2023/03/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にクレイさんが現れました。
クレイ >  
「……」

 頭をガリガリと掻いて突っ立っている。
 夜の貧民地区のとある軒下。
 何時もならば宿でも取る時間……なのだが。

「運がねぇというかなんというか」

 雨が降り出した。しかもそれなりの雨。元々怪しい天気はしていたが、降り出す前には宿を取れるはずだった。
 しかし色々とトラブルが重なり結果こうなった訳だ。
 近場で良い宿あったかなと考えるが、微妙な宿ばかり。背に腹は代えられないと言えばそうだが、とはいえすぐに即決はしたくない。
 もっと暖かければ雨だろうと突っ切って帰るのだが、流石にすれはまだ少し冷える時期だ。そこまでして宿まで突っ切りたくない。
 そういう訳で止むまでこうして待機していた。

クレイ >  
 とはいえ、実際やろうと思えば濡れずに帰る手段はある。
 バリアというのも変だが、付与魔法でそういう事は出来る。主に耐水性の付与だ。戦場では雨だろうが止まらずに走らないとだし、目に雨が入った一瞬が命取りになる。だからそう言う魔法もあるにはある。
 だが、ここは街中だ。いくら何でも戦場で使う魔法を使ってまで走るのはなんか違う。

「……弱くもならねぇなぁ」

 ザーザーと降りしきる雨を軒下でボーッと見ている。
 貧民地区の軒下など十人に怒鳴られたり場合によっては刺される案件だが、どうしょうもない。
 仮に何かされそうでもよっぽどの相手でなければ自分ならどうにでもなるしと。
 だから最大の敵はこの雨であった。