の控えを見せては少年に出発を告げては先にギルドを出ることして。