2023/04/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
タマモ > 「………ふむ、場所を忘れた訳じゃが…
まったくもって、どうしたものかのぅ?」

と、そんな呟きを零す少女。
その姿は、貧民地区の大通りにあった。
軽く腕を組み、周囲へと視線を巡らせる。

元々は、この王都の邸宅に住まう、己の式の一人からの頼まれ事。
貧民地区にある、雑貨店へ行き…
渡された紙に書かれた物を、貰って来てくれ、だったか。
ある調合材料なのだが、少女が聞いたところで、分かるものでもない、ともある訳だが。
まぁ、それはそれである。

とは言え、その雑貨店は、少々入り組んだ場所にあり、簡単に見付かるものではない。
少なくとも、大通りで探し、見付かるものではないのだ。

「さて…それならそれで、と言うのもあるが…」

そもそも、真面目に探す気が、本人にはない。
こうして、歩いている途中で、何か面白いものでもないか、なんて普段の思考に切り替わっているのだ。

巡らせる視線は、いつしか、己の目的のもの探しにすり替わっているのだった。

タマモ > 貧民地区とは言え、大通りであれば、露店も並んでいるもので。
そんなものが並んでいれば、とりあえず、少女の視線は露店の一つ一つへと向けられる。
美味しそうなものも好めば、珍しいものも好む、そして、面白そうなもの、楽しめそうなものも。

…とは言っても、そこまで必死に探している、と言う訳でもない。
見付かれば良し、見付からないなら、それはそれで、散歩になって良し、なんて感じだからだ。
体を動かす事は、健康の上で大事な事である。
場合によっては、体を動かすのは相手になる訳だが、そこは気にしない。

とりあえず、見えない場所でも、何かがあるかもしれない。
そんな考えもあれば、時折、意識を耳に集中させたりもする。
そもそも、聴覚は鋭い訳だが、こうして意識を集中する事で、その鋭さは更に増す。
それこそ、大通りから外れた、路地裏からの物音や声さえ、聞き取れる程だ。

欠点があるとすれば、近くで大きな音を立てられると、なかなか良いダメージを受ける事か。
その時はその時で、少女の怒りを受ける結果となる訳だが。
そんな事、誰が知る訳もない、と言うものである。

タマモ > 僅かの間、頭から見える狐を模した耳が、なにやら探るように、ぴんと立っていたのだが。
聴覚よりも、視覚へと探りを戻したか、元に戻る。

「まぁ、なかなかに、そうしたものは見付か…」

やれやれ、と肩を竦めながら、視線が大通りから、路地に続く道へと向けられれば。
その視線が止まり、呟きも止まる。
どうやら、奥の通り、普通では暗く見えない先に何かを見付けたらしい。

とは言っても、はっきりと見えるものでもないが。
何かがある、少女にとって、興味を引いた事には変わりがない。
少し思案をした後、先に歩んでいた足の爪先が、ぐるりと、視線の向けていた先へと向けられる。

タマモ > そして、気が付けば。
少女の姿は、忽然と、其の場から消えるのだ。

人の目に留まらぬ速度で動いた、と言う訳でなく。
ゆっくりと、その姿を周囲の認識から外す。
そうして、周りに知られる事のないままに、その何かが見えた場所へと向かうのだ。

その後、何があったのか。
それは、そこに何があったのか、それ次第で変わるのだが。
まぁ、少女が関わるなら、碌な事はないのだろう。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。