2023/04/17 のログ
■フェティーダ > 「そ」
首をかしげる貴女に少女は年相応に屈託なく笑うのだ。あなたを信用している、とでもいう風に。
「長い事、王都にいるんだもの。一度や二度くらいは話の通じないエクソシストや堅物騎士に追われたことぐらいあるでしょう? それでも生き延びてるってことは、すくなくとも『王都』に詳しいってこと。どの道がどう続いていて。どこから地下に入れて。魔族に甘い軍人や騎士の駐屯している地区はどこか、最悪、どこに味方の『拠点』があるか……とかね」
おそらく、まだ王都に来てさほど時間のたっていないフェティーダにとってはそうした情報網がまだ欠けているのだろう。敵の腹の中で活動するにあたっては力だけではより大きな力につぶされるだけだし、それはただの暴れるモンスターと大差ない。賢く、慎重に立ち回る必要がある。そして、値踏みするような貴女の視線を目ざとく見つけたフェティーダは、一瞬で少女の仮面を捨て去り、魔族としての蠱惑的な笑みを浮かべながら、あなたの腰骨あたりを両手でつかむと己の腰をあなたのそれと密着させるのだ。
「ふふ、ロイナはきっとそう言ってくれると思っていたわ。だから既に『宿』はとってあるの。上等な宿ではないけれど、一晩過ごすには十分な場所……」
いつのまやら、フェティーダの指にはどこぞの宿の部屋の鍵らしきものがひっかかっており、それをくるくると回しながらあなたと共に歩いていく……
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からフェティーダさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からロイナさんが去りました。