2023/03/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にリネアさんが現れました。
リネア > 夜の貧民地区。
貴族、ましてや子供が一人で出歩くには危険な地区だがちょくちょく出歩いている。
ここを歩くととても面白いことが起きるから。

「今日は何が起きるんだろう」

内心楽しみにしながらあてもなく夜の街を歩き。
物珍しいというには慣れた光景をきょろきょろと見渡しながらあえて目立つように。
いざとなったら精霊さんが何とかしてくれる。
その確信だけはあったから。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にクィンスさんが現れました。
クィンス > 「うーん……、これは、困ったことになってたなぁ…。」

辺りはすっかりと暗くなってしまった時間帯。
クィンスは、いつもはにこやかな笑みを浮かべている顔をしかめて、困り顔だった。

この時間には宿に戻っているつもりだったのに、道に迷ってしまい、
街頭どころか、人通りすらあまりなさそうな場所に迷い込んでしまったのだ。

「こっちの道に行ったら近道に行ける言われたんやけど…、どこで間違えてしもたんやろ…。」

はぁ…、と小さなため息をつきながら。
仕方がない、北見ちぃを戻ろうかと思った矢先、その視線に先にぼんやりと現れたのは、
白い影だった。

あたりが暗いから浮き上がったのだろう、目の前の小さな白い影。
別に幽霊だとか、そういったものに関して怖がるつもりはない。
だけど、そのシルエットは恐がりな人にしてみれば、十分不気味だろう。

「あれ……、なあ、そこの幽霊…さん?
ちょっと道を聞きたいんやけど…そっち行ってもええやろか?」

しかし、残念ながらこの女は幽霊だからと言って怖がるような人物ではなかった。
むしろ、近寄りながら道を尋ねようとする、そんな人物だったのだ。

リネア > 「私、幽霊じゃないよ」

急に道を聞かれてびっくりしつつ振り返る。
この辺では珍しい服を着ているがまあ貧民地区だしどんな人がいてもおかしくはない。
声を掛けられた女性に自分から近づいていき。

「うーん、道を聞かれても……一応私、貴族でこの辺に詳しいわけじゃないから」

ちょくちょく来ているとはいえ土地勘があるわけではない。
道を尋ねられても、と困った顔をする。

「ええっと、出来る範囲で頑張るから……とりあえずどこに行きたいか教えてくれるかなお姉さん」

それでもできる限り協力しよう、貴族として。
そう思い目の前の女性を見つめる。

クィンス > 「はえ……?」

幽霊じゃない、そのように言われて素っ頓狂な声を上げた。
この暗がりで白っぽい見た目をしており、さらにこの場所は余り治安が良くないと来ている。
このあたりで倒れた誰かが、未練を残しているのだろうかという、
勝手な解釈をしたからこそのだったのだが、どうやら完全に的外れだったらしい。

しかも、自分語りかづいてきて分かったが、確かに足がある。
可愛らしい見た目をしているとは思いつつも、続いた言葉にはさらに驚くことに。

「貴族…?それは、失礼してもたなぁ…!
えろぅすんまへんなぁ、てっきり幽霊の類やと思てしもたさかい、堪忍やでぇ。」

困ったように笑って、謝罪を繰り返す。
この国で貴族に失礼なことをすればどうなるのか、
そればっかりはしっかりと肝に銘じているつもりだ。

なので、形だけでもと思い、両手を合わせて軽く腰をかがめて見せた。

「うーん…せやねぇ…。
出来れば、平民地区?のほうに行きたいんやけど…。
って言うか…、お嬢ちゃんはなんでこないなとこにおるん?」

貴族なのに、こんな治安が悪いところにいるのが、どうも解せない。
お供も連れていないようだし、何か理由でもあるのだろうか、と。

リネア > どうもかなり本気で幽霊の類と思われていたみたいだ。
場所が場所だし確かに幽霊ぐらいいてもおかしくないが。

「いいの、気にしないでお姉さん」

腰をかがめる相手の頭を撫でる。
どうやら平民地区に行きたいようだがここからだとちょっと遠い。
そして疑問も確かにもっともな内容だ。

「んっとね、ここって危険だけど面白い人と会えるから時々歩いてるの、そう、例えば……」

目の前の女性の手を握ろうと。

「お姉さんとか、ねえ、どうせだったら私の家にお泊りしない?今晩はお父様もお仕事でいないし退屈してたの」

上目使いで見つめる。
まるで誘っているかのような視線を送り寄り添うように腕を絡めようと。

クィンス > 気にしないで、と言われて撫でられる。
明らかに年下であるのは間違いないはずなのに、頭を撫でられるという、
嬉しいやら恥ずかしいやら、複雑な心境を抱きつつ。
ただ、撫でた手にあたる感触は、非常に艶やかである、とは言っておこう。

「……うち?」

面白い人と出会えると言われて、くすっと笑みを浮かべて見せた。
確かにこのあたりというか、この国ではかなり自分という存在は浮いているだろう。
姿もそうだが、独特の訛り口調であるそれも。
それで面白い人と言われれも、確かにその通りだと納得してしまえる。

握られるだけならまだしも、腕を絡めてくれる少女に女は笑みを深くした。
可愛いなぁ、と思っている半面、なかなか面白い子だな、と言うのも…。

「うちはかまへんけど…ええの?
うち、こないな格好してるけど、普通の一般庶民やで?」

貴族のところにお邪魔するには、いろいろと手続きもいるのではないか。
いや、そんな手続き、誘われたからで片付いてしまえるだろうか。
それに、この誘われるような上目遣い…、乗らない手はないだろう。

「ほんなら…案内してくれる?」

ぜひ、お邪魔させてもらう、と二つ返事を返すのだった。

リネア > 「きれいな髪……」

自分も黒髪ではあるが艶のあるしっとりとした髪。
撫でてて気持ちのいい髪の毛だ。
気軽に家に誘えばびっくりした表情の相手に向かって。

「いいの、家は貴族にしては緩い方だし、困っている人を見捨てるのはいけないことなんだよ」

貴族の義務と自分の趣味。
それを両立させつつ了承を得ると絡めた腕を引いて。

「じゃあ行こうか、こっちだよ」

腕を引いて自分の家へと案内した。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からリネアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からクィンスさんが去りました。