2023/04/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアストラさんが現れました。
■アストラ > 「すっかり遅くなっちゃったわねぇ…」
唇を尖らせながら、目深にかぶったつばの広いとんがり帽子を軽く持ち上げる。
露出の多い冒険者風、更に言えば魔術師風のローブを羽織った妙齢の女が一人、久々のマグメール王国を歩いている。
少し肌寒い風が吹く、入り組んだ路地。物言わぬ躯があったり、ゴミが散乱したり、どこかから艶めく声も聞こえてくる。
少しばかり懐かしい。相変わらずの風景を深夜に目の当たりにしても平然と歩ける程度には肝が据わっている。
ここ数ヶ月ふらりとよその国まで足を伸ばしていた根無し草の冒険者。
気分転換も兼ねた旅行のようなもの。しばらくその国に滞在して、そろそろ移動しようか思った矢先にマグメール王国行きの依頼があったので、それを請けて戻ってきたばかりだ。
戻ってきて早速娼館にいって遊んできたところ。
長い蒼銀髪の波打つ髪を風に揺らしながら、滞在する宿を目指して歩いている。
こんな時間でも、もしかしたら何か面白いことがあるかもしれない、という打算はあるけれど。
■アストラ > 深夜という時間帯もあって、人の気配も鳴りを潜めつつあり、静寂の中に風が吹き抜ける音だけがする。
暗がりの中に街路灯がうすぼんやりと光り、月明かりだけがかろうじて周囲の陰影を引き立てていた。
「ふぁあ……やだ、眠くなってきちゃった」
暢気に欠伸を一つ。
ぐぐ、と軽く細く白い両腕を天に伸ばして白い脇まで晒しながら伸びをしてから、歩を進めて行く。
眠気も訪れたことだし、今日はもう素直に宿に戻ることしよう。
そう決めて貧民地区から出る路を進みながら、やがてアストラの姿は闇に溶けて見えなくなっただろう────。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からアストラさんが去りました。